北山 早苗 http://sanae.voicejapan.net
活動報告バックナンバー
2004 年 5 月 8 日
『あおぞら』でまちづくりの視察、美の基準を基本に置く真鶴町
〜さわやか早苗日記253〜
 6〜8日の3日間、『あおぞら』の宮川速雄議員、林奉文議員と私の3人で、神奈川県真鶴町と兵庫県神戸市へ政務調査に出かけた。
 長野県では、景観の「美しさ」を基本に置いた『信州の美しく豊かな風景を育成する条例』を2月の県議会に知事が提案したが、県議会によって継続審査となってしまった。知事の権限を強めるのに市町村の合意形成がないまま出されたというのが、議会側の言い分のようだ。しかし、たとえば安曇野では、住民の願う美しい安曇野の姿はどんどん失われつつある。穂高町には町ご自慢の、ゾーニング規制のあるまちづくり計画があるのに、虫食い状に田園風景が壊れてしまったり、観光地なのに看板規制区域は絵に描いた餅になってしまったりしている。あたらしい方策が必要なことは確かなのだ。
 そこであおぞらでは、実際に『美』を町づくりの基本にしている真鶴町の取り組みや、まちづくりへの住民参加に昔から取り組んでいる神戸市の取り組みを見てこようと、出かけた。

 真鶴町は『美』をまちづくり条例の基本に置き、「美の基準」がある。かつて真鶴の海に存在していた『夜光虫』を蘇らせ、町に美しく豊かな眺めを創造するというビジョンとともに、まちづくりの基本になっている。
「美の基準」により、場所、格付け、尺度、調和、材料、装飾と芸術、コミュニティ、眺めの8原則がつながりを持ちながら、全体のイメージを具体的に示しながら建物を建てて行こうというもの。公共性の高い建築物はこれを受け入れて建てなければいけないのはもちろんだが、町民に対しても努力目標として、全ての建築行為に適用されるデザイン・コードになっている。
 「美の基準」の特徴は、従来のように高さ制限や建ぺい率など数字で基準を示すのではなく、日常言語によるイメージの集合体として、言葉によって美のキーワードが示されているところにある。
 例えば、「キーワード‥‥眺める場所。前提条件‥‥海に向かい長い外形を持つ真鶴は、どこからもさまざまな眺めが望める。公有地を問わず、これらの風景を見渡す場所そのものが町の財産である。解決法‥‥ほんの少しでもよい、町を訪れる人々に眺めを公開する場所と、方法を考え眺める場所を独占しないよう計画すること」というふうに。
 このようなキーワードは、これまでいた真鶴の人々が伝統的に守ってきたルールが基になっており、69ある。

 6日はまず、この美の基準で建てられた建物を見に行ってきた。岩海岸にある海水浴場の『岩監視所』は、空とつながる舞い降りる屋根や砂浜とつながる大きな石張りのバルコニーがある。町の商店街にある公民館『コミュニティー真鶴』(写真)は狭い空間にも関わらず、緑と建物が美しく配置され、石や木などの自然素材がふんだんに使われた建物。車が見えないようにという美の基準のもと、駐車場は地下に設けてある。女性画家が親しい友人たちと老後を過ごす為に建てた『真鶴共生舎』は急傾斜の坂道にたつが、日当たりのよい広いテラスのある木の家だった。どの建物にも真鶴の伝統産業である小松石がふんだんに使われていた。
 もう一つ町で建設中の『地域情報センター』を見た。旧診療所跡地に図書館を建てる計画に、情報センターとタウンセンターを含め複合施設として、国からの補助金で計画された。しかしこの建物は途中まちづくり条例で制度化されている、美の基準に基づき開発行為の診断を行う『まちづくり審議会』から再三にわたり、クレームがつけられた‥‥(続きは次回)

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