北山 早苗 http://sanae.voicejapan.net
活動報告バックナンバー
2005 年 8 月 17 日
自然との共生を目指す伝統的工法を天満沢でも生かして欲しかった
〜さわやか早苗日記344〜
(前回の続き)伝統的工法によって造られた夜間瀬灌漑頭首工は、自然との共存を目指すもの。穂高町の天満沢頭首工とは、まったく正反対の工法だ。

 穂高町の広報を見ていたら、牧地区の栗尾沢堰改修工事で、最上部の頭首工工事にあたり、地元や関係者などへの説明会を開催すると載っていた。天満沢では事前の説明会もなければ、広報にお知らせが載る事もなかったが、どういう風の吹き回しなのかと思い、町に電話をしてみた。穂高町の農林課では、栗尾沢の頭首工工事の参考にと、夜間瀬灌漑の取水口を見に行ったそうだ。
 私が、「夜間瀬は自然に配慮し、工夫していましたね。ぜひ、栗尾沢では参考にして下さい。それにしても、天満沢でも自然配慮をして欲しかった、悔やまれます」と言うと、町の職員は「あの工法は天満沢では出来ない。新しい天満沢頭首工では子どもが水遊びをしていた。天満沢で子どもが水遊びが出来る所は、他にはない」と言っていた。
 子どもは、あのような頭首工が出来る前から、天満沢で水遊びをしている。

 天満沢の頭首工工事を発注したのは穂高町、予算を通したのは穂高町議会である。私は県議であっても町議ではない。町政に文句を言う時は一町民として文句を言うしかない。
 それでも、頭首工の下流に住む方からは、「北山さんがいるのに、何でこうなっちゃったの」と言われる。県は町から上がって来た事業計画を審査して国へ予算要求する仕事をしている。どういう審査がなされたのか、私は県の農政部に何度も質問した。農政林務委員会でも取り上げた。
 県は規模こそ大きすぎたとは認めなかったものの、自然環境への配慮がなかったことは認め、これからは、たとえ災害復旧で急いでいる工事であっても、チェックシート等をつくって自然への配慮をしっかり行うと答えた。夜間瀬灌漑などの伝統的な工法についても、もう一度しっかり勉強してもらいたい。
 県に比べ、町の姿勢はいただけない。住民からの要求で、工事が終ってからやっと「自然をどう戻すかについて住民の意見を聞く会」を開いた。しかし、自然に対する配慮がなかった事を認めず、子どもが遊べる場所が出来たとは‥‥。
 それなら何故、栗尾沢の工事では夜間瀬に見に行き、事業に当たって住民説明会を開くのか?「安曇野市の選挙が近いからじゃないの?」と言っている人もいる。

 天満沢頭首工の規模については、壊れない維持管理の楽なものをという理由で、国から来るお金を目一杯使って過大なものを造ったとしか思えない。本当にあの幅(9.6m)の堰堤は必要だったのか?もっと狭く造り、夜間瀬のように増水時は工事で使ったバイパスにも水が流れるようにしても良かった。そうすれば、取水はもっと楽になったはずだ。
 また、頭首工上部のコンクリート堤防の高さは190cm、これは30年確率の洪水に堪えられるという計算の基にはじき出されたが、何とその内の1/3の60cmが余裕高(本来必要な高さに、+αされた高さ)であるという。5mの堤防に60cmの余裕高なら未だ納得できるが、1/3が余裕高とは首を傾げてしまう。
 また最近、コンクリート堰堤の中央部分がへこんでいるように見えると言う人もいるが、削れたのだろうか(写真)。まだ出来て数ヶ月しか経っていないのに、まさかね‥‥。

 夜間瀬の人たちは、灌漑施設を大事に維持管理している。北信地方事務所の説明によると、この地域の農家一戸あたりの収益率は長野県の他地域に比べて高く、後継者も育っているとの事。今も昔も自然の厳しい地域であるから、自然と共生しながら、真剣に農業に取り組んでいるのだと感じた。

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