北山 早苗 http://sanae.voicejapan.net
活動報告バックナンバー
2005 年 11 月 2 日
下諏訪町の産廃焼却施設と近隣住民の不安
〜さわやか早苗日記363〜
 10/30の夜に、下諏訪町の住民の方達が、近くにある焼却施設の問題を考えるために、長野大学講師でゴミ問題の専門家関口鉄夫氏を招き、学習会を開いた。
 写真は、昨年、あおぞらで関口さんの案内で、下諏訪町谷間の産廃銀座調査をした時に撮影したもの。奥の白い煙をモクモクとはいているのが問題の焼却炉、左側が敷地内に積まれた建築廃材の山。
 煙が空気に拡散して白い色がうすくなった辺りをよく見ると、黄色みがかって見えた。関口さんによると、化学物質が気体になって出ている可能性がある。紫がかったり、黒っぽかったりすることなら、不完全燃焼の可能性がある。
 県生活環境部の話では、この焼却炉近くの団地住民から変な煙が出ていると連絡があり、立ち入り調査をしたら、800度の焼却温度を維持できていないため、維持管理基準違反で8月25日から焼却を止めさせている。業者からは、炉内のガスの流速を均一化し、炉内全体の温度を均一にして燃えを良くするために、耐熱遮蔽版を取り付けるという申請があった。

 関口さんによると、平成10年の国の法改正で、焼却にあたって3つの条件が付けられた。
1、ダイオキシンの発生抑制のため、1次燃焼炉は800度以上で燃やす。
2、焼却で発生したガスは、2次燃焼炉で2秒以上800度で加熱する。
3、ダイオキシン除去のため、高度な集塵装置(バグフィルター)をつける。
 しかし、問題の焼却施設には2次燃焼炉はなく、また集塵装置もスクラバーという旧式のもの。スクラバーは通常石灰等の薬剤をかけて煤塵をたたき落とすものだが、水の場合は200ミクロンの細かい粒子にして吹きかけるようにしないと、有害な水蒸気となって排出される。問題の炉にそのような高度な装置がついているかは、疑問である。
 また法では、排ガス検査やダイオキシン濃度の検査結果と、ゴミの受け入れ先と量を台帳に記入し、近隣住民が希望する時にはいつでも開示しなくてはいけないが、業者はそれをして来たのだろうか?
 県は問題の炉について、これまでどのように考え、適切な指導をして来たのだろうか?

 近隣住民の話では、夜になると特にひどい臭いがしたり、山に沿って白っぽい筋が見えたりするという。これは問題の焼却施設が谷間にあるため、低位逆転層が発生して蓋をしたような状況になり、煙突からの煙が上空に拡散せず谷間にたまっている可能性がある。住民のところに煙が届くまでに、20万倍に薄まっていなければいけないという法の基準をクリアするには、煙突の高さが逆転層の上までないといけないが、200m、300mもの高い煙突はつけられない。
 つまりこのような谷間に焼却施設はつくるべきではないのだ。有害物質は霧に溶けミストとなって住民が吸い込んでいる可能性がある。目や喉の痛みを訴えている住民もいる、健康調査も必要だ。
 さらに、焼却施設の敷地に積まれた建築廃材や、これを破砕して燃やす際にアスベストの飛散も心配される。

 ゴミ問題を住民が訴えると、必ず言われるのが「どこかにこのような施設は必要だ」という言葉。しかし家庭ゴミは、産業界等などからも排出されるゴミ総量の1/16に過ぎない。しかも分別により、家庭ゴミは減っている。
 ゴミの問題は一人一人のモラルの問題ではなく、企業の社会的責任の問題である。
 なおこの地域には、高速道路のインターから最近直結するバイパスも出来た。便利な道路が出来ると、ゴミは更に集まってくる可能性もある。

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