北山 早苗 http://sanae.voicejapan.net
活動報告バックナンバー
2006 年 2 月 21 日
財政改革や予算案は褒められこそすれ、けなされるものではない
〜さわやか早苗日記384〜
 2月18日(土)の信濃毎日新聞『県予算案「仕上げ」と言える内容か』という社説には、首を傾げたくなる。新聞は批判が使命と言う説もあるが、こればかりは、トンチンカンだと言わざるを得ない。
 社説で、来年度予算案を批判する理由は、
1、県会軽視の姿勢‥‥公表から県会開会まで1週間足らずというのは異例である、審議に入る前に議員がじっくり読み込む時間がない。これでは議会軽視、ひいては県民をないがしろにしていると批判されても仕方ない。
2、作業の遅れは何が原因なのか、説明不足‥‥予算規模は、5年続けて前年度比マイナスの緊縮型。国・地方の税財政を見直す「三位一体改革」が、地方のやりくりにますます濃い影を落としている。田中県政は、歳出面で公共事業や人件費に大なたを振るい、これまで積み上がった借金を減らした。とはいえ借金総額は1兆5000億円を優に超えるため、政策判断で自由に使えるお金は少ない。そこで2期目は福祉・医療、教育といった分野に手厚く配分する「信州モデル創造枠」を創設し、めりはりの利いた使い方を目指そうとした。事業の見直しも、使い方の工夫も、方向はいい。しかし、優先度や必要性といった点で、県民に分かりやすい判断材料が必要。
3、知事の首尾一貫しない姿勢‥‥住民票問題や、旧山口村の越県合併問題など、政策運営の軸がぶれているとの印象を持たれ、不信が広がる。
4、予算案発表の直前に取り下げた職員給料の削減‥‥県の歳出に響いてくる問題、取り下げるなら、提案する必要があったのか疑問だ。
5、県廃棄物処理事業団の赤字15億円を引き受ける方針‥‥下伊那郡阿智村への最終処分場建設計画の中止を昨年決めた段階で浮上していた問題。県は当時から、丁寧な説明を怠ってきた。廃棄物問題全般にどう取り組んでいくのか、姿勢をきちんと示すとき。
6、知事は就任当時の県財政について「破たん寸前だった」と今も強調‥‥5年余りが経過している。前県政の負の遺産を持ち出されてうなずく県民は多くない。

それぞれへの反論
1、予算案の要求概要は2か月も前から出されている。あおぞらでは、これをもとに、これまで一般質問等でも取り上げて来た福祉・医療・教育・環境等を主とした、あおぞらから提案した要望が生かされているか、検討した。従って、今回の正式な予算案でも大方生かされていることは、すぐに確認できた。遅いと文句を言う県議がいるとしたら、ただの不勉強。
2、表題と中身が、分裂症。県は要求概要を発表し、一般県民からも意見を募集して、丁寧に意見を聞いている。県議も県民同様、この段階で意見を言っても良いはずだ。優先度や必要性がわかりにくいと言うなら、根拠を示すべきだ。
3、田中知事程、ぶれない人はいない。
4、職員給料は人事院勧告で平均5%カットが示され、組合交渉でもカットが決まっている。この事に触れていない信毎の書き方こそ疑問。
5、阿智処分場を造った方が、当初想定の29億円を相当上まわるとして、県は建設中止に踏み切った。入れる廃棄物量が減ったことも、きちんと示している。無理なところに造ろうとした結果、費用がふくれあがったのが事実で、阿智処分場は前県政からの負の遺産だったということだ。造ったら大損するためストップし、15億円で手を打ったのは田中県政の英断。信毎はこの数字が理解できていないのか?不勉強。また、県の廃棄物に対する姿勢を示すのが今議会に提案される廃棄物条例。これは、県民の立場から廃棄物問題を考えるものであり、それ故、非々非々県議や首長が反発。
6、借金を減らした県は、長野県だけ。誰が見ても、田中知事でなければここまで出来なかったのは明らかである。借金は前県政の負の遺産であることも、財政改革がなされなければ赤字再建団体に陥っていた事も明らかで、そうなったら、福祉・医療、教育といった分野に手厚く配分する信州モデル枠事業もできなくなる。

 秋田県の鷹巣(たかのす)町では、1991年に岩川徹町長が誕生し、福祉の最先端の町となった。日本で初めて「個室&ユニット型」の老健施設を建てた町だ。福祉先進国デンマークへの視察は、町の職員ばかりか町民も加わり、高齢者ケアのワーキンググループという町独自の住民参加運動につながった。
 岩川町長は、田中知事と同じく、不信任を議会から食らった事もあり、その時の様子も写っている鷹巣町の挑戦を伝えるビデオを、以前に見て、私は、長野県とそっくりと思った。
 しかし、03年に行われた選挙で岩川町長は選挙で敗れ、「病院長」が新しい町長となった。病院を経営している人だから、さぞかし医療や福祉に対して進んだ考えをもっているだろう、と思いきや、とんでもなかったそうで、新町長の「福祉で全国一にならなくてもいい。身の丈にあった福祉で十分」という方針のもと、ミニデイサービスが廃止、グループホームも閉鎖。福祉の町・鷹巣のシンボルだった「ケアタウンたかのす」が町からの予算を削られ、十数年の歳月をかけて築いてきた福祉、ケアの財産が消えてしまったとのこと。

 田中県政の、借金を減らしながらの厳しい予算編成の中、福祉・医療、教育といった分野に手厚く配分する、長野県の予算案は褒められこそすれ、けなされるものではない。
信毎2/12社説は以下から

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