| http://sanae.voicejapan.net |
|
2007 年
7 月
28 日 国の補助金制度のあり方を変えるには 〜さわやか早苗日記448〜 |
||
|
明日は参議院選挙、年金記録不備や「政治とカネ」の問題が争点となり、世論調査では民主党が好調を維持、自民党は劣勢、与党が過半数を大きく割り込めば、首相の進退問題に波及する可能性もあるとのこと。一方で、昨日発表の調査では、両者の差は3ポイント縮まったとかで、「騒がれたのは一時、喉元過ぎればまたもとの鞘に」では、アーア、、、である、そうでないことを願いたい。 1人区の結果が気になるところだが、本当は2人区でも与野党の分けではなく、野党が2議席を占めるような選挙にならないものか。長野県区でも、初めから指定席が決まっているような選挙では、全然面白くない。「K党とS党は何で共闘できないわけ?」と言っている人がいた。本当だ。2人区で両者が共闘し、例えばn県ではK党議員、h県ではS党議員というふうに、出来なかったのだろうか? 東京都のように5人区なんてところは、それぞれでやれば良い、むしろその方がK・R君のような政党に属さない異色の候補が出て、受かるチャンスも出て来る。でも、2人区はそういう可能性もないのだから、せめて、K党とS党は「我が我が」というのはやめて共闘をし、国民の期待に答えてもらえないのだろうか?そうすれば、結果的には自分の党の議員数も増える可能性だってあるのに、、、。 小異を捨てて大同につくことで、憲法を守る、ムダな大型公共事業優先の税金の使い方を変えてほしい、共闘すれば2人区でも野党が2議席取れる可能性だってあると思っている人は大勢いるのに、残念だ。 昨日は、松本市高宮北の私の事務所で、定例の学習会を行なった。渓流保護ネットワークの田口康夫さんが、『砂防ダム問題と渓流環境』について、話された。 水の貯まるダムについては世間の注目を集めているが、砂防ダムについては山奥にあるなどのため殆ど注目されていない。しかし、砂防ダムの数は全国で85634基もあり、砂防ダムのない渓流を探す方が難しくなっている現状である。また、長野県は5850基で全国2位の多さ、本来なら長野県には他県に勝る美しい渓流が沢山あり、それが県の宝とも言えるのに、どんどん渓流環境が失われつつある。 これ以外にも、田口さんが砂防ダムのもたらす自然環境への問題点として挙げたのは、以下のようなことだ。 1、ダムで土砂がとめられ、海に達しなくなったことによる海岸浸食。 2、森林からの適正な成分がダムでとめられたり、有機物を分解する水生昆虫などの生態系がダムによって壊され、養分が海に達しなくなり、海藻が死滅することによる磯焼け。 3、川の中下流に土砂が来なくなり、セメント骨材などの不足。それを補うために田圃を掘って土砂を採取、出来た穴には産廃が埋められることも多い。 4、河床の低下により、橋桁や堤防護岸が洗掘される。 5、砂防ダムに魚道を設ければ問題解決されると、魚道が造られているが、実際にはお金がかかるだけで(魚道だけで数億円というのもある)、役に立っていない魚道ばかり。 更に、国が示す全国土砂災害危険渓流は、1998年の約8万カ所から、2003年には約18万カ所と、5年間で倍に増えた。これは、本来は過去に土石流が起たような場所に、人が住むようになったり、公園や観光施設などを造ってしまったために、増えたもの。 砂防施設の整備率は20%で、「どんどん砂防ダム建設を」と言われるが、危険箇所が5年間で倍にも増えたら、いくら整備しても整備率が上がるはずもない。今までと同じ費用と時間をかけたとしても、整備率を40%に上げるには、あと100年はかかるらしい。 また、1964年から4年間に769基もの砂防ダムが壊れているという報告があるとのこと。コンクリートの寿命は100年と言われているので、寿命で壊れるダムの数を差し引けば、いつまでたっても、整備率20%は変わらない。 全ての危険渓流に複数の砂防ダムを造るには数十兆円から数百兆円かかり、際限がない。 つまり、砂防ダム建設による防災には限界があり、環境に及ぼす影響を考えれば、砂防ダムというハードになるべく頼らない砂防政策を行なう必要がある。このことに国の役人は既に気づいているという。 ところが、地方の首長や議員は相変わらず砂防ダムを造れ造れと言い続けている。これは、大型公共事業が相も変わらず彼らの集票の道具になっているからではないか。福祉や制度を変えることを行なっても、それは目に見えにくいことなので、何もつくっていないと言われる。沢山の改革を行なって来たにもかかわらず、「壊すばかりで、つくっていない」と言われ、知事選挙に負けた田中前知事が典型例だ。 長野県は、田中前知事の時代にいままでの砂防政策の問題点と矛盾点を認め、「ハードにはなるべく頼らない」「ハードに頼る計画を見直す」「ハードに頼る意識を変える」ための『信州・長野県に於ける土砂災害対策のあり方』という通達を出した。また、砂防ダムを一つの渓流に何基も造る計画にストップをかけた。 これからは、危険地帯を示すハザードマップの公表と、危険地帯への土地利用規制と移転援助、避難体制の確立など、土砂が出ることを前提とし、壊滅的な被害を避けるソフト面での対策が必要だ。 田口さんは、あともう1期田中県政が続けば、長野県の新たな砂防政策は確立したのにと残念がっていた。実は、国の方でも、ハード面での対策に限界があることから、ハザードマップ作りを県と市町村に進めさせているのだが、長野県では村井知事になり、砂防ダムの好きな県議や首長の声が元気になっている。これでは時代の流れに逆行だ。 昨年の岡谷の豪雨災害で、被災地域に国からの災害復旧のための補助金が何十億も来るため、県は7基もの砂防ダムを造ることを決めたが、実は、あれほどの大雨が降れば、どこに土石流が発生してもおかしくない状況だ。田口さんの話によれば、たとえば、被害のあったところは落ちるだけ土砂が落ちてしまったため、それよりも、別の沢の方が土石流が発生する可能性が高いと言う。また、被害にあった所は、土砂の通り道がわかったわけで、危険を避けるためのソフト面の方策をとることが出来る。 災害が起きたら、そこに莫大な費用をかけて砂防ダムを何基も入れるというような、補助金の仕組みは変える必要がある。その費用を森林整備やソフト面の対策に回す方が、実は効果的な砂防政策となる。 治水施策でも、ダムには有利な補助金の仕組みがあり、それがムダなダムを造る元凶となり、今本京都大学名誉教授のおっしゃるような『本当に必要な治水対策』をやりにくくしている。 平和憲法を守り、その憲法が保障する住民自治を実践するために、国の補助金制度を変えることの出来る政治家が増えて欲しい。 | ||
|
|
| 当サイトの著作権は北山 早苗 にあります。 |