北山 早苗 http://sanae.voicejapan.net
活動報告バックナンバー
2007 年 10 月 18 日
村井県政1年、住民主体は何処へ?負うのは増税と借金のツケ・1
〜さわやか早苗日記458〜
 先日15日に閉会した県議会、一般質問で、私は「浅川ダム復活の手続き」について「森林税について」「廃棄物条例について」など、質問した。
 質問の結果を踏まえ、『長野県住民と自治研究所』の研究書便りに「村井県政の1年間を振り返って」という題で寄稿した。

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村井県政の1年間を振り返って
長野県議会議員 あおぞら 北山早苗

 この8、9月に、県世論調査協会が実施した県民世論調査の結果によると、村井知事を「支持する」と答えたのは62.3%で、「支持しない」の36.9%を上回ってはいるが、就任1年で支持率は、就任直後より9.9ポイント減少した。任期の1/4が終わった段階なので、県民は様子を見ているのだろう。
 しかし、村井知事の政策の進め方や県政運営の手法については、『長野県のアピール(評価しないが、72%)』『中央と地方の格差是正(同、69.1%)』 『国政に対する主張・注文(同、60.3%)』など、14項目中12の項目で「評価しない」が「評価する」を上回るという結果となっている。また、知事を評価しない理由として、『わかりにくさ・アピール不足』が49.6%と、前回調査よりも倍増した。県民は厳しく見ていると言える。
 具体的な事例から、この1年間を振り返ってみたい。

<強引な手法による、ダム建設の復活>
 前知事の『脱ダム宣言』から6年半が過ぎた今年の7月、村井知事は、長野市の浅川に『治水専用穴あきダム』を造ることを内容とした河川整備計画を国に申請し、認可された。
 私は、この9月県議会で「村井知事は、今年2月8日に『浅川の治水対策、河川整備計画の方針を以下のとおり決定しました』として、穴あきダム建設を実施していくと発表した後、原案を発表、学識経験者からの意見聴取、公聴会、地元首長の同意と手続き進めたが、その手法には明らかに重大な瑕疵があり、河川法に違反しているのではないか」と質問をした。
 土木部長の答えは、予想通り、「手続き上の瑕疵は無い」であったが、国の河川法では「河川整備計画を作成しようとする場合は、学識経験を有するものの意見を聞き、関係住民の意見を反映させるために必要な措置を講じなければならない」と定めていて、穴あきダムに関する発表の2月8日の以前には、県民への説明は一切行っておらず、ダム建設を決定した後に、意見を聞いた手続きには、明らかに問題がある。
 先の世論調査でも、ダムの建設方針を決める過程で「県民に説明していない」という回答が57.6%もあり、また、ダム建設賛成は、わずか28.6%で、県民の間にも、ダムの決定と進め方に疑問が多いことは明らかだ。
 村井知事に、この点について質すと、「全県を対象にしたアンケートで、4割を超える方々が『説明をしている』と回答したということは、一定の評価を頂いたと考える。また浅川のある北信に限れば賛成 34.7、反対23.3と賛成が上回り、これまでの説明の成果は上がっている」と、開き直りともとれる答えだった。
 公聴会でも、賛成・反対はほぼ同数であった。県土木部は、吉村県政時には「千曲川との関連で起きる内水被害に効果がある」と言い続けてダムを造ろうとしてきた。田中県政時には、「内水被害には、ダムは効果がない」と認めていたにも関わらず、一転して「外水対策のためにダムを造る」と言い始めた。その場しのぎで住民の疑問をかわして、言ったことには責任を持たない官僚体質にすっかり後戻りだ。
 外水被害については、昭和12年以降に災害はなく、天井川も改修されている。河川工学者の今本博健・京大名誉教授は、専門的な見地から、「万が一、浅川から水が溢れたとしても、中流部は扇状地で地形に勾配があるため、多くは床下浸水程度」と説明し、「河川に隣接した住宅に、氾濫水が直接あたらないように塀を配置するなどの対策で十分、わざわざ大金を投じて、地質の悪いところにダムを造る必要はない」と指摘している。
 しかし、村井県政下の官僚たちは「真に必要な事は何かに耳を傾け、実現に努力する」というような、面倒なことはしたくないため、ダムを造りたい勢力のしがらみを背負った官僚出身の知事の意向に従って、「ダム建設」を選択した。

<借金を増やしツケを先送り、その上増税を検討中>
 アメリカのクリントン大統領は、施政方針演説で「あなた方は、子や孫のクレジットカードを使って、今が良ければいいのか」と問いかけ、財政改革を断行した。
 しかし村井知事は逆だ。初めて組んだ19年度予算では、県の新たな借金にあたる県債は926億円で、田中県政時よりも190億円増えた。更に行財政改革プランでは、前県政時の計画より、毎年200億円近くも県債を増やす予定だ。
 田中前知事の公共事業見直し・削減等によって、長野県は、他県には出来ない「借金の総額を減らす」ことをやってのけ、実質公債比率は20.1のワースト1位から、3位に改善された。村井知事は「返すお金より多い借金をしない」と言ってはいるが、毎年の県債額を増やすことで、村井県政一期目が終わる時には、再び公債比率は上がる見込みだ。
 その上、森林税という新たな税を徴収しようとしている。県民向け説明会では「小谷のような急傾斜地で、40年生の樹木の間伐をやる技術者の確保が出来るのか?」「小規模で高齢者所有の多い放置林をどうするのか?」などの質問が出されたが、林務部長の答えは「森林税で事業量を確保する中で養成する」「地域の中で取り組んでもらう」という曖昧なものだった。
 県議会での質問でも、これからの森林づくりに向けての戦略、綿密な計画等は示されなかった。
 借金までしてダムなどの大型公共事業を行う予算を確保した上で、「間伐費用が毎年11億円足りないから、増税します」と言われても、すんなり「はい、良いですよ」と言う気にはなれない。
(次回に続く)
北山早苗一般質問全文

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