北山 早苗 http://sanae.voicejapan.net
活動報告バックナンバー
2008 年 5 月 25 日
効率や行政・先生の都合で決めて欲しくない現地機関や高校の再編
〜さわやかさな絵日記485〜
 22日、県行政機構審議会は9回目の会合で、県が来年度に実施を予定の現地機関再編について、保健所や農業改良普及センターの支所を原則廃止し、建設事務所と砂防事務所は統廃合を見送って業務内容の見直しにとどめるなどの基本的な考え方をまとめた。次回会合で修正を加え、8月末に知事に答申する予定とのこと。
 審議会では、現地機関の設置を、県内10広域圏か東北中南4ブロックごととするという原則で、保健所と農業改良普及センターは10広域で各1所、支所は原則廃止、労政事務所は諏訪分室、飯田駐在を廃止、教育事務所は4ブロックごとに1所、福祉事務所は、保健所と統合するとしている。
 一方で、16建設事務所は道路の維持管理などに必要だとして維持し、他の業務は10広域ごとに集約。3砂防事務所も維持し、砂防施設の維持管理以外の業務は建設事務所に移すとのこと。
 私は、道路関係は残し、福祉や教育、農業などの県民の生活に直結する部門は縮小するってことなのか、やっぱりね…と思った。

 同じく、再編問題として県が取組んでいるのが、県立高校の再編。22日に県教委は、臨時会を開き、6月の定例会で、県内に12あった旧通学区ごとの学校数を含む再編計画骨子案を公表する方針を決めた。
 臨時会の一部は非公開にされ、山口教育長は「議論には校名が含まれるため、再編対象の学校名が独り歩きすることを防ぐ」と説明したそうだ。
 過去に高校再編では、2005年6月に学校名を含む再編案が示されたが、対象校の関係者から猛反発が出て、06年9月の県議会で統合案の一部が否決された。
 そのため、昨年6月に県教委が発表した『高校改革プランの今後の進め方』では、「県民や地域の理解が不可欠」と、合意形成にも十分に時間をかけると強調した。しかし、『高校改革プランの今後の進め方』そのものも協議会開催を公にせず議論されている。
 県教委は今年12月に校名を含む計画を公表するとし、山口教育長は「その時は県教委が責任を持って校名を出す。今はまだ早い。」と話しているそうだが、一部の学区で具体的校名、学区ごとの学校の具体数が議論に挙がったそうで、県高教組は「再編計画は県民の関心事であり、密室で決めたとの批判は免れない」言っている。
 このような中で、私が大事と思う、へき地にある高校や、特に自律を決めた町村にある地域高校は、存続できるのだろうか?どちらも、地域そのものを存続させる上で、大事なのだ。以前、自然エネルギーの調査に行った岩手県葛巻町の高校では、地域高校を守るために、地元の中学生を積極的に葛巻高校に入学してもらうよう、中高が連携していた。こういう考えも、長野県では必要ではないか?

 23日は、松本・塩尻・東筑の教育関係7団体の連絡協議会があった。
 通称、教育7団体といって、県内各地区にあり、毎年県議と懇談会を持ち、県教育委員会に陳情活動を行っている。7団体は市町村の教育委員会、校長会、教頭会、教育会(信濃教育会の地域団体)、校長教頭組合、教職員組合と、PTA連合会だ。子どもたちの教育ために、立場を超えて一緒に県に要望して、教育条件を改善していこうという目的で組織されたようだ。
 松塩筑地区の一番の課題は「高校入試に関する」ことだ。そこで、松塩筑地区教育7団体では、まず、「入試選の改善」と「バランスよい募集定員の策定」を要望している。
 松本市内の普通科高校の倍率が高いため不合格者が多く、周辺にある高校や職業課高校との差が大きい。特に、長野県で5年前に始まった「自己推薦型を含む前期選抜」では、4.21倍になって、4人に3人が不合格になった学校があるというのだ。
 この他にも前期選抜について、教職員組合からは「募集の観点や合格基準のあいまいさ、不合格者の精神的ケア、受験結果の開示、学力検査を経験していない生徒の高校での学力への影響」などの検証の必要性が提案された。すると、K議員からは「前期選抜なんてやめてしまえ」という発言があり、先生からは「長野県が前期選抜導入の参考にした静岡県では、すでに前期選抜をやめた」という説明があった。
 この意見に対しては、私はその場で言い合いの場になったりするのも嫌だったので、質問したり意見は言えなかったが、K議員のような「前期選抜なんてやめてしまえ」という意見には、疑問がある。
 たしかに、5年経ったので、より良い方法を探るための検証や見直しは必要だ。しかし、その際には、この前期選抜が導入された際の「一番大事なこと」を尊重して欲しい。
 もしかして、田中県政時に導入された制度なので、田中時代にやったものは全部やめちまえというような政治的な意図や、先生たちの煩わしさを理由に、「やめてしまえ」というのならば、それは違うと思った。

 私は、この前期選抜については、これまでの学校推薦の制度ではなく、学力だけでなく子どもたちの「やる気」や「得意なこと」を尊重した自己推薦選抜制度として、導入されたと理解していた。
 なので私は、連絡協議会の場では、終了予定時間は過ぎていたのだが、「最後に、ちょっとだけ意見を言わせて欲しい」と言い、「魅力ある高校づくりということと、入試制度は関係があると思う。学力だけでなく、高校によっては、そこが特色ある魅力的な教育を行っているなら、手を挙げた子どもは出来るだけ多く入学を認めるなど、高校の裁量にもっと任せて良いのではないか。一方で、進学のために希望が多い学校では、学力選抜だけでも良いかもしれない。一率の入試制度ではなく、それぞれの高校によって違って良いのではないか。そうすることで、例えば現在希望者の少ない周辺の地域高校などでも、もっと魅力ある高校づくりが進み、入学希望者も増えるのではないか」と、意見を言った。
 連絡協議会の場では、あまりPTAの方たちからの意見はなく、どちらかと言うと、先生の立場からの考えが大方を占めていて、親は先生に協力するものという雰囲気なのかな??と、私は感想を持っていた。しかし、私が最後に意見を言った時には、なぜか、PTAのお母さんたちが、うなづいていてくれたように感じた。本当は、親たちは「先生は大変かもしれないけれど、もっともっと子どもたちの可能性や意思が引き出され、尊重されて、高校へ進学できれば良いのに‥‥」と、思っているのではないか?

 私は家に帰ってから、前期選抜が導入された際の「一番大事なこと」を確認したくて、導入時に教育長だったSさんに電話してみた。すると、まず分かったことは、「前期選抜制度は、田中県政以前から検討はされていたもので、田中県政になり実現した」こと。
 そしてこの制度は、「なによりも、より子どもの立場に立った入試制度として導入されたもの。これまで高校と中学とで学力テストなどで子どもの意思とは関係なく行われて来た推薦入学制度をやめ、子どもたちが手を挙げることができる自己推薦制度にしたものだ」とSさんは話してくれた。やっぱり、私の理解は正しかった。

 現地機関再編も高校再編・入試制度の改革も、県民の生活や子どもの立場に立ったものであって欲しい。合理化を目的としたり、行政や先生の都合で決めて欲しくない。官僚で政治屋の村井県政では、その点が限りなく心配だ。

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