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2008 年
8 月
8 日 浅川ダム模型実験を観て深まる税金のムダ遣い、隠蔽体質への疑問 〜さわやかさな絵日記492〜 |
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お金をかけて立派な模型を造り、大勢の会社職員で一生懸命実験をやっていて、お粗末と言うのは申し訳ないのだが、しかし一方で、さらに深まった疑問や、浅川ダムそのものの費用対効果への疑問からしても、この大掛かりな実験はやはりお粗末であり、その意味で税金のムダ遣と思えて、腹立たしかった。 私が感じた疑問は沢山あるが、大きな疑問点は3つだ。 1、治水専用ダムも、環境にやさしくない、金食い虫の土砂の貯まるダム? まず、22日の日記にも書いた実験終了後にダム上流にたまった土砂だ(写真上)。模型の最下流部にある水槽にたまった土砂の量は、実験の最初と最後では、ほとんど変化がなかった(写真下、上段が実験開始直後、下段が実験終了後)。 砂が流れ出さなかったから、穴は詰まらないと県は説明するが、中小の洪水が起きるたびに土砂が貯まっていったら、ダムの調節機能はどうなるのか? 横にいた職員に質問すると、「湛水ダムと違い、土砂の除去は容易だ」と答えた。では、ダム完成後の土砂対策費はどのように見込んでいるのか、示すべきである。造られたあとも金食い虫の、小さく生んで大きく育てろのダムはごめんだ。それも含めて、どのような治水対策が良いのか検討されずに、強引にダム建設を押し進めることには、反対だ。 模型実験の河床は100年後の河床(体積形状)を再現しているそうだが、100年間にこれは砂がたまった状況なのか、それとも、取り除くことも想定しているのか?疑問が次々に湧いてくる。だいたい100年後の河床にすること自体がナンセンスではないか?! また、隣で観てたダム推進派県議には、「たまった土砂は、穴から少しずつ流れ出るんじゃないの〜」と、まるでスリット砂防ダムであるかのようなことを言っている。 スリット砂防ダムは土砂を一時的に溜めるのが目的であるが、治水専用ダムは土砂も洪水と一緒に流れ出してたまらない優れたダムというのがうたい文句のはずだから、土砂はたまってはいけないはずだ。 大体、砂防ダムと浅川治水専用ダムでは、建設費が桁違いである。ちなみに奥に北アルプスを抱えて水量の多い乳川に最近造られた、高さ13m長さ140mのスリット砂防堰堤は、付け替え道路と立派な橋を含む総事業費が14億円である。これに対して浅川ダムの総事業費はおよそ390億円(既に付け替え道路のループ橋で200万円)! 反対派の地滑りや土石流の心配を逆手に取り、建設部も推進派議員も、浅川ダムを超ぶ厚い砂防ダムと勘違いしているようだが、貴重な税金を湯水のように使う浅川ダム計画に、そんなへ理屈は許されないことだ。 2、1/100確率雨量の満水時と、ダムの最高水位(サーチャージ水位)とのかけ大きな乖離 次に感じた疑問は、1/100確率に相当する降雨があった際の満水時の水位と、ダムのサーチャージ水位、つまりダムから溢れ出すぎりぎりのところまでのダムの最高水位とが、たいそうかけ離れていた点である。1/100確率の降雨の際に、ダムに130t/秒の洪水流入した状況を再現し、暫くすると満水状態でダムからの放流量が最大になったわけだが、その時の貯水位は模型では127cmだが、サーチャージ水位まで、模型ではあと30cmほどもあり、模型のダム湖には、まだまだ水が貯まる、余裕がものすごくある、これには本当に驚いた‥‥(写真下右が、1/100確率雨量時の満水の状態。向こうに見える黒い線がサーチャージ水位の線) これが、実際のダムではどうだろうと考えてみた。すると1/100確率の降雨時に130t/秒の洪水流入した状況で、満水位は標高552mなのに対して、サーチャージ水位は562.1mと、なんと10m以上も差がある! ダム湖はすり鉢状になっているわけだから、この10mの空間にはよほどの大量の水が貯まるに違いない。 私は、近くにいた県職員に、「満水位とサーチャージ水位までとは、どうしてあんなに差があるのですか?」と尋ねてみた。職員は「20%の余裕を持って設計することになっていて、それは規則で決まっているのです」と言うのだ。 えーっ、浅川ダムはダムの大きさを決める基本高水450tが過大すぎると指摘されている(これは、私は何度も日記に書いた)のに、その上20%の余裕とは、、、 そこで私は、「サーチャージ水位まで達するほどの降雨確率とは、一体何百分の1になるのか?」と尋ねてみた。これは計算をしないといけないため、後日解答してくれることになった。 それにしても、基本高水が過大すぎるという指摘によれば、実はこのダムは1/100確率ではなく1/500、いや1/1000の確率にあたる雨のために造ることになるらしい。しかし、それも、満水位での話だ。では、それが10m上のサーチャージ水位まで水が貯まるような雨って、、、想像を超えている。 上げ底の上げ底のような箱で、しかも中身のおまんじゅうは実際にはとっても小さいというようなことだ。 私は、考えただけで頭がクラクラして来た。 3、専門家のアドバイスや指摘を拒否した、長野県と県議会の隠蔽体質 最後に言いたい大きな疑問は、県と県議会(ダム推進派)で、専門家の参加を拒否したことである。私は7月16日の模型実験の報道にあった、京都大学名誉教授で河川工学者の今本博健氏のコメントを見て、今本氏に連絡してみたところ、今本氏からは22日の日記で紹介させていただいたような指摘と、同時に「是非、ダム賛成、反対に関わりなく、多くの県議さんたちに実験を観るポイントを、現場でお伝えしたい。」というありがたい申し入れを頂いた。 だが、現場に足を運んでくださった今本氏を、結局最後まで入場させなかった。これは、長野県の恥であり、県民益からはほど遠いことである。詳しくは次回の日記に書きたい。 | ||
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| ■ 北山 早苗 |