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2008 年
11 月
17 日 自立の地域づくりを阻む道州制の本質はグローバル企業の世界制覇 〜さわやか早苗日記501〜 |
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始めに呼びかけ人を代表して、原村の清水澄村長が挨拶をした。 清水村長は、「我々は小さくて手頃な範囲の方が良い自治が出来ると自立の道を選んだ。しかし、国の体制はそれを許さないとしており、残念だ。国は道州制を進めるべく、現在1800ある市町村を無理やり合併させ、700〜1000の基礎自治体に使用としている。ところが、町村会で県内62の町村にアンケート調査を行ったところ、”道州制は必要ない”という解答が50町村で80%もあり、必要と答えたのは7町村で13%に過ぎなかった。道州制は遠いところの議論で、中身がわからない、必要性が伝わって来ない、誰が何のためにやるのか?が、多くの町村長たちの疑問だ」と話された。 更に続けて、「町村会では長野県選出の国会議員と先頃懇談したが、その時に、国会議員たちは『道州制は国の統治機構を帰るためのもので、現在の国・県・市町村という3層性を、県という中2階があったら効率が悪いので、2層性にするためのものだ』と説明した。しかし、これには”ごまかされたなあ”という気がする。道州制になっても、3層性ではないのか?」 「道州制は良い国をつくるためのものというが、地域社会をつくる上では懸念が強い。道州制は地方分権を確立するためのものと言われているが、地方分権の基となる国の財源を地方へ委譲することなく、外交・危機管理・金融等に強い国家をつくろうとしているため、問題が大きすぎる。道州制の区割りをどのようなものにしようと、財源に偏在が起きる。東京を取ったところ以外は財源不足が起き、これを調整する機能や機構が必要になり、誰がやるかということで、国が行うことになり、地方分権と言いいながら、結局、国が強い力を持つという矛盾をはらむものだ」 「小さな自治を守り、地域づくりを進めようとする我々からすると、道州制は遠いところの話だが、自主・自立の地域づくりのためには、関心を持つ必要があり、また声をあげて行かねばならない」と話された。 次に、高知県立短期大学名誉教授の鈴木文熹氏が基調講演をした。テーマは「新たな局面を迎えた道州制の動向から何を学び取るか〜その学びから基礎自治体に求められていることを考える」というもの。「清水村長の話にあったように、道州制を、誰が何のために要求しているのか…一向にわからないといわれる、その本質は…」と、講義を始めた。 鈴木氏によれば、「道州制は、多国籍企業が世界制覇するためのシステムに組み込まれたもの」だという。その仕掛けは以下のようだ。 いま、なぜ都道府県性を道州制に組み替えるのかーー>経済のグローバル化の中で世界経済の主要な一極に成長した東アジア地域と競争・連携・交流を進めるため、東京圏を介することなく各地域が産業政策を推進するため(第28次地方制度調査会04.11)。アジアのダイナミズムを取り込み、グローバルな成長につなげる(日本経団連07.1)。 アジア市場のダイナミズムを取り込む拠点づくりと、その主役はーー>外国人労働者や技術者は、働きやすい場所・生活の場所・高度な技術企業・研究開発拠点がないと来ない。国境を越えて新しい発想・技術・人材が集まり常に最先端の負荷価値が生み出される場が、開放的なプラットホーム(活動拠点)である(経済財政諮問会議)。その主役の要件は、グローバル大企業で裾野・関連産業が多く、世界的にも名が知られ、強固な研究開発体制が構築されている等で、これを備えている企業はトヨタ。 トヨタが拠点づくりに踏み出す企業内的必然性ーー>1995年奥田碩氏がトヨタの社長に就任後、第2の創業期に向けスタート、北米に於けるトヨタ工場が5工場に。99年奥田氏日経連の会長、トヨタの会長に就任。01年森内閣経済財政諮問会議の民間議員に奥田氏。この間、トヨタは海外展開を急進展させ、海外工場の労働者3ヶ月研修を受け入れる国内工場をマザー工場とした。一方で、国内では派遣労働者を使用するようになった。ところが、リコール問題でこのやり方の限界が表面化。トヨタは、三河一極集中体制からの脱却をめざすことになる。 トヨタを主軸とするアジア向け拠点づくりの進展状況ーー> (1)中部州‥‥01小泉政権下で、奥田氏は諮問会議の民間議員として、小泉構造改革を共に進める。02経団連と日経連が合併し日本経団連が誕生、奥田氏は初代会長に。02トヨタの世界シェアを2010年までに10%とするグローバルビジョンを発表、日本をホームグラウンドにすると盛り込む。03日本経団連ビジョン「道州制の導入」「東アジアとの連携強化でグローバル競争に挑む」。豊田氏元町工場にマザー工場に変わる「グローバル生産推進センター(GDP)を開設。04豊田芳年氏(豊田自動織機名誉会長)が、中部経済連合会長に就任。伊勢湾自動車道全面開通。05名古屋市の国際都市化に向け布石、中部国際空港の開港、愛知万博、名古屋駅前にミッドランドスクエアが建設されトヨタ海外営業部門が東京本社から移転。中部経済連合会「中部州の実現」提言。東海自動車道美濃関JCT〜豊田東JCT開通。06中部経済連合会「中部州の区域を愛知、岐阜、三重、静岡、長野の5県で構成すると決定」。08中部経済連合会「道州制の実現にむけて」提言。 (2)九州‥‥03九州知事会と経済団体で「九州戦略会議」を立ち上げる。04トヨタ第2次九州進出、ハイブリット車ライン新設。05「九州戦略会議」に道州制検討委員会。06トヨタが九州・北九州の臨空産業団地にエンジン工場建設、関連系列メーカーも九州進出。06「九州戦略会議」道州制に関する答申公表。07九州の自動車生産能力が2倍の46万台に。08「九州戦略会議」道州制の九州モデル公表。九州のIT関連産業が増産投資、自治体や地元大学との連携拡大。 グローバル企業を主軸にした道州制の本質とはーー>道州制ビジョン懇談会の中間報告による中央政府・地方政府・基礎自治体の役割からすると、中心は州政府になる。財源の徴収や分配は中央と州政府で共同・合意のもとに行うため、基礎自治体は参加できない。基礎自治体は住民の自助・自律が前提、自治体議員は無報酬で職務を遂行する形に。ーー>これは、基礎自治体を州政府の隷属下におくものーー>道州制とは、グローバル産業を主軸にした州政府主権の垂直統合型の統治機構。 道州制の実現に賭けるグローバル企業の狙いはーー>国家財政全体の縮減によってグローバル企業の利益を増大させ、世界市場を制覇すること。日本列島を州単位に分割統治、アジア市場にバリューチェーンを構築する拠点とし、世界市場制覇の現実化。日本経団連ビジョンによれば、東アジアを強力なハブ(核)にし、ベトナム・タイ・インドにまたがるアジア・サンベルト(バリューチェーン)をつくる構想。そのために道州制によって中部州、九州、東北州、北海道を4拠点(ホームグラウンド)にする。 このようにして品質良く安いものを作らせ、トヨタが儲け、世界市場を制覇する、これは現代帝国主義だと鈴木氏は言う。 | ||
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| ■ 北山 早苗 |