180億円も借金のある波田町の、松本市との合併前の駆け込み買い物 http://sanae.voicejapan.net
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2009 年 3 月 27 日
180億円も借金のある波田町の、松本市との合併前の駆け込み買い物
〜さわやか早苗日記509〜
 今日27日、波田町が臨時議会を開いて、松本市との合併前に駆け込みで、農産物直売所の土地取得をしようとしていると聞き、議会の傍聴に行った。
  JA松本ハイランド(松本市)が運営する農産物直売所の誘致に向けて、波田町は当初、町土地開発公社が用地を取得・造成して農協に貸し付け、来年度から10年かけて同公社から用地を買い取る方針で、3月定例議会の一般会計補正予算案に債務負担行為を設定した。ところが、これから合併協議に入る松本市や松本市議会が、「長期の債務負担が見込まれる」「合併前の駆け込みだ」などとして、問題にしたため、町は公社による取得を定例議会最終日に撤回した。
 ところが、今度は町の基金(貯金)を取り崩して買うことにし、急遽、今日の臨時議会を開いて、採決してしまおうとしていることが、昨日の新聞に掲載されていた。松本市副市長も疑問視のコメントをしているという報道もあり、私もビックリして、何人かの松本市民に聞いてみたところ、みんな、「え〜、これから合併しようとしている松本市を無視して、そんなこと勝手にやってしまうわけ?」と、呆れていた。
 今日の波田町臨時議会には、私を含めて7人もの松本市民が傍聴に訪れた。ちなみに波田町民の傍聴は0人。

 問題の土地は、波田町で建設中の渋滞対策道路・松本方面起点側交差点の北西にある,5863平方メートルの農地(写真)。
 臨時議会最初の町長の提案説明によれば、農産物直売所の設置は、以前、波田農協がJA松本ハイランドに合併したときからの波田町民の願いであったが、田中前県政時に道路計画が頓挫したことから、出来なくなってしまった。ところが、村井県政になって道路建設が復活し、待ちに待った時が到来、JA松本ハイランドの5カ所のファーマーズガーデン計画の一つとして、河西地区の出来るだけ松本に近い波田のこの地に是非にということで、町が用地を取得・整地し、JAに貸し出したいということだ。この3月には波田町の地産地消のまちづくり計画も策定されており、これを達成するためにも、地権者には先祖伝来の土地を、無理して提供してもらったとのこと。
 用地取得と整地等の費用は併せて2億500万円。財源は基金(貯金)の取り崩しと、この3月に国から来た特別地方交付税を充てるとのこと。基金は20年度で5億5200万円あるが、今回の取り崩しにより、4億6800万円になってしまう。ちなみに、波田町の借金は、182億3761万4千円(平成20年3月31日現在)もある。
 質疑では、提案に反対の立場の百瀬智町議が「松本市副市長が『民間の事業に土地を用意するというのは、松本市では考えにくい。松本市と波田町の信頼関係を損ねる』と言っているとの報道があったが、これをどう思うか」と質問すると、議長が、「質問の範囲を超えている」とはね除けた。

 本会議のあと、議案は2つの委員会に付託され、審議され、これも傍聴した。
 総務文教委員会では、反対派議員の「土地の場所について」の質問に、町長は「土地利用基本計画にも位置づけられた場所で、あの土地に限定して進めて来た」と答えたため、議員が「当初から町に買わせる計画で進めて来たもので、町が受けること自体がおかしい。企業が経営するものは、その企業自身が土地を借りて使えば良いのであり、これが普通の企業経営で、そこに町民の疑問がある」と言うと、「農協は一企業として片付けられず、公益性がある」と開き直った。
 また、賛成議員が「町長の話は、素晴らしい熱のこもった話」と誉めたあと、「(松本市副市長は『松本市では考えにくい』と言っているが)松本は松本のやり方、波田には波田のやり方がある。これは自治体の自立だ!自身をもってやって」とエールを送った。
 これには、『それを言うなら、波田町は松本市と合併する必要はないではないか?!』と、傍聴していた松本市民は、みんな疑問に思い、呆れた。

 厚生産業委員会では、反対派の百瀬議員が「取得農地の値段について」質問すると、「(隣接する)県の道路用地と同じ、2万円/平方メートル」と答えた。これにも、傍聴者はビックリ!坪単価にすれば6万6000円だが、普通この辺りの農地は1坪5000円だ。10倍以上もの値段で買い取るわけだ。
 また、百瀬議員が「松本市との合併協議の中で、松本は『行政が民間企業のために土地を取得する考えをとらない』と言っている、どう考えるのか」と、再度聞くと、今度は副町長が「あくまでも松本市としてやらないということで、波田町がするからと言って、独立した自治体がやることだ」と開き直ったとしかとれない答弁。
 これに賛成議員も加勢し、傍聴の松本市民の方を向いて、「波田町のやること、お任せ願いたい!前向きに粛々と進めていただきたい」だって!!
 これから合併協議が始まる婚約前に、これでは、松本市(民)は、顔に泥をかけられているようなもの、結婚どころか婚約予定破棄したって不思議ではない言葉だ。
 両委員会とも賛成多数であっけなく可決、傍聴していた松本市民は「もう決まってしまったのか‥‥」と、やりきれない気持ちと腹立たしさが入り交じった顔。
 
 朝9時に始まった臨時議会、11時には採決。反対討論で百瀬議員たちが「合併相手の松本市民の皆さんにも関心高く、今日も大勢が傍聴に来ている」「12月議会の時には伏せていたのに、1月に突然出して来た。合併に対する駆け込みだ!」と批判したが、8対3の賛成多数で、可決されてしまった。
 なお、賛成の討論には「松本糸魚川連絡道路の起点が豊科に行ってしまい、残念だったが、ここは中部縦貫自動車道が建設される期待される場所だ」という意見もあった。

 借金をして買うことに、松本市議会中に市(議会)からクレームをつけられたら、一旦引っ込め、松本市議会が終わったとたんに、基金の取り崩しで買うことを、臨時議会を開き半日で可決、姑息としか言いようのないやり方だ。
 180億以上の借金を背負った波田町は、駆け込みで2億円もの買い物をし、たった4億6800万円の貯金だけ持って、松本市にお嫁に来るというわけだ。こんなことを、松本市民は許して良いのか?
 また、もう一つの財源の『国からの特別交付税』は、頑張る地方応援プログラム3000万円のほか、中小企業融資支援、有害鳥獣駆除費、地方公共交通援助経費、自治体病院経費などが算定対象となって来たお金だ。一般財源に入るから何に使っても良いが、だからと言って、この不況の大変な時期に、一企業団体のためにそのお金を使って良いのか?
 波田町民はそれで良いのだろうか?傍聴していた松本市民は「波田町民の傍聴者がいないのは、にらまれると怖いから?」と…
 更に、田中前県政時に道路計画が頓挫し、直売場計画が6年遅れた等と説明していたが、それは違う。田中前知事は「波田町がまちづくりの観点で道路をどうしたいか示して」と言ったのに、町長は「出来ないから、県のお任せする」と言ったのだ。だから、バイパス道路ではなく、1.5車線道路にした。これは、現道のR158沿いの商店街や新道路沿いの農業が廃れてしまうことへの配慮もあってのことだ。
 まちづくりの展望のない波田町は、松本市に合併すればタダのはずれの地域になる。

北山 早苗