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2004 年 8 月 18 日     カテゴリ:活動報告
産廃ギンザの視察、抜け穴だらけの法の上で目をつぶる行政
〜さわやか早苗日記287〜
 産廃ギンザ、と言われる廃棄物の最終処分場や焼却施設が並んでいる所を見て来た。
 川に沿った山肌や谷間に施設がある。谷を埋め立てて造った処分場を、反対の山側から見た。もとは隣にある谷よりも深い谷だったそうだ。ここは、火山灰や火山礫が積もって出来た地質で、大変もろく崩れ易い。処分場の両側に木のない緩やかな斜面があるが、このような地形は、以前地滑りをおこした所だと言われる。
 ここに降った雨水は、大変浸透し易く、地下水となって一番下を流れる川に入る。対岸から見てみると、この埋め立て終末処分場の地形上の危うさは一目瞭然だ。 

 川に沿って少し車で走ると焼却施設がある。ここでは都会から医療系のゴミ等が持ち込まれ、焼かれている。周囲の山肌には、枯れかかって茶色に変色した木が目立ち、また、川に沿った山肌の木が数キロに渡って変色している。これは、木を枯らす原因の有毒物質を含むガスが谷間に沿って流れている証拠だと言われる。
 一番樹木の変色が見られたのは、川が大きく曲がる所の突き当たりの山だ。そこは、有毒物質を含んだガスの風をまともに受けるため、枯れ方がひどいと思われる。
 川が曲がった所から盆地が開け、田畑や住宅が広がる。谷が煙突のようなものだ。
 実は、この焼却施設のある山の反対側には、小学校がある。施設からは2km離れているが、ガスが山を乗り越え届いているか心配されるため、最大着煙値濃度をはかろうとしたら、校長先生が拒否をしたそうだ。

 盆地の方には、都会からし尿汚泥を運び込み、肥料にしている施設があった。しかし、処理能力を遥かに超えた量が持ち込まれているため、肥料にするにも 限界がある。未処理のものを撒いて、裁判沙汰になったこともある。
 臭いもひどく消臭のために化学薬品が使われている。化学薬品を含んだガスが近くの山にぶつかる。ガスにより小さな昆虫類が死んだ山の木々は、子孫を残そうと最後の力を振り絞って幹から葉っぱを芽吹かせている、異様な光景の森だった。
 施設と山の間に、集落がある。そこに住む女性にお会いした。女性は施設が化学薬品を使い出してから体の不調を訴えるようになり、今では立つこともままならない。いくら行政に訴えても、握りつぶされたと嘆いた。

 私がこの日に見て来た廃棄物を巡る現実は、おそらく日本の各地で起きていること。お会いした女性のように苦しむ方がおそらく大勢いると思われるが、行政は、ひとりの発症では、何の対策も立てないどころか調査もしない。
 このようなひどい症状として現れていなくても、空気中に漂う様々な化学物質によって、私たちの体はむしばまれているのではないか?一番弱い所に影響が強く表れることは想像できる。日本に生まれてくる子どもの未来はどうなるのだろうか?

 ドイツでは、この事を心配した国民や政府によって、廃棄物に対する製造者責任が
法で義務づけられた。ゴミを出さない、ゴミになるような ものは作らない努力を企業がし、リデュース(発生抑制)、リユース(再利用)社会の仕組みが10年間でつくられた。日本ではなぜこれが出来ない。なぜ「理念はわかるが現実にゴミが出る」「そうなるには100年かかる」などと、政治家や企業経営者が言うのだ。
 建設業をやっている知り合いが電話でこんな話をしていた。「土木関係の業者が、産廃は儲かってしょうがないと言っている」と。日本では、国民が税金やお金を出す形で、廃棄物処理を負担している。処理させるのは行政の責任、お金をもらって処理するのは業者の責任。
 行政は、抜け穴だらけの法の上で目をつぶっている。


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