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2004 年 9 月 6 日     カテゴリ:活動報告
野外保育等、子ども達に今必要なことに支援が出来ない既存の制度
〜さわやか早苗日記294〜
 先日テレビで『子どもが見えない、大人はどう向き合うのか』という番組をやっていた。「人は死んだらまた生き返る」と信じている子どもが半数以上もいる調査結果に衝撃を受けた大人は多い。番組では、子を親の満足の道具にしないこと、子どもに大人が真剣に向き合う必要性等が語られていた。
 今起きている現実への対処療法は大事だが、起きないようにするための方法が語られない。語られても、TVゲームや、人間関係の希薄さを指摘するぐらいで、ゲームは製造中止できない、少子化だから仕方ないと諦める。けれど、子どもが遊べる外の空間はあるし、子ども同士が交われないわけではない。TVゲームに遊ばせられない(支配されない)ような子どもにするには、私は、幼児期に自然の中で五感を通して十分に学び育つ体験が必要だと考える。
 昔は家庭や地域の中で出来たことが今は出来ないのなら、保育園や幼稚園の中でやる必要がある。

 さて、県内の幼稚園・保育所に通う子ども一人当たりの公費支出(援助金)の年平均金額は、公立保育園で496101円(国、県、市町村併せて)、公立幼稚園で436210円(県、市町村併せて)、私立幼稚園で225266円(県のみ)。この他、認可外の自由保育所に長野県は独自に支援していて、昨年度までは0〜3歳児まで一人当たり108000円援助(県、市町村併せて)、今年度からは0〜5歳児までに拡大、また3歳児までは144000円に引き上げられた。
 ところが、穂高町にある『森の子』のような3〜5歳児の野外保育をやっている自由保育所には、援助金が出ない、なぜか?
 答えはまず、援助金を受けるには、認可外保育所の届け出が必要。
 次に届け出には、国基準の園舎があるという条件を満たす必要。大雨などで屋外活動が困難な時にはペンションの食堂を借りているのは、園舎と認められないようだ。
 次に、国基準では3、4、5歳児とクラスに分け、3歳児20人以下に1人、4〜5歳児30人以下に1人の担任をつけることになっている。森の子のように3〜5歳児17人で先生1人、当番の保護者が補助をするという保育形態は基準外、資格のある先生を最低3人雇わないといけない。
 つまり、森の子では、現在一人分の先生の給料をなんとか親が負担しているが、もし公的援助を受けると、先生一人分の給料は援助金で出せても(それでも20万円程だ)、あと二人分の給料を親が負担し、しかも園舎が必要になり、公的援助を受けることで、かえって親の負担が増えるというのだ。また、3〜5歳が一緒に兄弟のように育ってはダメというわけだ。

 実は、これは自由保育所に限ったことではない。不登校の子の居場所フリースクール、障害者の作業所などが、僅かな援助を受けようとすると、過大な設備投資や人員が必要になる。その為、行政の手が行き届かぬ隙間を埋めている活動なのに援助を受けられないのが、今の援助制度。真に必要だからこそ行われている活動なのに‥‥。これは必要も無い道路は出来るのに、住民が本当に必要とするちょっとした道路改良に補助金がつかないのと同じだ。
 どこで教育を受けようと、子どもには全員保育料の公的援助が行われるべきだ。

 弱い立場のものが安心して暮らせるようになって、初めて皆が安心できる社会になる。その実現に向け努力している活動には公が援助を保障すべきだ。全体からしてみればわずかな金額だ。
 しかしこれは既存の枠の中では難しい。組織に縛られない発想と、無駄なものは辞め新しい仕組みを創ろうとする強い意志が必要だ。田中知事にはまだまだ頑張ってもらうことが沢山ある。


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