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2006 年 4 月 9 日     カテゴリ:活動報告
県立こども病院の門戸開放は望ましい
〜さわやか早苗日記390〜
 安曇野市豊科にある県立こども病院は、重い病気の子供の治療や超未熟児の出産などを担っていて、これまでは他の医院や病院からの紹介がない患者は受け入れて来なかった。田中知事がこの方針を変え、「一般に向けて門戸を開く」と話したのが、確か2月県議会の始まる頃だった。そのとたんに、「医療水準が低下する」「重い病気の子供の命が守れない」などと、こども病院で治療中の病気の子の親や病院長、そこに反田中の県議も混じって、反対の声が上がった。3月になって、「知事の方針は受け入れられない」と言う病院長が退任した。
 私の所にも先日、一緒に田中さんを知事にと選挙で応援したことのある知り合いから、反対だという意見と、実情を知って欲しいという内容の電話とメールが届いた。
 先週金曜日の知事会見で、田中知事は門戸開放は急患対応ということで、「家庭が子供に対して重い状態だと感じた場合は、きちんと受け入れていく」と説明した。そこで、知り合いに電話をかけてみた。
 私「こども病院の保護者の会が意見交換会を開くと新聞で読みましたが、何時だったかしら?」知り合い「4月16日の午後です」「それだと、あいにく私は百条委員会の検証集会と重なって行けないわ」「元病院長と、地元県議の宮澤(宗弘)さんが来るから」とのこと。
 更に、私が「門戸開放の方向性は必要と思うけれど」と言うと、「重い病気が快方に向かって、通院になった子が、おたふくなど感染症の一般外来の子供と一緒になったら、命が脅かされる、診察場所を別にしても使われる器具が一緒」「一般分娩も扱うなんて、大変な子供を出産した親の横に、普通の元気な赤ちゃんを出産した親が一緒では、あまりに無神経」などと言う。しかし、これは、病院や医師が配慮すべきことであって、門戸開放を拒む理由にはならない。

 私は、脳・脊椎等の神経難病で、県内に療養施設がないために鈴鹿の病院で療養中の青年(1/19日記)の話をした。彼は、こども病院の件で親が知事に申し入れをしたことを報道で見て、こども病院の閉鎖性を指摘し、「未成年のみしか救急受け入れてない、今のこども病院こそ差別病院。申し入れした人たちってただの保守系にしか見えない。2ちゃんねるに書き込みしている反田中もそう。僕は**先生から成人は一切受け付けてくれないって困っているのを聞いた。申し入れした人は自分たちのことしか考えていないね。今のこども病院=未成年病院。申し入れ内容聞いて呆れた。田中さんにはズバッと言ってほしかった、こども病院ハイレベルを成人にも提供せよとね。このことを世間にも知ってほしい」と言っている。
 確かに、こども病院に入院や通院をしている子供と親ごさんたちは大変で、こども病院がさいごの砦、守りたいという気持ちなのだろう。しかし、そこにさえ、望んでも入れない人だっていることを忘れてはいけない。上記の青年は、自分がこども病院に来たいからと言う理由で批判しているのではない。だれもが尊重され、安心して暮らしていくことの出来る長野県になって欲しいと願っているのだ。

 もう一つ、私が知り合いに話したことは、「かかりつけの医師に見てもらい、『風邪ですね』『様子を見ましょう』などと言われたが、やっぱり今回の子供の様子はただ事ではないと、親が感じた時に、医師の紹介なしでも受け入れてくれる病院があることが、安心に繋がるのではないか」ということだ。
 私の近所でも、今では大学生になった子供だが、腹痛のためかかりつけのクリニックで見てもらったが、普段は元気な小学生だったせいか単なる腹痛と診断された。腹痛がひどくなったために隣町の病院に行った所、盲腸で腹膜炎を併発していて、手術を2度もし、1月以上入院していたという事例もある。
 紹介システムでもれてしまう事例は良くあることだし、かかりつけの医師だからこそ、「他病院を紹介して」とは言えないことだってある。そんな時に紹介なしでも、救急車の搬送でなくても、24時間受け入れてくれるこども病院があったら、安心だ。こども病院には赤字補填に県税が25億円ほど使われていることからしても、出来うる限り多くの子ども達の安心に向け、努力する病院であることは、必須ではないだろうか。
 おそらく、今こども病院で入院・通院中のお子さんを持つ親ごさんも、こども病院に来る前に同じ思いをされた方もいるはずだ。元気な子供だって、いつ大変な病気になるかはわからないからこそ、知事の言う、「家庭が子供に対して重い状態だと感じた場合は、きちんと受け入れていく」、安心の仕組みづくりが大事ではないか。子供の命は、みな同じだ。


 こんな話をするうちに、電話口の知り合いも、だいぶ分かってくれたようだ。そして、「知事がいきなり言うから、親たちは不安のどん底になった」と言った。私は、「それが田中知事のやり方で、いつもそれで反発を受けてしまう。でも、長年築かれて来た組織は、良いことをしようと思っても、動かない。裏で根回しをしていくうちに潰れてしまう。だから、『こういう方向を目指す』と最初に打ち上げ、多少強引でも進めていかないと、変わりませんよ」と話した。
 知り合いも、「田中知事になってからの院内学級への支援等を評価している」と言っていた。3月23日の朝日新聞『声』の欄に、目の病気で小さい頃から何度も入退院を繰り返している奈良県の高校生が、「院内学級のない病院や自宅療養中の子供にも、教員経験者を派遣する『支援員』制度など、長野県の取り組みは素晴らしい。同様の取り組みが、全国に少しでも増えて欲しい」と掲載されていた。

 意見交換会を開く保護者の会の皆さんにお願いしたい。門戸開放と言ったとたんに、開放する訳ではないのだ、感情に走らないで欲しい。今の患者さんへの配慮を十分にしながら、より多くの子供たちの命を救い、親も子供も安心できる長野県にするための、門戸開放と受け止め、自分たちの経験が、これから辛い病気と闘うかもしれない子供たちや親たちのために生かされるよう、配慮すべき点を県や病院に指摘してあげて欲しい。
 そして、ぜひ、このことが政治闘争に利用されるようなことのないようにして欲しい。
 社会保障費が公共事業費を上回る予算編成をした、6年目の田中県政の目指している福祉社会は、誰もが望んでいる社会のはずだ。長野県民が目先のことにとらわれてしまったら、あっという間に福祉のまちが壊れた鷹巣町のようになる。
 かといって、いつまでも田中知事が知事でいる訳ではない。それには、できるだけ皆が力を合わせて、開かれた病院にするなど、長野県での福祉全体の底上げを進める必要がある。そのことを、鈴鹿で療養中の青年も、望んでいるのだ。
 国は、どんどん長野県とは逆方向にベクトルを向けている。県議会のように改革の足を引っ張っている場合ではない。
4月7日知事会見


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