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2006 年 12 月 23 日     カテゴリ:活動報告
浅川ダムはムダな公共事業、でも新幹線のために造る、困るのは‥
〜さわやか早苗日記425〜
 『県側は「具体的なことを説明する段階にない」などあいまいな答弁に終始』『答えに詰まっての審議の中断もあり「対応がお粗末、素人じゃないんだから、きちっとした説明をするべきだ」との声が上がった』『北山早苗氏は治水専用の「穴あきダム」について質問。「良く熟知していない」と答えた県側に「熟知していない人が、どうやって国と協議するのか」と怒った』
 上記は、19日から始まった県議会土木委員会で浅川の治水対策に関する質問の様子について、朝日新聞の記事だ。

 14日の読売新聞には、『県が検討している治水対策の概要が明らかになった。「穴あきダム」と呼ばれる河道内遊水池を軸とする案が有力となっている』『穴あきダムは川を遮る形で高さ44〜50mのコンクリート堤防を造り、川底から約2.5mの高さに水の吐き口(約1m四方)を設け、放流する仕組み』『これまで計画されていた檀田、田子遊水池は設置が難しいと見ている』『村井知事は記者会見で穴あきダムについて「選択肢となりうる」と述べ、検討中であることを明らかにした』『長野市の鷲沢市長は「県から正式な提案があれば受け入れていく」と語った』と、報道された。複数の関係者から取材した結果、掲載したものだと言う。

 私は一般質問に続いて、読売に掲載されていた河道内遊水池(穴あきダム)について、質問した。(ーー>河川課長の答え)
<安全性や環境面への負荷>
・湛水試験はするのか?益田川ダムではした。ーー>仮定の質問には答えられない。
・流木や土砂で穴がつまったりはしないのか?(田中県政時、土木部が出し、住民の反対で引き下げた)以前のコンサル案の6案だと1m四方ほどの穴だ。ーー>上記と同じ
・以前のコンサル案には、上流に透過型砂防ダム、流木止めを設置とある。また、地滑り対策費とある。これらを入れた費用は一体どれくらいか?ーー>同じ
・堆砂量を貯水用量に反映する必要とある。どのくらいの量か?高さにすると2.5mか?当然、穴は、河道と同じ高さにならないが、魚道は設けるのか?ーー>同じ
・1〜10年サイクルで掘削除去する必要とあるが、その費用はどのくらいか?どこが持つのか?ーー>同じ
・県が造った他のダムでは掘削除去費用はどこが出すのか?−−>河川管理者(県)だ。
・仮に、大滝ダムのように地滑り対策費用が何十億円もかかることになった場合、その費用は誰が出すのか?ーー>建設費用に入っているから国から補助が来る。(私の質問趣旨は、建設してからのことを聞いた)

<効果>
・1m四方の穴の場合、穴からの放流量はどのくらいか?満杯になった場合、ダムが水を貯めておく時間はどのくらいか。ーー>仮定の質問には答えられない。コンサル案は読んでない。河道内遊水池については良く熟知していない。

 朝日新聞に書かれているように、すっとぼける河川課長。
 この辺りから、委員長からそろそろ質問を終了せよと。やむなく、意見を言う。
<ダム、河道内遊水池は内水災害に対して殆ど効果がない>
・穴あきダムは、貯水池やゲートのあるダムと違い、水を溜めておき、内水災害が収まった頃に放流するものではない。内水災害には効果がない。
・ある一定規模以上の洪水にしか所定の流量調節機能を発揮しない。今年7月の豪雨災害時にも、千曲川の水位はハイウォーターレベルまであと7cm、樋門も閉まり、内水氾濫が起きた。この時のダム上流の北郷水位観測所の流量は9.9t/sで、ダム地点に換算すると、16.2t/sである。
・今年7月の豪雨災害時に、仮に旧浅川穴あきダムがあったとしたら、30t/s流れてこないと水がたまらないわけだから、ダムがあっても水がたまらない。河道内遊水池であっても、5つの案は全て旧ダム計画より放流量大きく、水はたまらない。一番穴が小さいものでも、18.1t/sだから、水はたまらない。それでも、合流地点では内水災害が起きる。ダム、河道内遊水池は、内水災害には効果がない。
・土木部は「ダム建設で浅川自体の水位が下がり、排水路の雨水を浅川へ排出できる量も増やせる」と言うが、水がダムにたまらなければ、メリットがあるわけない。仮に水がたまっても、穴からどんどん出て来て、樋門が閉まれば、どんどん水位が上がり、排水路の付近までバックウォーターの影響を受け、メリットなどはない。
・下流の人は、上流にダムを造り痛み分けをせよと言うが、効果のないダムを造っても痛み分けにはならない。県はきちんと説明してない。
・本当に効果のある治水とは、今困っている問題を解決する事ではないか。ダムを造っても下流の内水災害に何の効果もない、ダムに費やすお金を、真剣に市街地の水を貯留する事に使うべき。土木委員会で視察した、きめ細やかな大和川の流域対策に見習うべきだ。

<本当に恐ろしいのは、千曲川の氾濫>
・千曲川の氾濫だ。県としてこれまで何をやって来たのか。国と一緒にやらないと、根本の解決にはならない。
・千曲川の治水から、国が住民の目をそらすために「浅川にダムを造りさえすれば、内水氾濫は防げると」吉村県政時に、県や市をして、住民に思わせて来たのではないか。本当は、千曲川の問題こそ、市民や県民が目を向けなくてはいけないもの。
・今本・京大名誉教授は、浅川では、街づくりという観点からの治水が完全に抜けている。もう一度住民参加でダムが本当に効果のある一番良いものなのか、住民と一緒に科学的で冷静な議論を深めてみるつもりはないか?

 最後、土木部長が答えた。「国と協議し、国の認可が得られた案を示す」「新幹線の用地問題もあるので、それも考慮し進める」と。
 用地問題とは、新幹線建設にあたり平成5年に浅川下流の長沼地区と県などが交わした確認書にある、地区の要望事項「浅川地区に建設予定の多目的ダムを新幹線の営業開始までに完成させること」に対する、県の回答「用地買収が完了次第、付け替え道路工事から着手し、ダムの完成は平成12年頃までを目途としているが、当地域の諸状況を勘案し、早期完成に努める」を実行しないと、新幹線の用地は売らないというもの。
 吉村県政時に、長沼の新幹線車両基地を、内水災害時の遊水池になる場所に、「ダムがあれば内水災害は防げるから」と説得して造った。
 内水災害はダムでは決して防げないのに、地元にこんな説明をして来た。これが今でも尾を引き、また、コンクリートが大好きな市長が、地元住民の耳に蓋をしている。そして、「ダムを造らなければ新幹線は通らないぞ」と言っているわけだ。

 上流の水は殆ど貯まらず、貯まってもすぐにはけてしまう故に、一番困っている下流の内水対策には役に立たない、『浅川ダム(又は河道内遊水池)は、無駄な公共事業の典型』だ。
 しかし、新幹線のためにダムを造る。
 そして、200億円もの大金を投じてダムさえ造れば、多分、内水対策は後回しになる。なぜなら、他の地域の県議は「早く浅川をダム建設で片付け、オラとこの治水をやってくれ」と口を揃えて言っているからだ。
 つまり、ムダなダム建設は、結果として、『上流住民は地滑りによるダム災害の危険と隣り合わせ』『下流住民が一番困っている内水対策は後回し』になるだろう。住民にとっては踏んだりけったりだ。(続く)


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