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2007 年 1 月 10 日     カテゴリ:活動報告
出来ない理由を並べて新しいことはやらない体質へ?後戻りの県政
〜さわやか早苗日記428〜
 村井知事に、あおぞらから来年度の施策・予算要望した中に、
『筋ジスや筋無力症など神経難病の方々の療養施設を、県内につくる』
・神経難病の方々の療養施設が県内にはなく、三重県や新潟県の(旧国立病院の)筋ジス専門病棟に入所されている実情がある。県内に療養施設をつくることは喫緊の課題で、前県政では議会答弁に於いて実施の方向が明示された。
・これまで、筋ジス専門病棟でないと療養のための措置費が支給されなかったが、制度改正で、他の施設に入所しても療養費が支給されることになった。長野県内にある重度心身障害者(児)の療養施設の内、中信松本病院では建物の改築に合わせて神経難病療養施設の併設を考えて良いと言っているが、独自の施設整備は難しく、県として支援策を要望する。
・中信松本病院では重心の療養棟の老朽化も進み、狭い所にものの言えぬ障がい者の皆さんが暮らしている。こども病院に入院中の重心の子どもたちなどの療養先としても、中信松本病院・療養棟の改築が必要。また改築にあたっての財政的支援を、県として国に要望する必要もある。
と、ある。
 この件で私は、12月県議会で質問したり、直接衛生部とも意見交換をして来た。しかし、田中前県政になってやっと見え始めた光の筋は、見えなくなりつつある。

 昨年1月、私は、長野県に戻りたいというDさん(神経難病で三重県鈴鹿で療養中)の願いについて検討して来た職員の方から話を聞いたり、鈴鹿までDさんに会いに行った(2006年1/19の日記参照)。

 昨年2月の田中県政時の県議会で、私は「筋ジスや筋無力症など神経難病の方々の療養施設を、県内につくるべきでは」と質問しようと、社会部に、Dさん以外にも神経難病の方たちから、同じような希望はあるのか?または、ニーズ調査をしたか?と問い合わせた。行っておらず、理由はプライバシーの問題がある云々だった。
 やむを得ず、日本筋ジス協会長野県支部の会長さんに連絡してみた所、筋ジスのお子さんの介護で大変にもかかわらず、アンケートをとってくれた。11名の方から回答があり、「県内に入所施設は必要か?」との問いに、全員が『はい』と答えている。県外の病院にいる方は、アンケートの対象外であったため、県内施設への転院希望者はもっと増えると思われた。
  更に、「進行具合により入所希望」と答えた在宅療養中の方も6名いた。人工呼吸器をつけるようになると、昼夜を通して見守る人が必要で、家族が背負いきれるものではない。
 まず、県外で暮らす方達も含む、ニーズ調査を県がきちんとすべきではないかと、当時の社会部長に質問した。

 その後、県がニーズ調査を行った結果、県外療養者の内5名は設備さえ整えば長野県に直ぐに戻りたいという回答した。
 また、国の制度改正で、中信松本病院では、制度改正から5年間でどのような療養施設を目指すか方針を決めていく必要があるため、筋ジスなど神経難病患者の受け入れを一緒に考えても良いと、県の問い合わせに返事をした。
 そこで県は、体制づくりのノウハウを得るためにもにも、鈴鹿で療養中のDさんを県立病院にひとまず受け入れようと考えた。
 Dさんの望みは、単に自分が長野県に戻りたいというものではない。「障がいを持つ、持たぬに関係なく、だれもが暮らしたい場所で人間らしく生きられるような長野県になってほしい」ということあり、そのためには、療養環境が今より悪くなってもかまわない、自分をモニター患者として受け入れることで、実現のための突破口を開いて欲しいというものであり、この長野県の申し入れにDさんは喜んだ。
 8月、県衛生部は県立須坂病院の医師らとともに、鈴鹿病院のDさんを実際に尋ねた。7月中に行くはずだったのが豪雨で延期。私がDさんのもとを訪れてから、半年も経っていたが、それでも、県外の療養者の所に県職員が訪れるのは『初めて』のことだった。

 しかし、その間に、県政が大きく変わることになった。言うまでもない、田中県政から、村井県政になったことである。
 村井県政になり、先の12月県議会で、私は、中信松本病院に療養施設の併設設置について質問した。県や市町村から国への援助は法で禁じられているのだが、高崎市では指定管理者制度を活用し、旧国立病院の改築を援助している。
 私の「この例にならって併設を考えてもよいのではないか」という質問への、衛生部長の答えは「県内の国立3病院に、現段階で療養介護施設が設置される状況には無い。中信松本病院に施設整備の意向はあるが、筋ジスや類似症状の方々を受け持つ政策医療は国の分担であり、県として整備することは課題が多く、高崎方式を取り入れることは出来ない。引き続き県内の実績のある医療機関に要請してゆく。」とのこと。国のするべきことで、そこに踏み込んでまで、県としては行わないということだ。
 私は長野県内の重度心身障害者施設のある国立病院機構の小諸高原病院、東長野病院、中信松本病院に行き、直接話を聞いて来た。また、高崎にも調査に行った。高崎市は国(厚生省)と何度も協議しながら、法には触れない方法を模索し、独自の方法で市民のための病院設置を始めた。
 相手あってのことなので、中信松本病院に施設整備の意向があるのは、チャンスのはずだ。それなのに、知事が代わって、声を掛けた県から引いてしまうとは!

 Dさんのモニター患者としての県立須坂病院への受け入れも、ダメになった。私が須坂病院に聞きに行くと、医師、看護士不足など、出来ない理由を並べた。衛生部も現場の県立病院も、何とか実現しようという姿勢から、出来ない理由をつけて新しいことはやらない『昔の公務員の体質』に戻ったな、、、と思った。
 Dさんのいる鈴鹿病院を調査に行った県立病院医師のレポートを見せてもらった。「筋ジス以外にも、パーキンソン病、脳卒中、神経難病の若年発症者で長期療養者が現在も多数おり、今後も増える。これらの人たちは、自宅に近接した地域の中核病院で療養できるのが望ましく、そのためにも、新しくできる施設には、介護人材の育成や介護技術の改善、器具の改良開発など、地域病院とネットワークしあう情報発信センターの役割も望まれる」と記されていた。
 現代人は、社会的に、或は化学物質など様々なストレスにさらされている。神経難病を、自分自身や家族、親戚、友人が煩うかもしれないと思った時、直接患者を診ている専門家医師の指摘は、本当に的確だと感じた。
 それに向けて、折角一歩を踏み出そうとしていた長野県は、知事が代わってまた後退してしまうのか?
 「Dさんのいる鈴鹿は設備も整っているから」と県職員は言っていた。その後の言葉は 「我慢しなさい」か?しかし、それは福祉の後退として、いつか自分自身の身にも降り掛かってくる言葉ではないか。

 東長野旧国立病院の重度心身障害者の療養棟を訪れた私と林奉文議員に、病院長が言っていた。「これまで、県議会議員や国会議員は誰も訪問してくれたことはない。田中前知事だけは来てくれた」と。
 福祉と医療の狭間におかれた人たちや、これまで光が当たらなかった所に光を当てる、田中前県政が行って来たことを、県民はもう一度冷静にふり返ってみることが、必要ではないだろうか?
東京新聞より、『アリの前で止まった象』


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