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2007 年 6 月 25 日     カテゴリ:活動報告
ダム視察<2>益田川穴あきダムは大きい!環境に優しいは疑問
〜さわやか早苗日記443〜
 21日に6月定例県議会が始まった。県議会に先立ち、『大滝ダム』と『益田川ダム』のダム調査に出かけた。

 19〜20日に、治水の専門家で工学博士の京都大学名誉教授・今本博健氏と、水問題の専門家でジャーナリストの保屋野初子氏と一緒に、島根県益田市の『益田川ダム』の調査に出かけた。
 環境破壊・税金の無駄遣いと「脱ダム宣言」高まって来たダム批判をかわすために、国交省は環境に優しく費用も安いなどとうたって、治水のみを目的とし、普段は水が貯まらないよう河道付近に穴のある「治水専用穴あきダム」を、いわば、ダム建設推進派の生き残り策として日本全国に造ろうとしている。『益田川ダム』ダムは、いわばその第1号だ。この流れで、浅川ダムも多くの疑問や批判があるにもかかわらず、無理矢理造ろうとしていることは間違いない。
 (今本氏はこの問題点を、今月発売された『世界』7月号で指摘し、保屋野氏も同誌で、ダムの堆砂による海岸浸食という大問題を指摘している。)

(以下、前回の続き)
 益田川ダムのある益田川は、紡績工場から出る排水などの影響で、漁業権のない川だったためか、反対運動もなくダム建設が進められた。益田川ダムは堤高48mと、浅川治水専用ダム(堤高53m)よりやや小さめのダムだ。それでも、間近で見たダムはとても大きかった。
 益田川は浅川より大きな川であり、ダムの集水域は流域全体の60%以上と浅川よりもずっと広い。そのため、河床付近からあいている穴(常時洪水吐)は3.4×4.45mが2つだ。(写真上)
 浅川ダムの穴(1.1×1.1mが1つ)は、益田川ダムの穴に比べると、遥かに小さい。浅川でこんなに小さな穴にする理由は、川が小さいために穴を小さくしないと水が貯まらないから。しかし浅川ダムは、大きすぎる基本高水数値のせいで、ダムは益田川よりも大きい。
 また益田川ダムの厚さ38.8mであるが、浅川ダムは何と66m、コンクリートも2倍使う。こんな厚さにするわけは、浅川ダム予定地や湛水域が、地滑り大災害を起こした地附山の隣にある、地滑り地帯にあるからに他ならない。
 益田川ダムの穴は、大きく人も入れるため点検も容易だし、砂が貯まった時には掃除も出来る。しかし、浅川では1.1×1.1mと小さく60mもの長さがあるの穴を、一体どうやって、掃除、点検しするのか?詰まらない保障はない。
 数年前の台風による出水で、私の家近くの天満沢に流れ込む、桐沢の1mの土管が、流木と土砂で詰まって溢れ、山麓線(2車線の舗装道路)が川になり、下の方にある数軒の家が床下浸水したり、水がひいた後も山麓線に大量の土砂が堆積したりしたことを、思い出してしまう。

 益田川ダムは完成後、試験湛水のため2ヶ月かかって水を溜め、2ヶ月かかって水を抜いた。ここは比較的地盤の良い土地だったため、地滑りなどは起きずに、一度枯れた緑も回復しつつある。しかし湛水時に道路が水没するため、付け替えられた道路の上の斜面は、大規模に削られコンクリートで固められていた。(写真下の左側、下の道路が以前の道路、上が付け替え道路と削られた斜面。橋桁の水色の線は、満水時にここまで水が来るという印)
 つまり、普段は水が貯まらないダムだから、環境に優しいなどというのは、大間違い。ダムの建設工事そのものが大きな環境破壊であることは、間違いない。ダム本体の建設で掘り返された河原には、木が植えられたり、近くの小学生が育てたドングリの苗木を植えてあったりした。でも、そこにあった、小学生がたてた『ドングリの森を作ろう』と書かれた看板を見た時には、とても複雑な気分になった。
 また、建設理由に昭和58年の大水害が挙げられていた。しかし、そこに示された死者38名は水害によるものではなく、土砂災害に寄るものだったはずだと、同行した今本教授が指摘していた。今本教授は、災害があった当時、調査に来たそうだ。
 水害による死者のように見せかけて、ダムが必要だと思わせる、ダム推進派が良くやる手だ。こうなると、益田川ダムもまた、本当にどうしても必要であったダムなのか?はなはだ疑問である。

 更に、益田川ダムの建設は、渇水時に上流の農業用水などを貯める笹倉ダムの改修とセットで行なわれた。
 見に行って驚いた!笹倉ダムは1966年につくられた、元祖(河床部)穴あきダムだったのだ。この穴を今回コンクリートで塞ぎ、水を溜めるダムにしてしまったのだ。ということは、、、河床部に穴がある治水専用穴あきダムでも、一旦造ってしまえばいつでも穴は塞げる。穴を塞げば、水を常時ためているこれまでのダムと変わらない。(写真下の右側が笹倉ダム、ダム下部の白いコンクリート部分が塞いだ穴)
 ダム建設疑問の世論を、「環境に優しい、魚の遡上を妨げない、普段は水の貯まっていない治水専用ダム」などと言ってかわそうとする、ダムを造りたくてたまらない、国や推進派の心の底が見えてくるような気がした。
 はてさて、村井県政によって、浅川に造られようとしている1.1×1.1mで60mもの長さの穴は、自然の力によって流木と土砂で塞がれるのか・・・、コンクリートで人為的に塞がれるのか・・・。
 ダム建設によって起きた地滑り災害などによって、苦しめられるのは住民であり、建設や対策にお金を出すのも県民である。また、村井知事は「責任は私がとる」などと言っているが、ダムが完成する10年後に知事でいることは、まずもって、ない。
益田川ダム


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