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2007 年 10 月 20 日     カテゴリ:活動報告
村井県政1年、住民主体は何処へ?負うのは増税と借金のツケ・2
〜さわやか早苗日記459〜
 県議会一般質問で、私は「浅川ダム復活の手続き」について「森林税について」「廃棄物条例について」など質問し、その結果を踏まえ、『長野県住民と自治研究所』の研究書便りに「村井県政の1年間を振り返って」という題で寄稿した。

(前回からの続き)
<県民主体の仕組みは消され、行政への協力だけが求められる廃棄物条例案>
 この8月に出された『廃棄物の適正処理の確保に関する条例』の骨子案では、田中県政時の旧条例案から、県議会の反対にあった「市町村の建設する一般廃棄物処分場も含む、計画協議制度」の他にも、県民主体で廃棄物施策を行うための大事な仕組みが、外されてしまった。
 村井県政の新条例案では、ゴミは出るものだから、処分場を確保するために、「県や市町村が行う事業に協力するのが、県民の責務」として掲げられ、上意下達の国のゴミ政策を、そのまま県民に押し付けるものとなっている。
 村井県政のゴミ処理についての認識は、廃棄物処理法が改正された 18年前の国と変わらないものだ。大量消費・大量廃棄の政策で企業利益を優先させ、ゴミ分別の負担を住民押し付けた上に、税金で処理費用を賄う仕組みでは、地方はゴミで埋まり、破産する。
 このような国の廃棄物政策に追従しないために旧条例案が据えたものは、「県民参加でつくる、総合計画としての発生抑制・資源化計画」「廃棄物処理施設の設置にあたり、事業者と(地域住民などの)利害関係者と県民が、公開の場で環境配慮や土地利用面からの整合性などを代替性や必要性も含めて審議する計画協議制度」「廃棄物処理に関して環境や健康面での調査や監視活動をするために、県民からの申請で知事が認定する県民環境協議会制度」「廃棄物の不適切処理や不法行為について、住民が行う知事への行政権限発動請求権」「自分たちの地域は自分たちで守ろうとする地域住民と県が、半分ずつ費用を出し合って行う環境モニタリング制度」などであった。
 村井県政では、これらの制度は見事に消されている。県議会での私の質問に対しても、村井知事は、「発生抑制・資源化計画は、すでにこの3月に廃棄物処理計画で策定した」「計画協議制度では、住民や市町村長が知事に意見を述べる機会を設けている」「環境ウォッチャー、不法投棄監視連絡員との協働やNPO支援により県民参加の促進に努めている」「廃棄物にまつわる苦情に対しては、業者を指導し、必要なら環境調査も行っている」「行政権限発動請求権は行政自らの不作為を前提にするもので、おかしな事だ」と答えた。
 行政がちゃんと行っているから、住民のこれ以上の参加はいらないというわけだ。しかし、それなら何故、県内のあちこちで廃棄物による環境汚染問題が起きているのか。これ以上、長野県をゴミで埋め尽くさないようにするには、住民自治を補完する制度を盛り込んだ廃棄物条例が不可欠のはずだ。

  * * * * *
 この1年間の村井県政における政策の進め方や県政運営の手法には、大きな疑問が残る。その本質は、古くさい『官僚体質』や『しがらみ体質』のようで、職員は長いものに巻かれ、新たな挑戦をする意欲はない。
 県民の声より市町村長の言うことだけ聞けばよいということで、7年前の長野県に戻りつつある、と言うより、戻ってしまっている。残念ながら、そこからは、住民の自治の力を育て、地方から国を変えていこうという意思すら感じられないというのが、実感だ。
(以上寄稿文)

ーーーーーーーー
 昨日19日、浅川ダムや大型公共事業による開発や環境問題を考える県民のグループ「信州ラプソディ」が、穴あきダムを内容とする浅川の河川整備計画を、国が8月23日に認可したことに対して、許可の取り消しを求め、国交省大臣に審査請求を行い、県庁で会見した。私も参加した。
 許可の取り消しを求める審査請求の主な理由は、
1、計画手続きの瑕疵と違法
・今年2月8日、村井知事が、『浅川の治水対策、河川整備計画の方針を以下のとおり決定しました』として、穴あきダム建設を実施していくと発表した後、原案を発表、学識経験者からの意見聴取、公聴会、地元首長の同意と手続き進めた。
・河川法は、「河川整備計画を作成しようとする場合は、学識経験を有するものの意見を聞き、関係住民の意見を反映させるために必要な措置を講じなければならない」と定めているが、2月8日の以前には県民への説明は一切行っておらず、ダム建設を決定した後に、意見を聞いた手続きは、明らかに河川法違反である。
・審査請求人は、この事実を、8月9に付けで関東地方整備局河川課長宛に送っており、国交省は河川法違反の事実を知っていながら、許可をした。
2、基本高水流量(ダム前調節流量)の誤り
・県は30年前から「基本高水」「計画高水流量」を用いて来たにもかかわらず、認可となった整備計画の原案作成時に「ダム前調節流量」、認可時には「計画流量」と記述を変えた。法的根拠を欠くことから国交省が県を指導したものと思われる。
・県は昭和51年、平成4年の2回、流出解析をし基本高水を算出しているが、「1/100、450t/s」を30年間変えていない。
・算出に用いられた治水基準点、雨量データ、飽和雨量には、重大な誤りがある。また、ダムの必要性を裏付ける450t/sを前提とするため、1回目の流出解析の計画対象降雨・昭和34年8月を、2回目で昭和61年9月へ変更した。更に、基本高水の過大性を証明する平成7年と16年の雨量と流量データがあるにもかかわらず、検証していない。
3、安全性などの問題点
・災害防止対策の点で、洪水時の水害のみの限定し、地滑り、土石流、斜面崩壊などの土砂災害には一言も触れていない。
・ダム建設予定地の地質が脆弱劣悪であり、貯水池が地滑り指定地にかかっているにもかかわらず、地質・断層調査、地滑り調査がずさんであり、ダムが土砂災害を誘発する恐れがある。
・早明浦ダム、大滝ダムなどの手痛い経験を持ちながら、河川法や国の河川行政は洪水災害と治水のみに焦点を絞って、足踏みしている。

 10月11日には、滋賀県の永源寺第2ダムについて、最高裁第1小法廷(甲斐中辰夫裁判長)は11日、国の上告を受理しない決定をした。ボーリングによる建設予定地の地質調査などをしないまま、同ダムの建設を決定したことなどの違法性を認め、国の逆転敗訴とした2審大阪高裁判決が確定したもの。
 浅川治水専用ダム計画は、これに勝るでたらめな計画だ。

 なお、前回の私の日記中の、「(浅川の)外水被害については、昭和12年以降に災害はなく、天井川も改修されている。」の記述について、「外水被害は、昭和14年の論電ケ池の決壊以降災害はない、しかも洪水ではなく雪解け水によるもの」とご指摘をいただいたが、長野市が出した資料では、昭和12、13年に異常気象による集中豪雨で天井川部分が少し溢れたらしい。しかし、下流域が深刻な内水被害にたびたび見舞われていたのに対して、被害は極めて微小なものであった。
 外水被害対策でダムを造ると言い、土砂災害の危険性が増すのでは、住民はやりきれない。災害が起きたらまた公共事業が出来る=「小さく生んで大きく育てる」、こんな税金の使い方では、県民もやりきれない。
大阪高等裁判所「永源寺第二ダム判決」


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