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2008 年 2 月 19 日     カテゴリ:活動報告
国の道路中期計画案と、奈川渡周辺を早く整備してもらう方法
〜さわやか早苗日記472〜
 昨年11月に、今後10年間の道路整備計画が中期計画素案として国交省より公表された。14日に、『中部縦貫道計画検討会議』が企画して、中期計画案と中部縦貫自動車道計画について、国交省の出前講座を利用して学習会が行われた。
 1998年春に、中部縦貫道・松本波田道路と、波田町側のアクセス道路(通称波田バイパス)のルート発表が行われた。翌年1999年3月には両道路の都市計画決定が行われてから9年が経ったが、松本波田道路の建設は着手されていない。
 中部縦貫道・松本波田道路は、長野自動車道と分岐する松本ジャンクションから波田インターまで5、3km、4車線の自動車専用道路で、建設費用は284億円である。波田ICと長野自動車道・松本ICは数kmしか離れていないため、大金を投じてこの道路を整備する意味があるのか?また、波田から先の松本市安曇地区は急峻な山岳地形で、トンネルで貫いたら、通り抜けになるだけで地元にはメリットがないのでは?と、様々な疑問がある。今回の中期計画案の中で、いったい中部縦貫自動車道はどのような位置づけになっているのだろうか?

 まず、国交省関東地方整備局・長野国道事務所の中村副所長が、道路の中期計画について説明した。計画の基本的事項として、「選択と集中による効果的な事業の実施」「厳格な事業評価の実施とコスト縮減の推進」「既存道路の効率化、効果的な利用」「透明性・公正性の確保」「多様な主体との連携」を掲げている。
 具体的には、例えば”選択と集中”という点では、全国に19万カ所の交差点のうち、約23000カ所に混雑の発生が見られるが、この内、約9000カ所を日常的に混雑が発生している。その中の約3000カ所を特に事業効果が高い箇所として、優先的に事業を行うとしている。
 また、例えば、防災・防雪対策では”費用対効果(B/C)”だけに依るのではなく、生活幹線道路か?などの他の条件を併せて、集中的に対策を実施するとしている。
 この基本的な考え方は、良い。しかし、この考えが高規格幹線道路の中期計画にも生かされているかというと、はなはだ疑問に感じた。

 中期計画案では、高規格幹線道路の民営化時に評価を行った区間を除く、(中部縦貫自動車道を含む)全ての未供用区間約2900kmで、点検を行った。
 点検では、まず、事業の必要性の検証を行う。現計画の”費用対効果(B/C)”が1以上か1以下かで分け、1以下の区間は完成2車線計画への見直しを行った上でB/Cを再計算し、そこでも更に1以下なら『計画そのものの見直し』とする。
 次に整備の進め方の評価を行う。ルートやインターの位置が確定していないなど事業費の不確定性を考慮し、B/Cが1.2以上か1.2以下かで、「グループ1‥‥現計画(完成4車線)で整備する」「グループ2‥‥完成2車線相当の構造に見直す」「グループ3‥‥完成2車線に見直すとともに、現道の一部を活用するなど構造・規格も見直す」とした。
 では、点検による実際の結果はどうなったかというと、グループ2や3に分類されたのは187区間中、たったの29カ所であり、ほとんどがグループ1の”現行4車線”のままだった。中部縦貫自動車道・長野県部分の松本波田道路、波田〜中ノ湯区間は、どちらもグループ1の”現行4車線”のままという結果である。これを地元としては、単純に喜んでよいのだろうか?

 B/Cが1以下で『計画そのものの見直し』にはならなかったことは、喜んで良いだろう。しかし、私には、「グループ1で”現行4車線”のまま」というのは、決して喜ぶべきことではないと思えた。それは、全国でのグループ1・158区間中のどの位置に、松本波田道路と波田〜中ノ湯区間が居るかと見たときに、偏差値にあたる”評点”が松本波田道路は48.2、波田〜中ノ湯区間は44.8で、平均より低いからだ。
 つまり、国のお金のなくなる中で、また道路特定財源の見直しが話題とされる中で、全国の187区間のどこから整備を進めるかという場合、偏差値(評点)からすれば、松本波田道路と波田〜中ノ湯区間は、順位が低いということになるのだ。

 ところが、もし、この区間を 「グループ3‥‥完成2車線で、現道の一部も活用」にすれば、当然建設費用が下がる分、B/Cは高い数値となり、偏差値(評点)は上がることになる。
 地元期成同盟会の一番の願いは「奈川渡周辺の道路が悪い、あそこを優先的になんとかしてほしい」ということである。その願いを早くかなえたいなら、波田〜中ノ湯区間は完成4車線の中部縦貫自動車道ではなく、「グループ3‥‥完成2車線で、現道の一部も活用」する中部縦貫道で整備するということになれば、偏差値(評点)があがって、全国の中で、整備の優先度が上がるということになるわけだ。
 それなのに、国の中期計画案の点検結果では相変わらずの現行4車線で、地域の願いを反映する結果になっていない。このような点検に基づく中期計画は適切とは言えない。
 私は、「なぜ、殆どの区間をにグループ1にしておくのか?グループ3より1の方が、整備が優先されるということか?地元や県は『4車線で整備して』と要望しておかないと、国の高速整備網から外されてしまうと案じているようだが、そのことと関係しているのか?」と、質問した。
 長野国道事務所副所長はちょっと笑って「グループ3より1の方が、整備が優先されるということではない」と答えた。
 私は、「そうですよね、だからここに偏差値(評点)が示されているのであり、グループ2や3になることで、偏差値が上がれば優先順位が上がるということですよね」「そのような点検の方向性は良いと思うが、殆どがグループ1ばかりになってしまうような点検結果はおかしいのではないか」「この点検結果は、地元の要望には合っていない。そのような点検はおかしいと言える」「”効果的な事業の実施””厳格な事業評価の実施とコスト縮減の推進””既存道路の効率化、効果的な利用”というような中期計画の基本的事項を、高規格幹線道路の計画にも適用するべきで、基本事項に適応するような点検方法を考えるべきではないか」と言った。

 そもそもB/Cが1や1.2以上なら4車線の道路を建設するというのが疑問だし、B/Cの根拠となる交通量も推測交通量のため、ちょっとした条件設定でいくらでも数値は大きくなる。それならば、例えばB/Cが例えば3以上なら4車線、3以下の道路は、2車線整備や2車線プラス現道も使う整備を行った場合のB/Cと偏差値を示して、地域で選択できるようになれば、もっと少ないお金で地域が望む道路が早くできるようになるのではないだろうか?
 284億円もかけて松本波田道路を造るよりも、みんなが望む奈川渡周辺の道路整備が中部縦貫道として早く整備されるよう、県は知恵を働かせて国と交渉すべきだ。「4車線でなく”2車線プラス現道も利用”のグループ3にして偏差値を上げ、優先度を上げて欲しい、地方でそういう選択ができるような仕組みにするべき」と、国に提案したらどうか。
 それを、相変わらず、4車線を要望しておく方が優先順位が高いと言うのは誤りだ。それとも、自動車専用道路を造りたい、特別な理由があるのかな?



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