2008 年
4 月
23 日
カテゴリ:活動報告
浅川ダムの穴、地質再調査を要望する住民の開いた学習会
〜さわやか早苗日記481〜
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私は今年度は危機管理・建設委員会に所属していて、18日に初委員会があった。(建設委員会は県の組織改正で旧土木部と住宅部が一緒になり建設部になったため、それに合わせ委員会名も変更) 建設委員会では、浅川治水専用ダムの穴の大きさが、当初言っていたサイズ(1.1m四方)から、1.3X1.35mへと大きくなるという説明があった。一面ベルマウスという形状から、水の流れにくいナイフエッジという形状に変更するとのこと。変更理由は「維持管理上、大きくした方が良いので、こちらにする」と(写真上、詳細は一番下『浅川ダム概略設計図』をクリック)。 私は「へ〜」と思い、質問してみた。「維持管理上、大きい方が良いということは、詰まる可能性があるということですか?」 答え「一般的に、ダムの常用洪水吐の形状がナイフエッジになっている。穴が大きければそれに越したことはない」 「ほ〜、穴が大きければそれにこしたことはない・・・」すごい答えだ!そこで、「じゃあやっぱり、詰まる可能性があるから、大きいにこしたことがないってことですか」 答え「詰まることは、まず考えられません」
更に、ダムの水利模型実験の予定も説明された。模型実験は以前の私の質問の応えどおり、公開でやると言う。公開実験は2度行い、50人ずつ公募するという(一番下『浅川ダム概略設計図』をクリックすれば、県が出した資料が見られます)。 そこで私は「模型実験の結果、県民から問題点が指摘されたら、どうするのか?」と聞いてみた。何だかさっぱりわからない答えなので、再度聞いてみると、「所定の効果が得られるかどうか調べるための実験なので、住民の方が何を言おうと、どうこうするというものではない」と。これまたすごい答えだ。 もっと聞きたい所だが、初委員会で時間がないと委員長から睨まれるだけでなく、「いい加減に質問しろ!」野次られている中での質問は厳しいものがあり、諦めた。(しかし、司会役の委員長が野次るのも珍しい)
いずれにしても、こんな小さな穴しかあけられないダム建設に無理があるのだ。 県は「1/100確率の大雨の際、中流域の外水被害を防ぐため、基本高水130t/sの内、100tをダムでカットし、30tを穴から流す」というわけだが、ダム集水域の飯綱雨量観測所が154.5mm/日と『1/200確率雨量に近い大雨』を記録した1995年7月には、ダム地点の流量は約55tだった。 また、長野気象台で124.5mm/日とダム建設の計画雨量130mm/日に近い大雨となった2004年10月にはダム地点の流量は約20t弱であった。 更に、ダム予定地上流1400m地点に設置された水位観測所の35年分の水位・流量データの内、ダム地点に換算して30t以上の流量を記録したのは、7回で合計7時間分のみ。2時間継続して30t以上流れたデータはない。 これらの実測値から言えることは、いかに浅川の基本高水が高く設定されているかと言うこと。ダムを造りたいがために、過大な数値になっている。裏返せば、30tを少し超える水が穴から流れることは200年に一度あるぐらい、しかも長時間継続して流れることはないから、ダムに水がたまらない。だから、『穴は出来るだけ小さくしたい』のだ。しかし、小さくすることは詰まることや、維持管理が大変だと言うことを考えれば、建設部の答え通り『穴は大きいにこしたことがない』ということで、矛盾している。建設部(旧土木部)が、自ら招いたこととは言え、苦しい立場ということだ。 こうやって書いていると本当にばかばかしい計画だとあらためて思う。
20日には、浅川流域の小中学校にこどもたちを通わせている父母の皆さんのグループ・浅川ダム建設予定地の再調査を要望する会(代表・杉山昭生)が、浅川公民館で浅川ダムの学習会を開いた。「私たちの身近な地域だからこそ、安全性について学び考えたい」ということで、『浅川ダム建設予定地とその周辺について』松島信幸氏理学博士(元長野県治水・利水ダム等検討委員会委員)の講演があった。 「ダム建設予定地周辺のもろい地質は?」「地すべりの危険性について」 「ダム建設予定地の真下を通る活断層は大丈夫か?」ということなど、こどもたちの安全・安心を憂う親たちの疑問に答える内容の話であった。 まず、松島氏によれば、県が地質調査コンサルに依頼してこれまで行って来た調査から作られている地質調査図面は全体の傾向としては正しく調査されているが、ダム建設にマイナスになる真実は出さず、国交省の外郭団体である土木技術センター(http://www.pwrc.or.jp/)で、一句一句チェックされる。活断層などと言う表現はここで避けられたり、都合よく変更される。
松島氏はダム予定地を実際に掘り、ダム直下を横切る活断層と思われるF-V断層を見つけたため、田中前県政時の治水・利水ダム等検討委員会で再調査の必要性を指摘している。また、ダム予定地近くのブランド薬師温泉跡や浅川油田跡(昔石油を採掘、天然ガスも出た)はこの断層の延長上にあり、ここに深い割れ目(地質の境界線)があることを示すものだと言っていた。 しかし、村井県政になってからのダム建設復活にあたり、県は「F-V断層は、北側延長部では一の瀬砂質シルト層、南側延長部では文献で指摘されている田子断層で終わっており、最大でも長さが1.6kmしかなく、ダム建設に支障があるとされる5kmより短いから問題がない」と、説明している(下の図左…県の発表資料「浅川ダムにおける第四紀断層調査」より)。県はこれを、「北側はボーリングしたり、南側は目で確認した」と言っている。 しかし、国土地理院で発行している土地活断層図(これは地表から確認された断層のみ掲載されている)には、F-V断層が突き当たるようなを断層は載っていなし。県の言う田子断層は文献に載っている推定断層であるため、「目で確認した」という事実は本当なのか、はなはだ疑問である。扇状地の土砂が積もった遥か下の方のはずだが…。 また、松島氏がトレンチ調査した際の写真も、県の「浅川ダムにおける第四紀断層調査」によれば、「調査の結果、断層が確認されましたが、この断層による砂礫層の変位などは確認されませんでした」とされ、『変異がないから活断層ではない』とされているが(下の図右)、右と中央については断層と書かれているのに、左端の断層面については何の説明もない。 このように、都合の良い文献を集め、都合良く解釈したり、あるいは都合の悪い部分は隠して、ダム建設に支障はないと言い切るのが、県の手口だ。これは浅川ダムに限ったことではない。 中には、県が、松島氏の提供した写真を使い、谷側と山側を間違えて説明してあるページもあるとのことで、松島氏によれば「わざとではなく、間違えでしょう」とのこと、滑稽だ。 こんな人たちに、市民の生命を100年先まで守ることができるのか?はなはだ疑問である。
浅川ダム概略設計図 |
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