2008 年
10 月
28 日
カテゴリ:活動報告
県立病院の独立行政法人化をどう考える?県民にとっての最善は?
〜さわやか早苗日記500〜
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長野県は、県立5病院の独立行政法人化を県議会に提案しようと準備中です。私はこれに賛成すべきか、反対すべきか、実は迷っている。県は、病院の経営改革のためには、民間の経営感覚を取り入れた上に外部委員会や議会のチェックも入る独法化が望ましいと言っている。 これに対して、自治体職員組合などは、身分が公務員でなくなる事、公務員でなくなったら医師や看護師が集まらない、今は公務員のために給与は一律だが、独法化になって給与に差がつくと職員のやる気が失せる、公立病院には民間では担えない使命がある事などを理由に、独法化に反対している。私には、これら反対理由は、どうも自分の都合であって、県民の事は二の次のように思えてならない。
実は、私は県立病院の今の状況にいくつかの疑問がある。筋ジスなどの方々の療養施設が県内にはなく、田中県政時の最後に県は県立須坂病院などに療養ベッドをつくる事を検討し始めたが、村井県政になり尻すぼみ、私が須坂病院に直接聞きに行くと、病院長から「患者のD君1人を受け入れるには30人体制を組まなければいけないから、無理」と断られた。 それから1年後、厚生連の三才山病院がスタッフを新潟の病院等へ交代で長期研修に送るなどの努力をし、筋ジスなどの重度の身体障がいの方々の療養ベッドをつくり、D君は三重鈴鹿の病院から三才山病院に転院し長野県に戻る事が出来た。 私は、「民間の病院で努力して出来る事が、なぜ県立病院でできないのか」と、とても疑問に思った。 聞くところによると、須坂病院は県立のため職員の入れ替わりが多く、地域との連携も少なく、地域の人からは人気のない病院とのこと。独法化が話題に上がって来て、これではいけないと、最近になって地域との交流を始めるようになったとか。 また、県立木曽病院も木曽唯一の病院で老健施設もやっているが、同じ木曽で建設業者がやっている老健施設と比べたら対応が悪かったという話も聞き、県立って一体何?と、私は考え込んでしまった。
そんなとき、25日に、松本市のMウイングで行われた、長野県住民と自治研究所主催の「地域医療と拠点病院を考える」という学習会に参加した。(写真) 赤字と言われる自治体病院であっても実は国からの交付金を自治体がピンハネしている事例があり、決算書を注意して見る必要がある事、大阪市で5病院が独法化した結果、診療報酬で一律に決められている以外の料金(差額ベッド代とか食費とかいろいろ)が全て値上がりし、患者負担が増したという話等を聞いた。 また、自治体病院でもすごく努力して地域に開かれた病院になっている事例の報告もあった。「地域医療を守る自治体病院経営分析」の講演をされた、講師の金川佳弘氏の勤務する五所川原市西北中央病院(青森県)や、パネルディスカッションで話をされた、永原和男氏の勤務する信濃町立信越病院だ。 信濃町立信越病院は小さな病院だが、常勤医師が3人までに減ってしまった時に、町民の協力を得て医師探しをし、来ていただいた医師は家族ごと町民で温かく支えるという地域ぐるみの努力をしていることで、今は9名もの常勤医師を確保できたという話は、すごいなあと思った。 また、東御市民病院では「要望を語る会」を開きその地域にどのような医療が必要かを、地域の皆さんと語り合っているとの事。長野県立こども病院も、田中県政の最後に就任した宮坂院長のもと、地域に開かれた病院になってきた。
地域の住民のニーズは何か?もし患者数が減ったのであれば、何故なのか?自分たちの病院で分析し、処方箋がかけるようでないといけない、その分析ができないのが自治体病院の悪いところだと、講師の金川佳弘氏は言っていた。 県立病院はそれを本気でやって来たのだろうか?また、県は病院と一緒に努力して来たのだろうか?こども病院のように、よそからハートと実力のある院長がやって来て頑張っているところがあっても、それを支える県の体制がなければ、県全体へと広がらない。 金川氏は地域のよき拠点病院となるためには、ウルトラマンではダメ、アンパンマンでなくてはできないと言った。つまり、地域住民も含めてみんなでつくっていかないと実現できないと言う事だ。 5つの県立病院を1つの地方独立行政法人の経営とする県の案は、一人のヒーローを連れて来て経営改革をしてもらうといっても、上手くいくとは限らない。誰がつくかによって、本当に県民のためになる県立病院になるのか?反対に採算性の合わないものは切り捨てられるのか?どっちに転ぶのか、、、と心配になる。
私は、「県民にとって良い病院、地域の拠点病院になるための改革」と独法化とは別のもので、独法化には反対し、まずは県立のまま改革に本気で取組むべきと主張してみようと思うようになった。だいたい、県立では出来ないから独法化すればできるなんて、そもそもおかしい! それに、「国から借金の許可を得るため1500人の職員削減の一環として独法化」という県の思惑が根底にあるのは本当にいただけない。 そもそも、医師不足や看護師不足は、国の政策の失敗だ。それなのに国は未だ社会保障費の削減するという。しわ寄せはいつも国民に来る。独立行政法人化はその流れの一環だ。
ただ、未だ迷いがあり、すっきりはしない。 「地域医療と拠点病院を考える」学習会には相澤病院など民間病院からの参加があった。「自分たちの病院で分析し、処方箋がかけるようになる」ことに熱心な病院は、やはり人気のある病院なのだ。主催者は案内を県内の全病院に送ったというが、県立を含む自治体病院からの参加は、パネリストの信濃町立信越病院以外はなかった‥‥。残念だと主催者も言っていた。 また、今日も須高地区の知り合い2人に意見を聞いたら、「そりゃあ県立のままが良い。でも、自分がいつもかかるのは長野市民病院」と言うのだ。う〜ん…県民にとっての最善は?人気のない病院に投資するのも、それはそれで税金の無駄遣いだ。 ちなみに、須高地区の皆さんにも人気の長野市民病院はホームページによれば、「民間感覚を取入れ、市民の視点に立ち、また合理的な運営が期待できる公設民営方式を全国に先駆けて採用しています。平成18年4月より地方自治法の一部改正により指定管理者制度が導入され、長野市保健医療公社は長野市民病院の指定管理者に長野市より指定されています。」とのこと。う〜ん…
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