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2004 年 3 月 2 日    
実践を伴う良い仕事をしている人たちの話を聞いた一日
〜さわやか早苗日記217〜
 県と民間が連携しあって不登校の子供や親を支援する子供サポートプラン・松本では、中間教室やフリースクール、診療機関を紹介するファイルを用意して、相談に見えた子や親に情報提供をしている。相談窓口になっているのは、相談者と苦しみを分かち合える、不登校経験のある若者や、不登校経験のある子のお母さんなどで、半ボランティアで活動している。
 ファイルもお母さんや若者の手作り、不登校の子供が家から外に出ていけるようにと、学校にも皆でファイルを持って行き協力をお願いしている。私は、虹の村診療所もぜひこのファイルに入れ紹介することで、小林先生に救われる子がいると思い、サポートプランの集まりで聞いてみた。娘さんの不登校体験がある穂高町のAさんは、サポートプランで相談役をやっているが、ファイルに入れる紹介チラシを作るために取材に来てくれた。

 小林先生は、かつては病院で毎日8、90人の患者の診察をやっていて、昼食を取るまもなく、トイレに行く暇もなく患者を見て、夜遅く帰るときには車の中で吐き気をもよおすような仕事をなさっていたそうだ。今は虹の村診療所で、有明の家の波場先生と一緒に、長い間苦しんできた引きこもりの青年達や親に寄り添って、支えている。簡単に寄り添っていると書いたが、それは易しいことではない。彼らの灯台になるということだ。そして灯台だから常に外に向かって光が放たれている。
 今日は青年達の多くがスキーに行ってしまい、Aさんと私は取材の途中から昼食を一緒にいただいた。波場先生の63回目の誕生を祝いでもあったので有明の家の支援者も何人かやってきて、スキーに行かなかった青年達がつくってくれた昼食を20人ほどでいただいた。小林先生が「今日のお昼は大人のデイケアですね」と冗談交じりで言われたが、私も含めここにいた人たちは、おそらくそれを冗談とは思わず、本当にケアされているような気持ちだったろう。小林先生にケアされているだけではなく、ここにいる人たちがお互いにケアしあっているようなそんな気がする。
 田中知事の言う外に向かって開かれたコモンズ、「コモンズがわからない」と言う人がいるが、虹の村に来ると、コモンズの意味を体感できる。
 さて、取材の方は、私は次の用事のために途中で抜けてしまい、どうなったのかはAさんに尋ねてみないとわからない。一つわかったことは、小林先生はけっして安請け合いはしないということ。それは、かつての病院での診察経験から、虹の村では治るまでより添うという信念で仕事をされているからだ。「色んな所があって良いと思うけれど、ここはどこに行ってもダメだったという人、でも治りたいと思っている人、そういう人のための場所でありたい。だから、誰でも良いというところではないかなあ・・・」とおっしゃっていた。
 さて、これをファイル1枚にまとめるのは難しい・・・、ファイルに載せるには向かないかもしれない。だけれど、月並みな言い方だが、世の中にとって虹の村はなくてはならない存在だと私は思う。

 この後、薄川の森の保水力についてまとめた県職員、もと水俣市長の吉井正澄さん、田中知事、チェルノブイリで被爆した人々に向き合い、その後衛生部長として県の医療改革に力を尽くされ、このほど松本市長選のために辞職された菅谷昭さんの話を聞いた。今日聞いた話はどれも、自分の仕事に誇りを持っている人の話だった。しかもそれは実践を伴うものだ。
 最後に話を聞いた菅谷さん、こんな人が松本市長になったら本当に市民は幸せになる。これからの世の中に必要なことは何かを知っている人、そしてそれを実践している人だから。(写真は田中知事と菅谷さん)


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