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2004 年 5 月 9 日    
まちづくりの視察2、国の補助金制度とぶつかる真鶴『美の基準』
〜さわやか早苗日記254〜
(前回の真鶴まちづくり視察の続き)建設中の『地域情報センター』(写真)の、『まちづくり審議会』からのクレームに、町側は、住民参加で意見を聞きながら進められた計画であるとし、意見は平行線になってしまったり、審議委員の五十嵐敬喜教授が辞めてしまったりすることがあったがそうだ。「住民参加で、まちまちの意見を集合する、多くの人が関われば関わるほどおかしなものになっていく傾向にある。民主主義と美の基準とをどこですりあわせるかということが難しい」と三木町長は雑誌の取材に答えている。
 6日に視察した、建設中の情報センターは壁には石が貼られてていたが、一見コンクリートなのかなと目をこすって見てしまった。形も大きないわゆる箱もの、『美の基準』の中にある敷地のうち建築しない部分をもう一つの建築空間と考えるという「生きている屋外」のキーワードにもあっていないなと思った。
 五十嵐教授が雑誌の中で、真鶴の人々が好む細い裏道でつながれた『静かな背戸道』と、国交省が決めて自治体が都市計画決定して国の補助金で整備される道路とを比較し、「真鶴町がどんなに背戸道を守ろうとしても、いつでもまっすぐにされてしまう危険性がある」と書いている。「図書館では補助金がおりない、そこでほとんど必要ないと思われる情報センターを付け加えた。出来上がるのが、美の条例とは無縁のどこにでも見られるガラス張りの建物だ」とも。

 ダムには国の補助金が付くが、河道の浚渫にはつかない、学校の立て替えには補助金が付くが、昔からの造りを残す為の学校の修復には付かないなどの、おかしな国の仕組みと同じ。地域らしさを残す地方独特の取り組みには、国は手かせ足かせをし、お金も出さない。日本を画一的なものものにし、上から治めようとする強制合併の合併特例債も同じ。長野県でも、独自な取り組みには国からお金がこないため四苦八苦だ。が、小さいからこそ輝く自治体の首長たちは毅然と立ち向かい、田中知事もめげてはいない。

 真鶴町の独自性を大事にする為の仕組み『美の基準』をつくるにあたって、国や県が障害になることはなかったのだろうか?7日には町役場を訪れその辺りの事も含め、「美の基準」が出来た経緯などを聞いてみた。
 1987年にリーゾート法が施行になり、真鶴にもリゾートマンションブームが訪れた。町は水不足もありこれには反発があったが、水源負担金を求めた事で真鶴駅前にできたマンションが即日完売、次の日には1千万円も高く売れ、開発圧力が一気に高まった。しかし、住民のマンションに対するアレルギーが強く、13件の反対陳情が町議会に出たため、リゾートマンション凍結宣言が決議された。すると、よけい圧力がかかりやくざまがいの人が連日役場に来るようになり、住民はこわくて役場に来られなくなってしまった。町長が辞任、町長選に。水問題の解決とまちづくりのルールづくりをより強く打ち出した、現三木町長が当選、地下水採取の規制条例や土地利用の基準などを施行、地下水に関しては3年がかりで調査、これ以上の取水を認めないなどとしているため、開発圧力は沈静化した。
 また、1991年にはまちづくり条例の策定作業を開始、職員と3人の外部アドバイザーによるプロジェクトチームで検討した素案を神奈川県に出した所、法律との整合性を問われ、真っ赤になって返ってきた。そもそも「美の基準」「(平仮名の)まちづくり」という言葉が、条例にそぐわないと言われ、県とは最後まで平行線、「町長の責任のもとで施行する」と言い、打ち切りに近い形で終わってしまった。(続きは次回)


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