2004 年
6 月
12 日
豊富な地下水だからこそ守っていこうという、富山県民の哲学
〜さわやか早苗日記264〜
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11日は、10日に引き続き、「あおぞら」の私、林奉文議員、宮川速雄議員の3人で富山県で現地視察。富山の地下水を守る取り組みと、水を人との関わりを聞きたいと、富山県庁を訪れた。富山県庁は県議会中で忙しいにもかかわらず、富山県生活環境部環境保全課や水雪土地対策課の職員の皆さんが親切に対応してくれ恐縮。 富山県は県民が苦しんだイタイイタイ病の公害の苦い経験から、水に対する思い入れが強い県、知事が、バラバラになっている水に関する施策をあつめ、総合的な視野に立って取り組みたいと、平成3年に「とやま21世紀水ビジョン」を打ち出した。このビジョンは、水に対する哲学をうちだしたもの。地球温暖化防止にむけた地球的規模のアプローチなどを、12年前にうち出した指針としては先進的なものだ。今、この部分を更に考え、水文化の観点を入れてようと、改訂を行っている。
私はこの中の地下水の保全に関する指針のことが特に知りたくて、信州大学工学部の藤縄克之教授に紹介してもらった。地下水研究の第一人者・藤縄先生は、改訂のための専門委員になったり、富山県の水環境保全の相談役になっている。 富山県の地下水採取に関する条例は、規制の厳しいものだ。知事は区域を決めて規制地域を、富山県環境審議会や関係市町村の意見を聞きながら指定する。規制地域では、個人の井戸を除き、地下水を事業に使うために採取する際には知事への届け出が必要だ。 富山県では公害防止条例の中で、開発行為は届け出の前に県で総合的にチェックし、事前に協議することになっていたり、アセス条例など他の条例とともに、地下水には何重にも網をかけている。
規制にあたり、富山県では地下水量総合解析調査を実施し、塩水化や大幅な地下水位の低下等を生じさせない揚水量(限界揚水量)を算出、これに地域の特性や住民の意向を考慮した「地域係数」を掛け合わせて、「適正揚水量」を算出した。すでに地下水をくみ上げている企業にも、無駄な使い方をやめてもらう努力をしてもらったりして、効果を上げている。
長野県でも、森林条例や、廃棄物条例、アセス条例等の制定を目指しているが、知事の権限を強めるものだと県議や首長たちが反発している。富山県では、このような規制の強い条例を作る際に抵抗はなかったのか聞いてみた。 抵抗も強く、説得に苦労もしたが、最後の決め手は、「工場誘致をしようとしても、地下水が出なくなったら工場も行ってしまう。循環型の中で守る必要がある」と言ったこと。今では、首長たちはこの条例を喜んでいるそうだ。 午後は黒部市や入善町の「黒部川扇状地湧水群」を視察した。全国名水百選にもなっている。地下水が自噴している共同の洗い場等では、水がこんこんと湧き出していた(写真は清水庵の清水。600立方m/分もの水が自噴)。洗い場は何カ所もあり、他にも個人の自噴井戸もある。こんなに地下水量が豊富なのに、今からしっかり守っていこうという富山県民の哲学はすばらしい。 私たちと同行し、この視察をセットしてくれた、あおぞら事務局の藤井さんが「県庁職員が条例に自信を持っている」と感想を言っていたが、大きな視点で時代を先取りする仕事への誇りだろう。でも、これも公害に苦しんだつらい経験があった故だ。
さて、藤縄先生は、安曇野に残る拾ヶ堰の土水路部分等、地下水涵養の為の土水路の重要性を言っている。富山県職員は「一度コンクリート化したものを土水路にするのは難しい」と言っていた。 あおぞらでは藤縄先生をお招きし、地下水を守る為の学習会を7/2(金)pm6:30〜もんぜんぷら座で開く。多くの皆さんのご参加お待ちしています。
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