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2004 年 8 月 29 日    
埋め立て終末処分場建設により、里山がさらされている危機
〜さわやか早苗日記290〜
 昨日と今日、群馬県下仁田町で建設予定の話が持ち上がっている産業廃棄物終末埋め立て処分場問題の勉強会と現地調査に参加して来た。なぜ群馬県までわざわざ行ったかと言うと、処分場の地質調査を信州大学・小坂共栄教授が行うと聞いたからだ。雨水がしみ込み易い地質に埋め立て処分場を造ると、汚染水が地下に浸透し地下水が汚染される。また沸き出した沢や河川が汚染される。里山や沢地形は埋め立て処分場に最も適さない場所である。しかし、往々にして人目につきにくいが、道路からも近いそのような場所に、廃棄物が持って行かれる。
 長野県が造ろうとして問題になり、田中知事になってからストップしている阿智村の終末埋め立て処分場も、このような地形にある。また、法の目をくぐって、あるいは法はクリアしているとして造られている長野県内の多くの処分場もこのような地形にある。そこで、下仁田町に造られようとしている処分場が一体どのような地形・地質のところにあるのか、長野県の廃棄物対策の参考にしたいと考え、参加して来た。

 下仁田の予定地もまさにそのような場所にあった。人里から500mも離れていない山林の中、二つの深い谷を産廃で埋める計画だ。しかも谷と谷の間の尾根も崩して二つの谷を繋ぎ産廃で埋め、最後に尾根を崩した土砂で覆土し蓋をするのだそうだ。(写真は尾根)
 予定地の面積は20ha、この内埋め立て面積は7.6ha、容量は192万立方メートルという巨大なもの。関東一圓の産廃が持ち込まれ、その種類は、特別管理産業廃棄物である医療廃棄物やBSEなどの感染性廃棄物の焼却灰も入れて20品目、このような多品目にわたる埋め立て処分場は日本初とのこと。

 さて、そんなすごい処分場を造ろうとしている予定地の地質はどんなものか?下仁田町にある自然学校に小坂教授のお仲間の地質専門家や地下水調査専門家が集まり、住民の皆さんと調査を始めた。そもそも自然学校とは何なのかな?と私は不思議な気持ちで出かけた。行ってわかったのは、下仁田はとても複雑な地質の場所で、専門家にとっては魅力的な場所ということで、集まって来た地質学者の方々等によってつくられた研究所のようだ。
 専門家達が、住民にわかり易く説明してくれた処分場予定地あたりの下仁田の地質で特徴的なことは、まず南蛇井層という2億年ほど前に海で貯まった泥や砂の地層が、変質や変形を繰り返しグチャグチャになった大変複雑な地質だということ。しかも日本列島を東西に二分する大断層の中央構造線が、長野県の諏訪湖のあたりでフォッサマグナで分断され消えてしまうが、ちょうど下仁田のあたりでまた現れる断層の上に、この処分場予定地がある。

 現地調査は、更なる詳しい地質調査班、湧き水調査班、初めて現地調査に参加する住民のための予定地見学班に分かれた。私は見学班に参加したが、自然学校事務局の小林先生が地質の様子を説明しながら案内してくれた。処分場予定地の中、尾根伝いにある小坂坂峠道などを歩いて地質を見た。この峠道は富岡・下仁田・軽井沢を結ぶ古くからある道(下仁田道)で、ここにはいたるところに南蛇井層が顔出していた。観察すると、固い泥岩と柔らかい砂岩が混ぜ混ぜになっている様子、そのためにひびだらけ、大変崩れ易くもろい地質だと良く分かった。
 阿智の処分場予定地の特徴的な地質であるマサ土も見られた。これも強風化花崗岩という大変もろい地質。
 処分場がつくられたら地下水汚染が懸念される。また、処分地の300m程下には富岡市等の水道水源である鏑川があり、地下水や沢水が流れ込んでいる。(続きは次回)


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