2004 年
9 月
21 日
吉村県政時の浅川治水対策の問題点3、基本高水は重要な根拠となりえない
〜さわやか早苗日記303〜
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(昨日の続き)千曲川は下流に立ヶ花狭窄部など、川幅が狭い所が沢山あり、浅川との合流地点一帯は大雨で水が貯まる天然のダムのようになり、浅川に逆流してくるのだ。もし狭窄部を広げれば、今度はその下流で水害発生の危険が増すため、安易には広げられず、難しい治水問題を千曲川は抱えている。長沼と赤沼地区の洪水の危険性は、逆流、排水、狭窄部の問題であり、ダムを造っても解決はしないのだ。 しかも、内山さんは次の様に指摘する。 長野県の雨は多くの場合、西から降り始める。大雨の際、浅川ダムが無ければ、千曲川の水位が上がらないうちに西側にある浅川上流域に降った雨は、どんどん千曲川に流れ込む。しかしダムが造られると降った雨は一旦貯められてしまう。ダムから、貯まった水が放出され千曲川に達する頃には、千曲川流域から流れ込んだ水で、千曲川の水位が上がり水門(写真)が閉められる。するとダムから来た水は行き場を失い洪水の危険は増す。つまり、浅川ダムが内水災害を助長させてしまうのだ。
このように洪水は、浅川ダムを造っても解決しないことを、前吉村県政の土木部はきちんと住民に説明せず、ダムを造りたいが為に、ダムさえあば安全とデタラメな説明をし、デタラメなことを行って来た。日記には書ききれないが、土木部が行って来たデタラメは沢山ある。
実は土木部がこのようなデタラメを行って来たのは、ダムなどコンクリートの建造物にばかり頼ろうとする、誤った日本の治水対策があったため。誤った治水対策は、過大な基本高水とセットで押し進められた。 基本高水の前提となる雨量や測量データには大きい誤差がある。「降雨量は直径20cmの雨量計で数億倍の面積を代表するもの、流量計も流下断面積と流速測定が難しく1、2割の誤差がある大まかなもの。それを基礎データとして河川の重要度、カバー率等様々な選択を掛け合わせた結果求められたものが基本高水で、もともと唯一の解答ではない」と、新潟大学の大熊教授は指摘する。しかも不確定な基本高水は、河川技術者(行政)が地域住民の意見を聞くことなく最大なものを選択し、その数値を最も重要な守るべき根拠として、治水計画を策定している。 このようにして作られた河川整備計画のため、ダムを幾つ造っても間に合わず、例えば利根川ではダムによる洪水調整可能量が未だ持って1/6しか満たされず、仮に沼田市街を水没させるようなダムを造ったとしても間に合わず、100年経っても200年経っても、基本高水を満たす計画は完成することがないそうだ。千曲川の流れ込む信濃川も同様。尚、小さな浅川ダムは下流の洪水調節効果がないと、計算に入れられていない。
大熊教授は流域住民の安全を守る為には、一気に濁流が押し寄せる堤防決壊を防ぐため、今ある堤防を強化することが大事と言う。堤防には計画水位以上に余裕高があり、堤防の強化で、ダムによる洪水調整予定の分ぐらいは現在の堤防の高さで流すことが可能と言う。万が一の大雨による増水でも、堤防が決壊せずに越流なら避難する余裕がある。この夏に新潟で起きた大水害は、堤防決壊によって一気に水が押し寄せ、逃げ遅れた高齢者が犠牲になってしまった。 100年確率、200年確率の洪水を防ぐといって土木工事による治水対策ばかりを行っても、洪水の可能性を0には出来ない。溢れる可能性を考慮したまちづくりを、行政は住民と進めなくてはいけない。それにはまず、行政側は「ダムさえあれば大丈夫」と説明して、住民をだまして来たデタラメの数々を、住民の前で明らかする必要がある。(続きは次回)
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