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2004 年 11 月 19 日    
隠し逃げず、廃棄物対策に取り組んだダイオキシン無害化の川辺町
〜さわやか早苗日記328〜
 あおぞらでは、17、18日にかけて鹿児島県川辺町に行き、ダイオキシン無害化の取り組みを視察した。
 川辺町は人口15300人、薩摩半島の中央部に位置する盆地で、清らかな水に恵まれ、夜空は「星空日本一」に輝く自然豊かな町だ。
 
 川辺町はゴミの焼却を広域ではなく町単独で行って来ており、平成6年に現清掃センターの稼働を開始した。間もなく、国から焼却施設から出る煙や灰のダイオキシン対策をするようにとの通達があった。実は、川辺町は数十年にも渡って焼却灰を、小高い丘の上にある焼却施設の下の谷にそのまま捨てて来た。
 東展弘町長になり、廃棄物対策を任された課長は「これから出るものばかりではなく、過去の灰も大きな問題」と考え、野ざらしの埋立焼却灰のダイオキシン類分析を摂南大学に依頼した。
 視察前に見た川辺町の取り組みのビデオの中で、摂南大学教授が「これまで(捨ててある)焼却灰を採取するときは、行政に見つからないようこっそりやっていたのに、行政が一緒にやってくれるのは今回が初めて」と言い、灰を採取していた姿が印象的だった。
 この意味するものは何か?殆どの行政が、住民からの疑問や心配に答えることなく、いかに、隠し逃げることばかりを考えて来たかということだ。

 川辺町は逃げずに、摂南大学からの埋立焼却灰ダイオキシン類分析結果(ダイオキシン濃度:最高5659.9、平均1300ピコグラム)を町民に報告し、一緒に解決して行きたいと求めた。町民は「何故もっと早く出来なかったのか?」などと怒ったが、町の『正直な姿勢』に町民は理解を示した。また、「対策の記録を残しておくように」ということになった。

 更に、川辺町では、宮崎県の民間処分場に埋立焼却灰の搬出を開始したが、他所へ持って行けばよいという姿勢だけではいけない、焼却灰のダイオキシンを無害にしたいと考えた。
 当時ドイツでは汚染された土壌からPCBを取り除く研究がなされ、PCBと似た構造を持つダイオキシンに応用出来ないかと考えた摂南大学教授の紹介で、研究者のベルジング博士が平成11年に来町し実験の打合せをした。更に民間企業もこれに協力、翌年、産・官・学が協力して「ダイオキシン類無害化実証実験プラント」が建設され、実験が開始された。

 これだけでなく、川辺町はゴミの17分別収集を本格実施した。(その後19分別に)
 視察させてもらった焼却場では、出た灰の中に混じった異物は陶器のかけらなどの小さな物ばかり。穂高広域の焼却場で見せられたような大きなものはなかった。川辺町民の意識が高い証拠、でもこれは、廃棄物問題を隠さず正直に真剣に取り組む町の姿勢があるからだ。

 その後、平成14年には無害化処理技術を環境省が承認、ダイオキシン類無害化処理施設が建設され、本格稼働を始めた。建設費は約3億円、装置は(写真右)すでに使われていた汚染土壌を無害化するための機械を組み合わせもので、安く出来た。現在国がダイオキシン類無害化として勧めている灰溶融炉に比べると、1/10ほどの金額だ。
 灰溶融炉は1200度以上の高温で燃やし続けないといけない為、燃やすものが必要でゴミ集めをすることになり、廃棄物の減量やリサイクルを進める政策に逆行してしまう。また、灰溶融炉が冷える時にひびが入り、造って1月で停止せざるをえなくなった実例もあり、技術的に未完成と言われたり、常に危険と隣り合わせの原子炉と同じだという意見もある。

 川辺町では、ダイオキシンを取り除いた灰で再資源レンガ(写真左)を造ることにも取り組んだ。(次回へ続く)
鹿児島県川辺町ホームページ


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