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2005 年 2 月 2 日    
昭和合併時に分村の旧矢場川村は、特別な援助もなく頑張った
〜さわやか早苗日記350〜
 (前回の続き)昭和の合併の際に分村し、群馬県太田市と栃木県足利市に編入された旧矢場川村について、太田市矢場町の公民館で、当時の矢場川村議だった方が、話をしてくれた。「合併して外から入っていった為、なんとか中心に近づこうと一生懸命になった。中心街に比べて道も悪く、穴ぼこだらけ、小学生も行き帰りにランドセルに石を3つ入れ、穴を埋めながら毎日通った。若い先生たちも一致団結し地域と協力して子ども達を育てた。そのため、皆大変、矢場川への郷土愛が強い」

 私の、「長野県では、分村した山口村には気を使い、県平均の2.7倍もの金額の、ハード面での援助をして来た。このような特別な援助はあったのか?」との質問には、「特別に群馬県から援助してもらうような事はなかった。自分たちで集まって要求して来た。もともと自立心の強い地域だったから」との答え。
 また、「山口村のように分村したから、今回の合併で一緒になりたいという意見がなかったのか?」と尋ねた。「ある事はあるが、僅か。それより、分村して編入したことで頑張り、かえって良くなったという気持ちがある。足利市へ行った側とはお互いに張り合い、頑張っていて、そこがまた良い」という、なんとまあポジティブな答え。

 「寄らば大樹の陰、大きい中津川と合併したからもう安心」と山口村民が、もし考えていたら、それは思い違いである事が、この視察でわかった。菱も矢場川も編入した事を忘れず、郷土への誇りを忘れないで自律しながらやってきたからこそ今があるのだ。
 山口村も合併後は自律して頑張らないと、特例債で開けた道を大型バスでやってくる通りすがりの観光客を受け入れるだけの一部地域が存在し、あとはさびれた地域になってしまう。「今までの山口村を、自慢していって」と言っていた女性の言葉を、ぜひ、エールとしておくりたい。

 なお、これは山口村に限らず、大きな長野市や松本市等に編入合併される町村も同じ事が言える。
 また、矢場川は安曇野と同じような平らな地形のボーダレスな地域だが、今でも自律心や愛郷心が強く団結して太田市などに対して自己主張している。
 大きくなるからこそ、地域の独自性を守って行く事が大事であり、それが出来ない地域は飲み込まれ、廃れていくだけだ。

 調査に出かける前にあおぞらの3人で参加した、長野県地方自治研究センター主催の『三位一体の改革と地方財政計画』の講演では、講師の澤井勝・奈良女子大教授も、「これからは、地域住民が『けんけんがくがく』話し合う中で創った県土建設計画がある所に、予算は配分されていくようになる。地域の自治をどう確立していくかが大変重要」と話した。
 これは、田中知事の政策の柱である、信頼と協力の絆で結ばれたコモンズの創生が重要ということだ。
 また、「県の役割は?」という私の質問に「県は、国とのやりとりで鍛えられた視野の広い職員を市町村に派遣し、県と市町村の連合体をつくるなどして、あと20年は頑張る必要がある」と答えた。これは、市町村コンシェルジュ(市町村職員が気軽によろず相談出来る窓口として、県職員が市町村の課題解決を支援する)事業など、田中知事が力を入れている政策そのものだ。

 たとえ合併したとしても、合併後にどう地域の自治を確立し、自律していくかが大事だ。その支えになるのが、地域のアイデンティティ、誇りだということが、今回の調査でよくわかった。これは、田中知事と数少ない県議、多くの県民が、越県したいという山口村に失って欲しくないと願ったものだ。


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