2005 年
6 月
26 日
天満沢が尻無し川に?!自然を甘く見、歴史を無視したつけ
〜さわやか早苗日記389〜
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雨が降らない。県農政部では24日に農作物等干ばつ対策部を設置した。 昨日は、久しぶりに犬と散歩に出掛けて驚いた。天満沢が尻無し川、つまり、途中で水が地面にしみ込み、流れがなくなろうとしている。私がここに住んで13年、これまでも、雨が降らずカラカラに乾いた夏はあったが、天満沢が尻無し川になってしまうような事はなかった。 実は、雨が降らない事だけが原因ではない。川の水がしみ込み、尻無し川になってしまいそうな所は、この春、木を伐採し、あの大きな取水口を造った頭首工工事の現場だ。(写真)
ここにはもともと、農業用水の取水口と小さな堰があった。堰は蛇籠(鉄の網に石を入れたもの)を積んでつくられていて、取水口は長さ5mほどの石垣に付いていたが、昨年秋の台風による出水で壊れてしまった。 災害の補助金で造られたものは、この農業用水を使っている農家の人もビックリの大きな頭首工だった。昨年の災害時降雨量の2倍以上の雨量に耐えられるよう、お金を目一杯の2000万円かけて幅17.5mのコンクリートの頭首工と、それを支える25mのコンクリート護岸を造った。 台風で取水口が壊れた時、私は農家の人が困らないよう直してと、県松本地方事務所にお願いしたりしたが、災害復旧は原状回復が基本と聞いていた。まさか、こんな巨大なコンクリートの構造物が造られるとは夢にも思わず、まして2月県議会で留守にしている間に、美しかった散歩道の木が6、70mにも渡って切られ、沢が無惨に掘り返されてしまうとは‥‥、見つけた時にはショックで涙が出た。(3/20日記参照) 工事を発注したのは穂高町、土地改良区などには事前の説明があったらしいが、近隣住民には何の説明もなかった。自然への配慮について説明があっても良かったのではないかと苦情を言い、自然をどう復旧するつもりか住民に説明して欲しいと頼むと、町は意見交換会を開いた。 その前に田中知事も視察し、河川管理者である県としても、自然への配慮が足りなかったと話した。 意見交換会では町は、前もって住民に説明をしなかった事を詫びた。また、住民からは、一度壊れた自然が元に戻るには時間がかかるが、自然の復帰する力を信じて、見守ったらどうかという意見があり、住民と町と県で様子を見ようということになった。
さて、今回その頭首工現場で天満沢が尻無し川になりそうな原因は、工事で木を切り、巨大な頭首工の為に河道を広げ、土を掘り返した事による。この辺り一帯は大変水はけの良い土地のため、木が切られ、日に焼けた河道に水がしみ込むのは当たり前。3倍にも広がった河道には、工事後、水の流れが取水口の方に来るよう、石が並べられていたが、今回、しみ込むのを防ぐ為にビニールシートが敷かれている。 上流の自然のままの天満沢にはちゃんと水が流れているのに、頭首工を造った現場はこの有様だ。これまでと同じ規模の頭首工を、出来るだけ木を切らずに造っていれば、こんな事にはならなかった。 (殆どの)農家の人は悪くはない。出来上がった頭首工があまりに大きいのでビックリしていたのだから。誰かが欲張ったからこうなってしまった。 でも、農家の人は今後、苦労する。大雨が降れば水が来るように並べた石は動いてしまうので、いちいち並べ直さないといけない。また、暫く雨が降らなければ取水口の手前で尻無し川になってしまうので、ビニールで河道を覆わねばならない。 昔の人はちゃんと、そこの土地や自然に見合ったものを造っていたのだ。自然を甘く見、歴史を無視したため、『つけ』を負ってしまった。
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