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2005 年 9 月 10 日    
地域の宝を活かした観光地や温泉地づくり
〜さわやか早苗日記347〜
 先日、穂高町商工会の宿泊業活性化連絡協議会が主催した、観光産業活性化セミナーの講演を聴きにいった。日本温泉保養士協会の小野倫命氏が「健康に役立つ温泉地づくり」と題して、温泉地に今求められているものや温泉地ブランドづくりなどについて、次のような話をした。
 「急速な高齢化社会、ストレス社会、生活習慣病社会への対応策として、自らが積極的に健康づくりをし、いくつになっても社会参加しながら、心身ともに健康であることを目指す時代だ」「そこで、これからの温泉地づくりは、心身の癒しや健康づくりの要素を入れる事がキーポイント、ストレスで-10で来たお客に、0になって帰ってもらう癒しだけでは満足しない、+10になって帰ってもらうプログラムの開発が、これからの温泉地づくりには不可欠だ」「日本人が昔から培って来た文化の一つが『湯治』で、日本型『ウェルネス(心身の快適状態)』として、これに注目したい。温泉地ブランドづくりには、温泉地という地域全体の文化や資源を発掘し、現代型湯治ソフトを開発する必要がある」
 小野さんは、福島県いわき湯本温泉の、温泉プールのあるリゾート施設に勤めている。ここの温泉地一帯を温泉の効能を最大限活かせる新しいスタイルの『湯治場』にしようと、商工会や温泉旅館組合、リゾート施設が協同して温泉保養士の制度を創った。10ヶ月ほどかけて12回の講習を行い、人材を育成し、学科試験に合格すると認定が貰える資格制度だ。旅館のおかみさんを始めとする地域の人々が資格を取り、現代型湯治の担い手として温泉の効能や健康法をお客に伝え、ウェルネスになって帰ってもらう。全国から温泉保養士の資格を取りに通う人もいるとのこと。
 このような取り組みの結果、温泉地や観光地が低迷する中で、いわき湯本温泉は人気のある温泉地となっている。「地域の特性や宝物を活かし、発掘し活かすことに、温泉地全体で取り組む事が必要。その要になるのが、温泉や地域に自信が持てる人材を育てる事だ」と小野さんは締めくくった。
 穂高温泉郷の特性や宝は、自然や森の中に温泉施設や文化施設が点在している所にある。それらを活かした滞在型のプログラムづくりや、環境・景観保全に、地域全体で取り組む必要がある。また、それを誇りとしてお客様に伝えられる、人材育成の仕組みも必要だ。
 ふるさとの原風景と安曇野の伝説を見つめ直そうと、講演の後で企画されていたセラピロード(自然歩道)の散策は、台風による強風のために中止となった、残念。

 次の日、大町市(旧八坂村)にある唐花見湿原に行った。サイクリングが好きな知り合いから「湿原の木道が枝が張ったりして歩きにくく、穴があいたりしていて危険。看板には長野県と書いてある」と連絡を貰ったからだ。歩いてみると、なるほど連絡の通り、低木のウメイロモドキなどの枝が張って、くぐって通る状態の所や、日陰になってしまったため木道が痛み易くなっているのか、所々に穴があいていた(写真)。
 近くにブルーベリー園があったり、湿原に向かって緩やかなすり鉢状になった畑の景観が美しく、以前は年に2、3度は来ていたのだか、ここ数年ご無沙汰していた。当時は、木道はちゃんとしていた。
 ここは、長野県が昭和59年に湿原環境保全地域に指定、八坂村と協同して木道や休憩所、植物の名札等を付けて、散策路として整備した。自然の摂理で湿原自体は縮小しつつあるようだが、ヒツジグサなど尾瀬でおなじみの植物のある池塘も見られる。
 せっかく整備したのに、もったいない‥‥、これも地域の宝として大事にすべきと感じた。
オンリーワンの温泉地づくり・小野倫命


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