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2006 年 4 月 4 日    
地産地消を旗印に進む埼玉の学校給食と、米粉パン
〜さわやか早苗日記389〜
 埼玉県では、県産の米を用いた米粉パンの普及に努め、100%の学校で年に3〜4回米粉パンを食べていると聞き、あおぞらで調査に出掛けた。
 まず、埼玉県学校給食会におじゃました。
 埼玉県では農業生産額は全国19位だが、地産地消を推進していて、学校給食でも地域の食材を子ども達にと、埼玉県学校給食会と、県内のJA、国の農林事務所、県農林部が協力して取り組み、平成10年にはご飯を100%埼玉県産米に切り替えた。大変好評だったため、県産小麦の自粉うどん、県産小麦100%パンと、主食を県内農産物産に次々に切り替え、15年の4月からは米粉パンも給食に提供するようになった。
 埼玉県の小中学校の給食では、米が週2.7回、パンが1.8回、麺が0.5回であり、主食だけで年間110億円にのぼるなど、給食が地産地消に貢献している。県産大豆の納豆、豆腐、味噌、醤油、冷凍ほうれん草・小松菜、乾しいたけ、豚肉、フランクフルト、肉まん、餃子など、おかずも10%県内農産物を使用するようになり、開発中の7品目を加えると、今年の10月には、50品目もの県内農産物の給食食材がそろう。米を含め、埼玉県内で生産されている農産物の2割を学校給食で消費しているとのこと、子供の人口も長野に比べると多いとは言え、すごいなあと思った。

 米粉パンは、学校給食会が、パン工場と苦労して開発し、県産米50%、県産小麦50%を合わせて、さきたまライスボールというパンが出来た。後には、卵アレルギーの子供も食べられる、卵を使わないぱん(さきたまライストリオ)も開発した。
 米は小麦に比べるとでんぷんが硬化するのが早い。しかし、給食のパンは焼きたてではなく次の日に食べるため、米粉パンとして、次の日に食べても美味しいパンが、求められる。保護者向けの試食会や教員の研修会などで紹介し、普及に努めた。タンパク質は米粉のほうがはるかに良いそうだが、子供は正直だから美味しくなくては残す。米粉パンは、子ども達に、パサパサしていなくて美味しいと好評とのこと。
 価格は20%割高になるが、これは県産小麦や米粉を使用していることと、米粉パンは一度に大量に作るのではなく、こまめに作る必要があるため。パン工場も、全部県内にあり、協同組合でつくった大きな工場が1つ、あとは地元の小さな工場が5つある。残念ながら、春休み中でパン工場は視察できなかった。また、工場がお休みなので米粉パンは冷凍したものを、自然解凍して試食させてもらっが、しっとりしていて、美味しかった。種類は、小麦のパンも入れて、10種類以上あり(写真)、子ども達が楽しんで食べられるようになっていた。

 給食での地産地消を進めるために努めたことは、まず、縦割り行政をやめ、横の連絡をつくった。県産食材の開発にあたっては、パンや麺をつくる人たちの「めんどくさい」と思う意識を変えるよう、勉強会を開いたりした。なにより、子ども達が喜んでくれるのが、作り手の励みになった。
 「給食にさいたまの農産物がたくさんつかわれているよ!」というチラシを子供全員に配布したり、子ども達が地産地消の大切さについて学んだりし、食べっぱなしという訳ではない。長野県でも地域食材の日を2年前から設けているが、埼玉県では地道な取り組みが、着々と進んでいるという印象を受けた。その他にも、安定供給のためにJAとの連携、栄養士さんたちが価格とにらめっこしながら県産食材を取り入れる努力など、関係者の熱意の賜物だ。
 その要になっている埼玉県学校給食会のみなさんは、「これまでは財団法人であったが、給食に国の補助がなくなり、これからは民間が参入してくる。我々も一層の努力をし、食の安全・安心という点で最終責任を取れるようにしながら、食材が豊富で美味しい!と喜んでもらえる学校給食会を目指したい」とおっしゃっていた。民間との競争を視野に入れながらも、安全・安心という公的な役割を担うことが求められているからこそ、地産地消がキーワードになっているのだ。

 午後は、給食パン用米粉の全て、年60tを挽いている、草加市にある小澤製粉に伺った。ここは、父と息子で頑張っている操業150年もの老舗の米粉製粉工場だ。米粉パンの開発について更に詳しく話してくれた。
 山崎パンをリタイアして、協同組合でつくった岩槻工場で、パンの研究をしていた高橋さんという方が、米粉パンの開発に情熱を持って取り組んだ結果、小麦と老化スピードの速い米粉との割合、コストなど、色々な点でバランスのよい給食向けの米粉パンが出来た。出来上がった後も、大ラインでも均等にパンが出来上がるように研究するなどしてきた。残念ながらお亡くなりになったそうだが、高橋さんの存在があって米粉パンが確立した、埼玉方式の米粉パンは誇って良いものと話してくれた。
 パン用の米粉は、菓子用の米粉よりも細かく、挽くための機械は集めてくるが、ラインは社長が組み立てているとのこと。工場を見せてもらったら、粉が通る何本ものパイプと機械が組合わされているものだった。
 埼玉は地産地消を頑張っている。旗印にして徹底的に突き進んでいる。国は余った米を給食用になどと言ったりしたことがあるが、子供にこそ、フレッシュなものを食べさせるべきで、埼玉の取り組みは、保護者の立場からしても良いことだと、若社長が言っていた。
 長野県でも、縦割りの壁を越え、給食での地産地消をぜひ進めて欲しい。それには、熱意ある人材に、回りが足を引っ張らずに協力できることが必要だ。県議会のようではいけない。
埼玉県学校給食会


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