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2006 年 8 月 30 日    
あれもこれも必要で、出る杭は打つ、多勢に無勢の長野県
〜さわやか早苗日記406〜
 夕べ29日、毎年恒例の、安曇野市教育7団体と地元県議との懇談会があった。
 教育7団体というのは、安曇野だけでなく長野県内各地にあって、それぞれが同じような内容で、秋になると毎年、教育委員会に県議と一緒に陳情(要望)する。私は埼玉県で教員を12年間やっていたが、こういう構成の団体は聞いたことがなく、議員になってこのような団体の存在を知った時には、ビックリした。
 ビックリしたのは、教育委員会(1)や小・中校長会(2、3)、校長・教頭組合(4)という管理職側と、県教組(5)という管理職側にもの申す側が、一緒にくっついているという点だ。そしてその音頭をとっているのが、信濃教育会(6)という、それこそ長野県独自の団体!保護者としてPTA連合会(7)も駆り出され、これで7団体というわけだ。
 要望内容は、30人規模学級、県単費用による国基準を上回る教員の加配、障がい・不登校・外国籍児童生徒へのサポートなどで、これについては、常に「道路や無駄な公共事業を行うより、教育・福祉にお金を回すべき」と言って来ている私(あおぞら)としては、何ら異論はない。また、立場を超え一致団結して、教育に予算を回せ!と訴える為の野合なら、理解できる。
 だけれど、この懇談会に出席すると、なぜか、とっても不愉快になる・・・。

 そこで交わされた会話の数々。
「田中県政が、教員の給与カットしたことはけしからん!教育関係者を教育委員から締め出してきたのもけしからん!現場の事情や教員の大変さがわかってない」
「田中県政が、教育管理職に女性を登用するようになったため、あぶれた男性教員が気の毒な状況が生まれている。遅くまで生徒指導をしたりしてそれなりに努力して来た彼らが、うかばれない。女性を登用するのもいいが、男と同じように、学校に夜10時まで残って仕事をするような経験を積んでからにしてもらいたい」
「長野県は不登校が多い(平成17年度調査は小学校全国4位、中学校7位で、過去最悪に)。これは、学校に行かなくて良いと言う風潮のため。ある市会議員が不登校について質問したが、学校現場も知らずに質問するのはけしからん、1週間でも学校現場で不登校児童に向き合うべきだ」
「田中知事が借金を返したと言っているが、我々の給料を削って行ってきたものだ。小学校の加配を削り、中1ギャップ(中1の不登校が激増している)対応の加配に回すのは、インチキだ」
「田中知事に親が直接メールを送り、それがすぐに現場にくるため、現場は恐々としている状況だ。全くけしからん!」
「親も子どももダメなのに、日本ではある程度の学力水準が維持されているのは、誰のお陰だ。我々の努力と言って欲しい」
「我々教員の日々の努力や良い点は少しも評価されずに、何かちょっとでもあると、先生が悪い、学校が悪いと非難される」
「こんな状況は、もう我慢できない。そこで今回の知事選は・・・」

 以上は、安曇野の教育界に君臨する方々の会話だ。これに、「道路も砂防も借金も必要だ」という望月雄内、宮澤宗弘の反田中県議たちが、例年以上のルンルン状態で賛同する。
 とは言え、事務局をやっている若い先生や女性、PTAの方はなど聞き役というより、何も言えない状況。
 私も、こんな席でいちいち反論するのもばかばかしく、時々ちょっと空に向けて矢を放つ程度。「県議会は議員の給与カットだけは反対したんですよね」「教育委員が教育関係者だけになるのもいけないというのが、世の中の声ですよね」「家事や育児をやってる女性の教員は、10時までは残れませんが、そこをどう考えるのですか」「借金のために赤字再建団体になったら、(田中県政が行って来た)県独自の30人規模学級とか、サポート事業は出来なくなりますが」「質問された市会議員さんは、お子さんが不登校になった経験もあり、親や子どもの立場から質問されたのでは」「私が埼玉で教員試験を受けた時に、既に集団面接があり、私のグループで、親の苦情は如何なものかと言った講師経験者は落ち、親の立場になって考えることも必要ではと言った私が、埼玉では採用された」「良い点は少しも評価されずに、何かちょっとでもあると悪いと言われて来たのは、田中知事も同じ。自分がされていることは、自分がして来たことなのでは」と、言うが、ここでも多勢に無勢だ・・・。
 教育の世界も政治の世界も同じ、少数は大事にされず(されるとしたら、お情けで)、出る杭は打たれる。

 ふと、ある日の出来事を思い出した。乗鞍の吹雪で凍り付いた国道の通学路を何とかして欲しいというお母さんの声を聞いたので、私は県教委に伝えた。県教委が当時の安曇村教育員会、学校、PTAなどに声を掛け、子どもが歩いている、除雪した雪が壁となっている国道を、大人が皆で歩いてみることになった。私も参加しようと学校につくと、職員室にいた先生からは無視され、校長先生からは「県教委に言いつけた」と怒られた。手順を踏めということか?でも、私は一応県議なのだ、県教委に伝えてなぜいけないのか・・・。
 こんなに窮屈な教育現場なら、子どもも不登校になりたくなると、思わず言いそうになる。

 村井新知事の、新体制が話題になっている。副知事を2人制とし、総務省出身の板倉敏和氏(56歳・東京都)と、前大町市長の腰原愛正氏(59歳・大町市)を起用する方針を固めたそうだ。
 腰原氏は松本糸魚川連絡道路(安曇野山麓田園地帯を貫く15kmを真っ先につくるという、無駄な道路の見本)を、先頭に立って推進して来た人物である。そして、今回の知事選では村井陣営の選対本部長を務めた。
 人の話を良く聞くと公言している村井氏が、よもや自分の選対本部長を副知事にするとは・・・、色んな人の立場や意見を尊重することを期待されて、当選したのではないか? 無駄と言われやめた道路も、また復活させたい人を副知事にして、どうやって教育・福祉にお金を回すのだ?知事も副知事も中信地区出身で、南信の人たちなどは、それで良いのか?
 私が、望月県議に「村井さんも大変ですね、道路も教育も、あれもこれもやれと言われて」と(嫌みを)言ったら、望月さんは「そうさあ、田中康夫が壊して来たものを元に戻すためには、村井さんは、一睡もしちゃいけない!」だって。

 埼玉から来た客人に、夕べの話をすると、「長野県民て、ホント幼稚!」と言われた。極め付けは、「田中康夫さんが落選したお陰で、急に私たち他県の人にとって、田中さんが近しい人になったという感じがするわ〜」と、ワクワクしている。
 私もほんのちょっと長野県民のDNAが混じっているが、よってたかって出る杭を打ちたくなる県民性は、理解不能だ。
 こんな長野県を変えるには、まずは、30代に発言させて欲しい。選挙で30代は田中氏に入れた人が多かったが、一番現実が身にしみている世代だからだ。それには、50代、60代、70代の(特に男性)は口にバンソウコを貼ってもらいたい。80代になって色んな欲もなくなり、広い視野から物事を見られるようになったら発言して欲しいと思うが、いかんせん、多勢に無勢、かなわない。


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