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2006 年 9 月 19 日    
前向きな議論はなし、喫緊の課題は先送り、高校統合は政争の具に
〜さわやか早苗日記412〜
 臨時県議会最終日の15日、高校再編議案の採決が行われた。私は、20年度実施の岡谷東と岡谷南高校の統合議案に反対の討論を行った。その理由は、今回議題に挙がった全ての対象校の統合を、19年度に行うべきと考えたからだ。
 県教委は、知事選前には19年度一斉実施をずっと言って来たのに、県教委の考えに賛成の立場だった田中知事が落選し、村井氏が知事に当選し、9月に村井政権が発足するやいなや、「岡谷東・岡谷南」と、「長野南・松代」の統合高校のみ、準備が遅れ気味のことを理由に、1年延期の20年度に統合を先送りし、提案することにしてしまった。
 夏休みには、両統合校とも県教委の意向に沿い、19年度入学の中学3年生や保護者に説明会も行って来たにもかかわらずだ。説明会に参加した生徒たちの中には、新統合校に期待する声が多かったというのに。
 県教委が「長野南・松代」「岡谷東・岡谷南」を20年度に先送りし、それぞれ統合校ごとに提案することにしたとたん、各地から、統合の白紙撤回を求める請願・陳情が県議会に、一斉に押し寄せた。
 「長野南・松代」「岡谷東・岡谷南」とも、賛成少数で統合は否決。同じく、「大町・大町北」など、19年度統合として出された内、4つの統合案も否決された。結果として19年度統合で可決されたのは、地元の県議が賛成した、「飯山照丘・飯山南」「中野・中野実業」「木曽・木曽山林」の3件のみとなった。
 一斉実施するという案でなければ、こうなるのは目に見えていたことだ。県知事選結果や、県議たちの圧力に負け、教育の独自性を守れず、毅然とした姿勢を貫き通せなかった県教委は、自分に負けた。

 私は討論の中で、なぜ統合が必要なのかという原点に立ち戻って、主張した。それは、少子社会の中にあっても、信州長野県の子どもたちが、実りある高校教育を受けるためで、これまで、県教委が高校統合の基本としていた3点を、私はたいへん評価していた。
 一つは、へき地高校は残す。二つ目は、町中の高校や地域高校を統合し一定規模にする。三つ目は、一斉に行うということだ。乗鞍などへき地の高校生の実情、自分が影響受けた高校時代の先生の話、統合しない場合の財政的コストと教育へのニーズなどについて、私が討論している間の、統合反対県議らのヤジ、怒号はひどかった。

 そんな中で、ヤジがぴたっとやんだときが2度あった。
 私が、「へき地高校は信州長野県にとって、生徒の数が減っても、守らなければいけないものと考えます。これからもです」と言ったときだ。
 議席から「ほう」という声が聞こえた。「ほう」ってなあに?と私は思った。この人たちは、白馬や阿南などのへき地高校を、なぜ県教委が残そうとしているのか、考えたことがあったのだろうか?経済効率だけを考えたら、募集定員が80〜120人のへき地高校から、まずなくすはずだ。しかし、そこを守る必要があるのは、単に高校がなくなることだけでなく、子どもがいなくなることは、山間地域の存続に関係するからだ。そして、へき地高校を残すなら、統合はそれ以外の、町中の高校や地域高校が対象になる、当然のことだ。
 県議たちは、このような観点から、高校統合について考えたことがなかったのではないか?と、私は「ほう」という言葉を聞いて、感じた。

 もう一つヤジがやんだのは、20年に先送りする必要はないという説明の中で、私が、「1年生は基礎を学ぶ期間です。大変ではあっても、加配の先生を増やし、その先生たちが中心になって、こどもや親も一緒に参加して、1年間で新たな学校のスタイルを築きあげることだって、可能なはずです」と言ったときだ。
 もし、私が高校生だったら、自分が2年生からどんなふうに学ぶかを、決めることに参加できるなんて、楽しいことだし、すごいことだ。教師だったら、新たなものを創ることに関われるなんて、大変ではあっても、とてもやりがいのあることだ。そういう機会に立ち会える高校生や教師は、そうはいない。そういう想像力が、県議たちの頭をかけ巡ることはないのだろうか?
 私の討論は、一番下をクリックして、お読み下さい。

 次の日の新聞に、「大町・大町北』の統合高校に期待して説明会に参加した中学生の談話が載っていた。規模が小さめな地元大町の高校どおしが統合すれば、松本の高校と同じように、「生徒が増えて、部活や行事も盛り上がる」と。今回の統合否決の結果を受け、松本の高校に通うことも視野に入れて考えざるをえないと言っていた。統合し大きな高校になることによって、松本の高校に比べて、魅力的な高校になる可能性だってあったのだ。そうなれば大町以外からだって、今より大勢の高校生が通ってくるようになる。
 それを、高校がなくなるのは嫌という在校生や同窓会の意向を汲んだ県議たちによって、前向きな議論が行われず、新たな学校に期待する意見は否定されてしまったのだ。
 岡谷市民からは、統合反対の署名が区を通じて集められ、どうでも署名するようにという雰囲気の中で署名してしまったというメールが、届いた。
 私には、結局、高校統合が、二つの意味で政争の具にされてしまったという気がしてならない。とっても残念なことだ。
 一つは、知事選。村井知事は「高校統合は白紙に戻す」と選挙中に公衆の面前で明言した。新聞にも『公約』と書かれたのに、県議会で質問されると「個人の思いとしていっただけ」と言って退けた。これは、彼が票欲しさに、高校統合を政争の具にしたということに他ならない。もう一つは、県議選。地元の高校を守ること=票。

 さて、1990年のピーク時から2007年の来年度には生徒数が60%あまりと減少する。本来は吉村県政時に高校再編は行われるべきだった。田中県政では喫緊の課題として、借金を減らすことと同じくらい重要なことだったのだ。
 村井知事は、選挙中に、借金は地域の宝と言い、長野県はなくなっても良いと言っている。村井県政の間に確実に道州制は進むだろう。借金がまた増えた長野県は、分割されるにしろ、されないにしろ、道州制になった時には、高校が多すぎるとして否が応でも統合される。議論などする間もないだろう。来年の県議選後に起きるこの事態に、県議たちはどう反応するのだ。共産党は残せと反対するかもしれない、しかし、村井与党はどうする?自分たちの報酬は1/10にしても良いから、地元の高校を残せと言うのだろうか?
 私は、やっぱり、前向きな議論をし、多感な高校時代に、一人でも多くの素敵な大人、先生に出会う可能性のある高校、大勢の専門的な知識ある先生がいる一定規模の高校を創って欲しかった。また、「ちゃんと高校統合はやったんだ、そうやって、へき地高校は守って来たんだ!これからも、無くすわけにはいかない」と胸を張って、毅然と言える長野県になって欲しかった。
高校統合に関する、私の討論


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