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2006 年 10 月 27 日    
吉村体質を引き継いだ県政へ後戻り?県幹部職員の人事異動
〜さわやか早苗日記417〜
 村井知事は25日、11月1日付の県幹部人事を内示した。総務部長、企画局長、衛生部長、農政部長、社会部長などを始め、部課長級職員が異動になった。
 報道によると、村井県政発足後、初の本格的な人事異動、「村井カラー」を前面に出したもので、名称変更に伴うものを除く実質的な異動者数は、部長級24人、課長級73人など計335人とのことだ。
 ところで、村井カラーって何?ということだが、要は、あからさまな「田中色の排除」と「見せしめ人事」だ。

 経営戦略局廃止に伴い、経戦のチーム(秘書、政策促進、治水利水対策推進、公共事業改革、人材活用、財政改革、行政システム改革、信州広報ブランド室)の仕事が、他部局に移された。
 この中で、特に狙い撃ちされたのが政策促進チームだ。県政の継続という観点からすれば、引き継ぐ部所の課に移すのが当然だ。ところが、現地機関を含めて全員が、完全にバラバラに配置替えとなっている。
 しかも、念には念を入れてということか、昨年度政策促進チームにいたメンバーの中で、今は他部局にいる何人かが、あらためて現地機関へ異動になった。今年4月に異動となり、新しい部署で仕事に燃えている彼らを、たった半年で放逐する人事は、「見せしめ人事」に他ならない。
 一方で、チームによっては全く異動なし。「経営戦略局解体」とは結局、田中県政下で県政改革のために働いて来た「政策促進チーム」の放逐であり、田中県政のもとで行われて来た施策や会見録、議事録など掲載されたホームページ抹消と同様に、「田中県政の痕跡を消す」ということだ。
 チームをやめて課にするため、所属名が変わるということで、内示一覧には全職員が登場し、あたかも本格的な異動のように表面上は見えるが、その裏では、あからさまな「田中色の排除」と、「見せしめ人事」が行われたということ。

 実は、このような人事は村井知事の意志だけではなく、そこには、県議会意思が働いている。
 人事異動が多すぎて、職員が落ち着いて仕事ができないと、さんざん議会から批判され続けた田中前知事だった。しかし、知事に就任したその日に人事異動など行えない。田中県政では2000年秋の発足直後に、今回のような人事異動は勿論なかった。2001年1月に政策秘書室をつくったのが、初めて。その春の人事も、一気に田中色に染めるようなものではなく、一部を動かしたにすぎない。

 それを、村井知事は、就任したその日の9月1日に、経営戦略局で人事を動かす中枢メンバー3人を一新した。来たばかりの新知事に行い得るはずもない。議会に憶えのいい3名を指名したのは「議会」に他ならず、あとはその議会意志を汲み、職員が「先回り」して様々な「後戻り」を進めてきたわけだ。

 議会が人事を動かすというのは、かつての吉村・池田体制の下では当たり前のことだったと言われる。
 県職員に対する人事権は知事にあり、議会にはない。三権分立の基本だ。にもかかわらず、現地機関においては管内の県議に受けのいい職員ほど、次は本庁に異動できるというのがかつての常識だった。旧県政会の重鎮の選挙区を抱えるある事務所など、そこの所長になることが本庁幹部の登竜門となっていたし、県議選直前の入札において県議の意に染まない会社を「指名から外さなかった」職員が「更迭」された話などは、語り草になっているらしい。
 8月に、私が土木委員会で現地機関に調査に行った所、ある建設事務所長が、参加希望型競争入札制度について、5期目の県議から感想を聞かれ、「インターネットもやっていない業者があるので、郵送で送るため、職員の手間ばっかかかってしょうがない」と言うなど、予め打ち合わせでもしていたのか?と思われるようなやりとりをしていた。今から考えてみれば、このようなことが、田中県政以前は当たり前のことであり、昔に戻ったということだ。
 職員は、昔のように「県議の顔ばかり見る」職員に戻ってしまうということであり、「自由闊達な組織」など夢のまた夢であることは言うまでもない。中枢の「悲喜こもごも」に縁の無い、現地機関勤務が多い大多数の職員にとっては、議会が闇で動かしていた中枢の人事が、6年間は知事の手に移ったものの、また議会に戻ってきた・・・ただそれだけのことという受け止めのようだ。
 まして、県の外部にいる県民は全くの蚊帳の外であり、少なくとも、県民の声が直接届く県政は、なくなったということ。有力な首長や県議を通してしか、声は届かない。
 6年間をかけて、人事権を知事の手に取り戻したのが、田中前知事だった。それが気に入らなくて、昔の、議会意志の人事体制に戻すために、躍起になって田中排除目的の知事選を行ったのが、県議会だったわけだ。

 このような、人事の目指す所は、他にもある。
 6年前の人事評価の大復活と、能力主義よりも経歴主義・年功序列重視の人事である。
 また、退職間際の者で、課長級から部長級への『駆け込み昇任』もある。これらは当然、退職金にも跳ね返って来る訳で、税金を払う県民に取っては、看過せない問題だ。
 “経験者・ベテランを揃えた”という聞こえの良い表現をしている報道もあるが、その実態は、旧い体質の吉村県政を支えて来た人たちの復活である。田中前知事の県政改革の中で、県民のサーバントとして、県民との水平協同・水平補完で仕事をすることにはついていけかった、復活・県幹部職員で運営される村井県政は、まさに旧い吉村体質を引き継いだ県政といえる。

 すでに、市町村長たちでさえ、県議会議員の取り次ぎがないと、知事に会えないようになりつつあるという。かつて、県民は、課長に会うときでさえ、県議の取り次ぎが必要であったという、そういう時代に戻るということなのだろう。
 これは、言うまでもない、一人一人の県民のための県政ではなく、有力な県議や市町村長、団体、業界のための県政に戻すための人事体制になったということ。
 9月県議会の知事や部長の答弁は、「市町村長、団体、業界の意見を聞いて進めてまいりたい」という答えばかりで、そこには県民という言葉は殆ど無かったことも、これを象徴している。


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