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2006 年 11 月 21 日    
浅川、あおぞらから村井知事に要望と、住民意見の知事公聴会感想
〜さわやか早苗日記420〜
 あおぞらでは、16日、村井知事に『長野県平成19年度の施策、及び予算編成に対する提言・要望』を行った。(写真)前日にできれば要望内容を見せて欲しいというので、秘書宛にファックスで送った。すると、3階知事室にはゾロゾロと大勢の県職員がいて(下段写真)、要望に行った私と林奉文県議は、田中前県政時との違いに驚いた。
 時間は15分、「村井知事は、陳情を受けないとのことですが、あおぞらの要望は、地域的なものではなく県全体に関するものなので、よろしく」と前置きした上で、大事な点だけ知事に資料を見せながら説明した。
 村井知事は「お聞き置きしておきます。15分は短いのですが、次ぎも控えてますので、すみません」と言っていた。確かに、『話は聞きますという姿勢』だけは、田中前知事より上手く、好感は持てる。
 だが、結果は?厳しい県予算を、(例え、おらが利益優先の支持者たちから恨まれても)一番困っている人たちに目を向けたり、真に必要な事業に傾注配分することが出来るのか?出来たら、本物の超田中だ。年も69歳、この世の欲得とはおさらばしても良さそうなお年頃なのだが、、、

 要望内容は、これまであおぞらが重点的に取り組んで来た事柄や喫緊の課題を、重点項目として、詳しく記した(下段クリック)。
 その筆頭は、浅川の治水対策の問題だ。
『できうる限りダムによらない治水・利水対策を進める』とし、 「浅川ダム、又は、河道内遊水池(実質はダム)が計画された場所は、地質的に最も不適な所、ダムをつくることは、すぐ下流域に広がる長野市街地に住む住民を危険にさらす可能性があり、将来に禍根を残すようなことは、避けるべき」「 高水協議会の8月の中間報告では、基本高水の再検証の必要性が、さまざまなデータを基に述べられている。砥川方式のように当面20年間の安全度を確保するための河川整備計画でもって国に認可を求め、その間に基本高水の再検証を行うことが、最も堅実な道ではないか」 と提言した。また、浅川ダム予定地の現地調査も要望した。

 さて、浅川の治水対策に関し、村井知事は18日と19日午後に、浅川下流の豊野老人福祉センターと浅川上流域の浅川公民館で、住民を対象とした意見聴取会を開催した。
 私は19日の方に参加した。どんなダム賛成意見があるのかに興味があった。

*報道によると、下流のダム賛成意見には、
「93年に県などと浅川ダム建設の代わりに北陸新幹線長野以北の用地買収に応じる「確認書」を締結した経緯があるにもかかわらず、県に何度もだまされた。もうだまされない。確認書に沿って、河川整備計画の全体像を示し、国の認可が得られる担保がなければ用地買収には応じない」
「水害は千曲川の内水が原因だが、上、中、下流でそれぞれ水を負担し傷みを分け合い、上流にはダムを造ってほしい。30万トン程度の治水目的のダム(河道内遊水池)なら、良いではないか」
「ダム代替案がないなら計画を元に戻すべき」
「優良農地をつぶさず、買収済みの土地で水をためてほしい」

*私が参加した上流のダム賛成意見には、
「ダム計画のために、地元は膨大な用地を提供し予定地から移転した。放置することなく活用してほしい」
「これまでに全国のダムで壊れたダムはない。日本の技術は優れている。ダムを造っても大丈夫だ」
「基本高水は、高ければ高いほど安全だ」

*これに対して、ダム反対の意見は、
「ダムでは(千曲川の水位上昇により浅川から水が流れ込めずにあふれる)内水氾濫は防げない」
「ダムを造っても、浅川上流の水は流域全体の2割程度にしか過ぎず、ダムでは下流の水害は防げない。中流域以下の長野市街地での雨水対策、千曲川の流域対策などを行わない限り、下流の内水被害は防げない」
「ダムの予定地周辺は活断層があり危険。地滑り地にダムを造って地滑りを起こし、決壊したらどうするのか」
「ダム本体が安全だとしても、ダム湖内で地滑りがあれば水があふれて災害が起きる」
「浅川ダムが建設されれば、日本で初めての、地滑り地帯に造られるダムになる」
「基本高水450t/秒は過大だ」

 そのほか、報道では、下流のダム賛成と上流のダム反対の構図が浮き彫りになったとある。下流の住民は「痛み分け」と言うが、上流の水は下流に流すな的感情論と、新幹線用地問題を盾にしての脅かし論では、目先の利益しか言っていない、大人げない人たちと思えてくる。内水対策をきちんとやってもらうには、浅川上流や中流、飯山盆地も巻き込んで、国に訴える県民的運動にする必要があるのに。
 また、上流の住民は、地質的に悪い地域なのだから常時水のたまるダムではなく、ミニダム(洪水時にだけ水のたまる河道内遊水池)なら良いだろう、そのくらいの痛み分けをしなさいよ、という意見に対しての論破が不十分に思えた。

 これを解決するには、共産党県議団が呼びかけ、脱ダム派の県議会会派が行った18日の「浅川治水に関する議会報告会」で、石坂千穂県議が「内水だ、外水だという議論に終始せず、安全性や費用対効果で住民の納得と合意を得る治水対策を策定すべきだ」と言ったが、それに限る。
 私も、基本高水450t/秒の根拠となる数値のいい加減さを報告し、砥川方式のように、1/100の治水安全度ではなく、ダムなしで当面20年間1/50の安全度を確保するための河川整備計画でもって国に認可を求め、出来ることをまずやり、その間に基本高水の再検証を行うこと」と主張したが、これしかないと思う。

 田中県政時も、県はなんとか当面20年間1/50の安全度で、認可を求めたいと国に説明して来た。なぜか、砥川や上川ではこれで河川改修案を認めたのに、浅川は1/100を確保する案がないとダメと、国は意地悪を言ってくる。
 田中前知事が、明日にも建設に着手しようとしていた浅川ダムを止めるには『脱ダム』宣言が必要だったが、宣言の「ダムを造らない」ことばかりがクローズアップされ、「出来うる限り」の部分がどこかへ行ってしまった。
 いっそのこと、村井知事は、浅川に関して「ダムあり」も「ダムなし」も20年間凍結宣言したらどうだろう。その間に、内水対策、市街地の雨水貯留(奈良盆地の涙ぐましい努力を見習うべき!)、千曲川の治水、基本高水再検証など出来うる限りのことをやり、それから、ダムが必要かを判断すれば良い。
 村井知事には、これしか解決の方法はないと、下流域住民をなだめてほしい。ダム派から支持を得た知事だからこそ、出来るはずだ。

 下流域住民のガス抜きにミニダム(河道内遊水池)をつくるなんて結論は、やめてもらいたい。最近、国交省は世論の風当たりが強いダムではなく、河道内遊水池で住民をごまかそうとしているらしいが、河道内遊水池は環境面でも効果面でも大変疑問のある構造物だ。
 26日のあおぞらなどが主催して行うシンポジウム(上記お知らせ欄参照)の基調講演者、今本博健・京都大学名誉教授は、河道内遊水池への疑問を語っている。
 ぜひ、単に長野市浅川の問題で終るらせるのではなく、県民の皆さんで、治水を巡る全国の動向を視野に入れた、今本氏の話を聞き、考え、次ぎの行動に結びつけていただきたい。多くの皆さんのご参加をお待ちしています。
19年度施策、予算案への要望・提言書


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