2006 年
11 月
30 日
浅川、専門家であり真の住民参加に携わってきた今本教授の意見
〜さわやか早苗日記421〜
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26日に長野市の県教育会館で、あおぞらや住民グループが主催して、『シンポジウム 流域の住民参加はどこへ?〜全国から、長野から、そして三たび浅川を考えよう〜』を開催し、全県から120人ほどの県民が参加し、4時間半もの間、熱心に学びあったり、議論しあったりした。
シンポジウムは、 『長野県では、村井県政によって、浅川ダム案が復活か?! 県外では、国交省の圧力で、淀川水系流域委員会が活動停止か?! 新河川法の理念、「河川政策への住民参加」が危機に直面!! 私たち県民が6年間重ねてきた住民議論の意義は?? 不毛な対立を乗り越え、過去に縛られず前向きな議論を深めよう。』 ということで、 <第1部 川と住民のかかわりを考える> 基調講演:住民参加型流域委員会の設置から休止までーー淀川水系流域委員会からの報告ーー淀川水系流域委員会委員長 今本博健氏(京都大学名誉教授) 隣人からの報告:烏川の清流を残してみんなが知った豊かさーー群馬県の自然を守るネットワーク 大塚一吉氏 河川政策の住民参加にかかわった県民などからの報告 ・報告 治水と利水をめぐる長野県の6年間のあゆみーー長野県土木部 ・報告 流域住民で合意した砥川の川づくりーー砥川流域協議会座長 宮坂正彦氏 ・報告 高水協議会が中間報告したことーー高水協議会座長 塩原 俊氏 <第2部 浅川に今こそ知恵を集めよう> 浅川ダム、なぜほしい? なぜ造ってはいけない?ーー浅川・千曲川等治水対策会議副会長 内山卓郎氏 討論 浅川問題を説く鍵をさがそう(登壇者+会場の皆様による) という内容で展開された。
淀川水系流域委員会は国土交通省近畿地方整備局の諮問機関として01年に発足。民間主導で運営し、行政方針を追認しない「淀川モデル」として公共事業審議組織の先駆けとして注目された。『ダムは、自然環境に及ぼす影響が大きく、原則として建設しない、ダム以外に実行可能で有効な方法がないということが、客観的に認められ、かつ住民の社会的合議が得られた場合にのみ建設するもの』とし、03年には計画していた五つのダムの原則中止を提言した。 しかし、このようダムに対して厳しい姿勢をとったことや、委員の一人であった嘉田由紀子氏が滋賀県知事選で自民党の現職知事を破って当選したことなどから、国交省は委員会潰しを始めた。 シンポジウム基調講演の中で、講師の今本博健・京都大名誉教授は(写真上)、「長良川河口堰は多くの批判を受けながら建設を強行した。だが、それがきっかけとなって河川法が改正された。今、河川法の趣旨を無視するかのように、真の住民参加型の淀川水系流域委員会を休止しようとしているが、住民参加を拒否しようとしたことが、河川管理者の思惑とは逆に、住民参加をより促すことにつながるであろう」と結んだ。
シンポジウム2部の浅川問題・討論会のために、私はダム賛成派にも出席を求めた。「上中下流で痛み分けをするべきで、高さ30mほどのミニダム(河道内遊水池)建設を認めるべき」と言っている下流のりんご農家の方に、出席を電話で依頼したが、かき入れ時との理由で断られた。他のダム賛成派の参加をお願いしてみたが、ダメだった。また、ダム推進派の長野市選出県議3人にも、電話や会った時に出席依頼したが、すでに予定があると断られた。長野市長にも出席依頼状を持って市役所を訪れたが、タウンミーティングの予定があると断られた。更に、シンポジウムのコーディネターである保屋野初子さんから、ダム賛成派の元信大教授に出席依頼したが、断られた。元信大教授は、出られない理由を自分のホームページに公開するとのことだった。 討論会では、ダム建設に反対している内山卓郎さんは「ダム推進派、特に鷲沢市長は『なぜダムが必要なのか』を我々住民へ説明すべきだ」と言い、「旧ダム予定地周辺の地質はもろく地滑りの危険性がある」ことなどを訴え、「ダムなしからダムありまで」を選択肢としている村井知事の姿勢を批判した。 会場から「県は、ダムを造っても、千曲川の水位上昇により浅川から水が流れ込めずにあふれる内水氾濫はなくならないと下流域の住民にきちんと説明すべきだ」という意見があった。
ダム推進派は27日、浅川治水の早期実現を求める「浅川総合治水対策連絡協議会」開き、「脱ダムでは何ひとつ結論を出せなかった」と批判。「ダム建設を約束した確認書の早期履行」を求めた。 会合終了後、鷲沢正一・長野市長は「『素人』がこの問題に口出す必要はない。基本高水が過大、ダム建設地は危険というこの二つを除けば、脱ダム派の話をお聞きします」と、語ったそうだ。
26日のシンポジウムで、『治水対策への住民参加について』講演した今本博健・京大名誉教授は、河川工学が専門であり、国などの河川管理者に多くの教え子がいる。なんと、田中前知事が2000年に初当選した際、長野県土木部長であった光家氏も、今本教授の教え子とのこと。 このような今本教授が、真の住民参加にかかわることで「ダムは自然破壊、出来うる限り建設しない、最後の最後の選択肢である」と言っていることに注目したい。私たちが目指す方向があるのではないか。 その今本教授が、シンポジウム討論会の中で、浅川問題について、「基本高水は計算過程で、数百年とか1000年に一度の雨というべらぼうな話になってくる。こういう批判や疑問に応えようとしないのが河川行政だ」と批判。午前中に浅川ダム予定地から千曲川合流点までを視察した(写真下)ことを踏まえ、「小さい川なのになぜダムが必要なのか。ダム推進派には『ダムができたら水害は防げる』という科学的根拠を示してほしい」「浅川下流域の内水氾濫は、ダム建設とはほとんど関係ない」と、話した。また、「一定の洪水に対する水害の防止を目指すより、水害発生時の被害軽減に重点を置く必要がある」と、指摘もした。 また、お帰りになってから寄せてくださった今本氏の感想のメールには、「これまでの治水は、基本高水を河道とダムに配分することだけに腐心してきました。結果として、治水の安全度は向上しましたが、河川環境が破壊され、川が死にそうになりました。ダムは、数十年か数百年に1度役立つだけで、たとえ建設されても水害がなくなるわけではありません。」と書かれている。 これまで長年、河川工学にたずさわって来られ、しかも真の住民参加に携わって来た『専門家』の、貴重な意見である。住民、県民の安全を守る立場である村井知事、及び、鷲沢長野市長にはこの意見を真摯に受け止めていただきたい。 狭い了見や意地、しがらみにとらわれるのではなく、広い視野と大きな流れの中から、問題を解決していくのが、真のリーダーに求められることであり、それは主義主張を超えるものである。
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