2006 年
12 月
17 日
浅川治水、リーダー失格の村井県政が目指す古くさい公共事業手法
〜さわやか早苗日記424〜
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私の一般質問は、初日12日のトップだった。いつもと同じ位置に立ち「おはようございます、あおぞらの北山早苗です」と言った瞬間、これまでとマイクの音量が違うことに気がつき、「あっ、村井知事モードになっている!」と思った。 村井知事の答弁は聞き取りにくいと言う声を良く耳にする。議会事務局側の配慮かはわからないが、音が大きい。私の声では音がわれそうなので、ちょっと後ろに下がった。
まず、私は村井知事が私設秘書3人を1月ごとに次々登用した件で、質した。 8月、副知事に選対本部長の腰原氏を、9月には私設秘書3人の登用をという話が持ち上がった時に、県民は勿論、知事与党からも不満の声が上がり、『身内人事』と批判された。 すると、村井知事はまず腰原氏の人事案件を県議会で通し、その後1月ごとに秘書を次々登用するというやり方で、なす崩し的に採用してしまった。 あおぞらでは、田中前知事も特別秘書を1名おいた経過があり、1人目の秘書は認めた。しかし、2、3人目は認めるわけにはいかないと、事前に申し入れを行ったが、馬の耳に念仏。 村井知事は私の質問に、「前知事も任期付職員を登用しており、今後も登用する」と答えた。しかし、田中前知事の場合は、任期付職員の殆どを公募、面接した上で採用した。村井知事のように、自分のかつて部下だった人の登用とはわけが違う。村井知事の場合は、まさに『身内人事』そのものだ。 かつて田中前知事が提案した人事案を、県議会が「田中知事は自分の知り合いや、選挙で応援してくれた人を登用しようとしている」と反対したが、村井知事の、選対本部長の副知事登用は、その時とはレベルが違う、『論功行賞人事』そのもの。 副知事や2、3人目の私設秘書の登用は、明らかに、村井知事の『やり過ぎ』、度を超している。
村井知事の世論を無視した、このような『度を超したやり方』は、人事だけにとどまらず、これからの県政運営に、見え隠れしている。 その一つが、浅川治水問題。村井知事の決着のさせ方は、住民合意とはかけ離れた、危ない方向に向かっている。 私が「論議が尽くされていない、根づきかけた住民参加を後退させてはいけない」という信毎社説を紹介し、「これまで6年間の住民参加の試みをどう評価するか」と質したのに対して、村井知事は「住民参加の会議では、結果として責任ある治水計画案を出せないでいるため、国の認可が得られる最終案を出す」と答えた。 別の議員の質問に対しても、「田中前県政においては、国の認可が下りないような案を住民に示したために、混乱を招いた。今後は国と協議し認可が得られる形にして、住民に示し理解をいただくことにする」と、答弁している。 また、私の「住民が危険性を指摘する、ダムと地滑り、断層との関係についの感想は」という問いに対しては、相変わらず、「それはあくまで一つの見解である」と繰り返すのみ。
つまり、村井知事のやり方は、意見は一通り聞く、しかしその後は、疑問の声には応えず、知事(県)が提示したやり方を、県民に一方的に押しつける、一昔どころか、二昔以上も前の公共事業のやり方そのものである。 これは、「流域の住民参加の治水」をうたった新河川法の趣旨に反する。 現在の公共事業の主流は、例えば、道路建設にあたっても、国交省はパブリックインボルブメントという手法で、計画段階から住民意見を取り入れた道づくりを目指すものとなっている。住民参加で住民とともに知恵を出し、限られた予算の中で最大限の効果をもたらす事業を行うのは当然だ。 これに対して、村井知事が行おうとしている住民参加を無視の手法は、『議員や利益団体で構成した**期成同盟会を開催して意見を聞き、地域の要望として国に上げ、国の示したメニューに沿って事業決定した上で、形ばかりの住民説明会を開き、強引に進める』、古くさい公共事業のやり方そのものだ。 このような手法のために、殆どの地域住民が何も知らないうちに、大して効果もない或は無駄な建造物が造られ、おまけに膨大な借金という、いわば『負の遺産』が残り、福祉・教育・医療・環境面での私たちの暮らしが脅かされる事態になった。 官僚と国会議員という人生しか送って来なかった村井知事に県民が委ねた県政は、このような事態を加速させるだけ、後戻りへまっしぐらの、危ないものと思えてならない。
鷲沢・長野市長は「ダムに水を溜めることによる危険性を指摘する声があるなら、穴あきダム(河道内遊水池)は、常時水が貯まる構造物ではない」「危険という声があるなら、中間をとる。落としどころは、穴あきダム」と、13日の定例記者会見で述べたそうだ。 私は、一般質問で河道内遊水池の危険性を指摘するために、県の土木の専門家であり責任者である部長に、「湛水試験をするのか」「ダムまたは河道内遊水池を造って、万が一地滑りによる溢水が下流の小学校や住宅を襲ったら誰が責任を取るのか」と質した。 部長の答えは、「仮定の質問には答えられない」というもの。責任の所在を問う私の再質問には、「責任をとらないような施設の設置をしていく」と答えた。 河川工学の専門家である、今本博健・京都大学名誉教授は、「穴あきダム(河道内遊水池)は、全く水を溜めぬ訳ではなく、土砂の流下や生物の移動を妨げるといった環境への悪影響がある」「一定規模以上の洪水にしか、所定の流量調節機能を発揮しない」「放流口が閉塞される可能性がある」「湛水試験を行わない場合は安全性に不安を残す」「穴あきダムは中途半端な『欠陥ダム』としかいいようがない」と指摘している。 プラス、私はバイオントダムの地滑り災害では、一気にダムの水を抜いている最中に大地滑りが起きたことを指摘し、質問の中で、「常時水をためない河道内遊水池も、100年に一度の雨では、水が溜まると言うわけだから、排水によって、地滑りによる危険性がある」と主張した。 志昂会は島根県益田川の穴あきダムを視察したとのことだが、一般質問の中で、「湛水試験をし、2ヶ月かけて水を抜いた」「実際の洪水時は1日で水が抜ける」と報告していた。これでは、河道内遊水池もダムと同じ地滑りによる危険性があるとしか言いようがない。
こんなことは、土木部として調べればすぐにわかることだ。それを私の質問にはマトモに答えない。 ちなみに私は、今回知事部局の質問取り(4日も前から秘書が通って来ていた)に対して、きちんとした答えが欲しいとして、殆どすべてを通告した(前回の日記参照)。それにもかかわらず土木部長の答弁は、誠意がない。 議員の心得が書いてある本には「きちんとした答弁が貰いたかったら、通告をするように」と書かれている。立場が違っても、こちらは礼儀を尽している。予め通告された質問に、きちんと調べて答えるのがマトモな仕事ではないか。 今後は一切通告しないことに決めた。
なお、今本教授は「浅川の治水にはまちづくりの観点が完全に抜けている」と指摘している(下記クリック、私の質問を参照)。今、浅川の治水に求められているのは、住民とともに今一度まちづくりの観点で手法を探ることだ。村井知事や鷲沢市長はそれを完全に放棄している、リーダーとしては失格である。
北山早苗・12月県会一般質問 |
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