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2007 年 1 月 30 日    
小さな町村を輝かせる取り組みを、切り捨てる?村井県政
〜さわやか早苗日記430〜
クイズ
『月のリズムで暮らす村』、何ともロマンチックな響き、ここはどこの村?
『月のリズムで暮らす村』からお届けするものって、果たしてどんなもの?

 「『泰阜村』では、第三紀層の土を使って栽培した、『昔のようなミネラル分たっぷりの野菜』を、ブランド化して都会などの消費者に届ける取り組みを始めた」と、新聞記事で知った。
 そこで、あおぞらの私と林奉文議員、宮川速雄議員と、早速泰阜村を訪ねた。

 泰阜村は、みなみ信州の山間にある、人口2000人弱の村だ。高齢化と過疎化の進む中、福祉の村づくりをはじめ、小さくてもキラリと輝く自律の村をめざしている。しかし、合併推進と交付税減額という、国の小さな村や地域の切り捨て政策の中、財政状況は厳しくなるばかりだ。
 そんな中で、村と県が応援し、高齢化しつつある農業者とIターン・Uターンの若者たちが農業に参加して、『古代海底ミネラル化石づくり』によって、自然の力を活かした農産物をつくり、村の活性化をめざしはじめた。

 『古代海底ミネラル化石づくり』とは、県道の改良事業から出て来た第三紀層の土(写真)を圃場に混ぜて、ミネラル土の畑をつくることだ。捨てるはずだった第三紀層の土の成分を調べたら、カルシウムやマグネシウム、鉄など、植物の生育に必要な成分がたっぷり含まれていることが分かった。
 第三紀とは6500万年〜163万年前までを言い、恐竜の時代が終り、種子植物が生い茂り、ほ乳類が繁栄する温暖な時代だった。この時代に、海藻や貝や魚、プランクトンなど海の生物が海底に積もって出来たのが第三紀層で、泰阜村を含む南アルプス一帯は新第三紀(2500〜163万年前)に、このミネラルいっぱいの古代海底が隆起して出来た場所だ。
 今の野菜は、50年前の野菜に比べてミネラル成分が1/5もないと言われている。だから、美味しくもない。植物や海産物で出来たミネラルは、もともと植物から栄養を摂っていた人間のからだに吸収されやすいもので、健康な身体づくりにはかかせないものだ。合成化学肥料とは全く違う、古代海底ミネラルで育った、ミネラルたっぷりの野菜が、美味しく、からだに良いことは間違いない。
 ミネラル土を使ったトマト栽培のビニルハウスでは、トマト収穫までの収入確保のために、自然食品会社と提携してレタス栽培をすべく、苗を植えている所だった(下の写真)
 
 この他にも、野菜栽培にあたっては、旧暦を取り入れることにした。農業には旧暦の季節感がぴったり合うというのだ。急いで効率よく作物を作ろうとすると肥料が多くなる。生物は月の引力の影響を受けていると言われており、害虫や病害の発生や植物の生理の変化と、月の満ち欠けとは密に関係があると言われている。そこで、旧暦を活用し、畑で作物を良く観察して、不必要な肥料や農薬を散布しないようにし、作物の自然な生育を助けることを心がけることにした。

 月の引力による満ち引きを繰り返す海の底に積もった土と、旧暦を使った農産物ということで、『月のリズムで暮らす村』ブランドが出来上がった。開発には土壌微生物の研究者が協力し、農家が、産直営農組合を作って参加した。
 この農産物が、都会の健康食品販売会社の社長の目にとまり、都会の消費者に産地直送便で届けられることになった。この社長は初めて泰阜村にやって来た時に、おばあちゃんたちの家庭菜園を見て、一箱からでもいいからクール宅急便で送って欲しいと提案したそうだ。
 さらに、これら開発から販売ルートのコーディネート役をしたのが、長野県からの派遣職員だ。また、『月のリズムで暮らす村』商標登録などのブランド化には、県のコモンズ支援金が使われた。(写真・下)

 泰阜村では、かつては養蚕が盛んだった。その後はこんにゃく栽培、それがダメになると、アスパラ、肉牛、トマト、ピーマン、市田柿などの農産物づくりが行われて来た。しかし、国の大規模農業にしか支援をしない政策では、4haにもとうてい満たない、山間の小規模農業地域はとてもやっていけなくなってしまう。国の小規模農家の切り捨ては、小規模町村の切り捨て、ひいては国土の荒廃に繋がることは目に見えている。
 国には頼っていられない、この『月のリズムで暮らす村』ブランドの産直農産物で、もう一度農村が元気になれればと、泰阜村は願っている。

 説明してくれた村の職員が、「県道改良の捨てる土、販売してくれる社長、指導してくれた先生、県からの派遣職員、コモンズ支援金の5つが揃って出来た事業だ」と言っていた。
 村井知事は県職員の派遣について、減らす、合併推進のためなどの目的に限るなど、田中前県政時のあり方を見直すと明言している。
 泰阜村に派遣され『月のリズムで暮らす村』ブランド開発販売に携わって来た県職員は、「役人は変わっていく、だから販売会社とのやりとりなど出来るだけ農家がやる、農家が自律するようにしむけた。」と言っていた。
 小さな町村の職員は日常の仕事で手一杯、プラスαの仕事で住民の自律を進め、支える派遣県職員の仕事は、過疎の進む山間地を多く抱える長野県にとって、とっても大事な仕事なのだ。だからこそ、田中前県政では、県職員の派遣に力を入れて来たのだ。村井県政でも、当然続けるべき事業のはずだ。
 また、村井県政では、コモンズ支援金も、地域発元気づくり支援金と改名し、県庁採択の枠をなくし、地域採択の枠のみにするという。どこが採択するのでも良いが、バラまきではなく、この泰阜の例のように、国から切り捨てられようとしていても、なお、踏ん張ろうとしている地域の自律に役に立つ補助金であって欲しい。

 村井知事は「81の市町村を輝かせる」と言っているが、小さな町村を輝かせるために前県政が行って来た、具体的な取り組みを切り捨ててしまったら、どうやって、市町村を輝かせるというのだろう??


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