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2007 年 7 月 11 日    
『本来の必要な治水』にも耳を傾けない暴走列車を承認した県議会
〜さわやか早苗日記446〜
 7月9日にとうとう県は、浅川治水専用穴あきダムを含む『浅川整備計画案』を国に認可の申請をした。県議会最終日のこの日に、ダム関連の概略設計と水理模型実験の予算が、反対意見を押し切って可決された直後、関東地方整備局に控えていた県河川課長が提出したとのこと。

 私は、共産党県議団、トライアル信州などと一緒に、県議会で、ダム関連予算を削った修正予算案を提出し、ダム建設には反対の立場で、知事提出の補正予算(原)案に反対の討論をした(討論全文は、一番下をクリック)。
 共産党の石坂千穂議員が修正案の提案説明をし、同じく共産党の小林伸陽議員、トライアルの小林東一郎議員も、修正案賛成・原案反対の討論をした。
 これに対して、改革・緑新の竹内久幸議員が「田中康夫前知事の脱ダム宣言から始まったが、結局代替案を出せずに、混乱を引き起こしただけ」「反対派は県の説明に対する新たな反論もせずに、反対のための反対をしている」などと言って、反対派を批判しながら、ダム賛成、知事提出の予算案賛成の討論をした。
 県議会後の知事会見で村井知事は、竹内県議の討論が一番我が意を得たものと評価したそうだ。まったく、竹内県議といい村井知事といい、どこまですっとぼけるつもりだと言いたい。「住民の誰もが望む遊水池を先送りしてまでダム建設を優先するのかという疑問」は説明されていない。また、その根本となっている「実際の流量と、基本高水の検証を何故しないのかという疑問」、同じく、「治水安全度1/100と450tという数値への疑問」、「なぜこれまで県民の頭に刷り込んで来た基本高水を言う言葉を、整備計画から抜いたのかという疑問」には、県は、全く答えていない。
 地質の問題についても、先日、長野のバスターミナルで、弁護士たちが開いた「浅川ダムの手続きに問題あり!」という集会で、京都大学名誉教授の奥西教授や松島氏の、『県の断層や地滑りへの疑問に対する答えの反論』に対して、きちんと土木部は答えていない。この集会は、土木部に出て欲しいと依頼をしたが、断られたという。そのくせ、土木部職員がこそこそ集会を聞きに来ていた。「地質について再調査をしないのは何故か?以前のダム計画の際の調査だけで大丈夫と言っているだけ、御用学者だけの意見を聞いただけではないか、という疑問」については、県は何も答えていない。

 県議会後の知事会見で村井知事の話には、こんなのもある。
記者「今日の討論の中で、北山議員がパネルを持って、ダムのコンクリートの壁がこれだけ市街地近くに出来るんだよと言っていたが?」
知事「ダムの壁が、あそこまで見えるかどうかはわからないが、大町ダムも市街地から見えるが、そんなに圧迫感があるとは思えない。ダムが見えるからどうだという話でもない」
 私の感想、「へ〜、村井さんもあそこまでダムが市街地から見えるって、思っていなかったのかもね〜」。
 私はダム予算の反対討論で、ダムが造られた場合想定図の合成写真をパネル(写真上、下)にして、「浅川ダムは市街地からもよく見えるほど、多くの人々が暮らす近くに建設されることになる」「パネルでもわかるように、人家や市街地のあまりに近くにダム予定地があるため、地滑りによるダム津波などの危険性や壊滅的被害を考えたら、ダムは、やはり造るべきではない。「ダムが造られたら、ダムを毎日頭上に見て、雨が降る度に心配するという、不安を抱えたまま、住民は一生暮らし続けることになる」と、説明した。ダムの高さはループ橋の高を基準にしていて、写真を撮ったジャスコの屋上からは、ループ橋がしっかり見える。ちなみに県庁の高さは40m(アンテナなどを除いて)、ダムはそれよりもずっと高い。
 更に私は、土木部がダム建設の目的に挙げる、「浅川中流域の外水被害は、1/100の雨の確率で起きるのではなく、1/100の雨が10回も、20回も、それ以上降った中のたった1回の確率で起きると想定されるもので、1/100確率は、間違いである」と説明した上で、「そのようなたぐいまれな外水被害のために、ダムを建設するのか?1、1m四方しかない穴が詰まり、ダムに水が貯まった所に地滑りが起き、バイオントダムのようなダム津波による被害もありうると考えて、危険なダムは建設しないことを選ぶのか?どちらかの選択だ」と、問いかけた。
 しかも、その、たぐいまれな外水被害についても、河川工学者の今本博健・京大名誉教授は、専門的な立場からの見解、「浅川中流部の掘り込み河川が、絶対溢れないとは言えないが、この辺りは扇状地で、地形に勾配があるので、堀込河川から溢れた水は低いほうへと流れる。多くは床下浸水程度と思われる。問題は河川に隣接した住宅である。強い流れが直撃するので、氾濫水が直接家屋にあたらないように塀を配置するなどの工夫が必要である。」を紹介し、ダムがなくてもこのような対策で、万が一、浅川が溢れるようなことが起きても、大きな被害は防げると、説明した。
 ダムのように大金を投じて、また自然環境も壊して、反対意見を押し切って行なう治水とは違い、今本教授の見解は『本来の必要な治水』対策を具体的に、かつ、最も経済的に示しているものであるが、私が昨年から、一般質問や土木委員会で述べて来ているが、ダムを造ることだけが目的の知事や土木部には一向に耳を傾けてもらえない。
 危険を冒してまで、ダムを選択しなくても、いくらでも選択肢はあり、国は県がそれを望めば、認可せざるを得ないのだ。これが、県が決める目標数値としての『基本高水に相当する流量』の意味で、国から基本高水450tが押し付けられたわけではない。「実流量からしてみたら、初めに目標数値として定めた450tは過大のようであるから、これは目標数値として据え置き、必要なところから整備している間に、450tを検証していく」このような、整備計画を立てれば良いのだ。

 しかし、下流域の住民の誰もが望む遊水池などの本当に必要なものは先送り、また、今本教授の言う『本来の必要な治水』にも耳を傾けず、暴走列車の村井知事と土木部はどこへ行くのやら。
 また、村井知事と土木部の行なおうとしている行為を、予算案可決という形で承認した、45人の県議たちの責任は重い。いずれ歴史が証明することになるだろう。

 村井知事にも、もう少し勉強してから記者会見で発言して欲しいと思う。大町ダムのある高瀬川は山の裾を通り大町市街を通っていない。浅川ダムのように、車で数分で市街地というような立地条件のダムではないのだ。こんな簡単に反論されてしまうような発言は、県民の上に立つものとして、控えるべきと私は思う。
 前も触れたが、村井知事が自分を信玄に例えた時にも、私はガックリと来た。信玄は水の性質を利用した治水をした人で、こればダムなどで無理矢理水を封じ込める治水とは正反対なのだ。
 村井さん、例の挙げ方が悪すぎる!誰か側近の人、教えてあげないの?気の毒ですよ。
北山・ダム関連予算反対討論


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