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2007 年 11 月 2 日    
官僚体質、しがらみ体質の村井県政がつくるゴミ条例<1>
〜さわやか早苗日記460〜
 村井知事は、8月に『廃棄物の適正処理の確保に関する条例』の骨子案を出したのに続き。10月30日は、条例(案)要綱を発表した。その日に上田合庁で説明会、11/8までに県内3カ所(松本、飯田、長野)で、同様の説明会を開催。なんとまあ、気の急くことで‥‥。しかも説明会は平日の日中、これでは、一般県民は参加できない。業者や行政関係者向けの説明会で、一般県民の意見はいらないと言わんばかり。(私も、松本合庁の説明会に行けなかった)
 何度も私の日記で書いているが、村井知事は住民主体で政策をすすめるということが、どうしても嫌いらしい。説明会の開催やパブリックコメントや公聴会などで意見は聞くが、「聞き置く」だけ、手続きを踏めば良いということらしい。

 一番わかりやすい事例が、村井県政の新条例案のゴミ処分場の計画協議制度だ。
 新条例では、これまで産廃処理施設を造る申請の際に、業者側に求めていた'住民同意'を外すとのこと。これには、県民だけでなく、知事与党や市町村からも疑問が出たが、知事は「計画協議制度で、(必要に応じて)住民や市町村長が知事に意見を述べる機会を設けるから、同意は求めない」と言っている。
 田中前県政時の旧条例案では、協議制度は<上記図1>のように、廃棄物処理施設の是非は公開の場で議論されることになっていた。ところが、村井県政の新条例案では、<上記図2>のように、知事がそれぞれから意見を聞き判断するというもので、知事の姿勢次第となってしう。このような中で、'住民同意'を外してしまって良いのか?大変、心配だ。
 村井知事は、共産党県議団が申し入を行った際に、「住民同意を外さないで欲しい」と言ったら、知事は「それでは、施設がいつまで経っても出来ない」と答えたそうだ。村井知事の姿勢は、条例案の名称『廃棄物の適正処理の確保』の示す通りということだ。村井知事が、知事選の半年前のH18年1月25日には、長野県産業廃棄物協会中信支部の新年会に招かれ講演していることも、気になる。
 村井知事は、国の官僚から国会議員に、そして知事になったわけで、元々が官僚体質、そして国会議員を20年もやっていれば、しがらみ体質でもあるわけで、その知事のもとで、働きやすくなった県職員のつくりたい条例は、どっちの方向を向いたものなのか、疑問である。

 私は、県議会の生活環境委員会で、上の図を示して、「計画協議制度があるから住民同意を外すと言うが、(田中前県政時の)旧条例案とは全く違う制度になっている、(村井県政の)新条例案の制度の中では、住民同意を外すべきではない」と言った。
 あとで、委員会で聞けなかった点を廃棄物対策課長や条例担当職員に質問した際に、私の示した計画協議制度の図について、職員が「新条例案でも、計画協議制度は”三角の図”になるはずだ」と言うのだ。
 そして、今回発表された要綱解説資料の7ページには、三角の図(下の図・左)が示されていた。しかし、旧条例案の計画協議制度と比べてみれば、全く意味の違う三角であることは一目瞭然だ。
 第1に、旧条例案では第3者である県民や計画策定委員会も加わり、”公開の場”で施設建設の是非に付いて議論し、そこで出された結果を知事に報告することになっていた。当然知事は、許可・不許可にあたり、この議論を重視しなくてはいけなくなる。
 第2に、新条例案では、それぞれが最終的日時に意見を述べるわけだが、県(知事)が、何を基準に施設の許可・不許可判断するのかは、全くわからない、不透明だ。
 第3に、新条例案要綱の解説には、事業者は「見解を表明する(県に意見を述べる)際には、市町村長の意見を尊重しなければならないこと」としているが、住民意見は市町村長に代表されることになり、ゴミ施設建設は市町村長の姿勢にも左右される。また、これは、前県政で言っていた”コモンズ”とは正反対の、従来型のピラミッド構造、「国があって県、その下に市町村、底辺が住民」の構造の中で、施設建設も行われるということ。
 第4に、新条例案の事前協議制度の目的は、タイトルが示す通り「地域紛争の防止」なのである。これは、旧条例案が県廃棄物行政の基本を発生抑制(製品づくりの段階で「ゴミの発生を抑制する」考え方)に置こうとしたのに対して、村井県政の新条例の基本は、ゴミは出るものだから処分場を確保するのが行政の役目という、国の”大量消費・大量廃棄”方針の追従になっているため。

 「新条例も図で示せば、三角になるはず」と言って県が示してきたものは、形は三角でも、意味や中身は全く違う図である。予想はしていたが、やれやれである。私がこんな風に日記に書けば、また県職員は「ああいえば上祐」のように、反論してくるのだろうか。これは、住民運動をかわすために行政が行ってきた、田中県政以前のやり方と全く同じ。官僚のやり方そのもの、知事の体質がそうだから、戻るのは当たり前と言えば当たり前。
 彼らには、住民主体の場をコーディネートし、住民自治の力を育てることで、将来に向けて様々な問題を解決していこうなんて、面倒くさいことはやりたくないのだろう。
 かといって、ドイツのように行政がリードして、ゴミ減らしの新しい仕組みを強引にすすめようという気概もない。ドイツでは2003年1月に、『瓶』だけでなく『プラスチックの使い捨て容器』のリユースをすすめる『強制デポジット制』が施行された。色々な課題はあるが、とにかくやってみようと言う気概での取り組みらしい。『ごみかん』のドイツ特派員の田口理穂さんの報告を読むと、よくわかる(下記クリック)。
 ”強引”でも、村井県政の強引さは、処理施設ありきの、後戻りへのベクトルだ。要は、浅川ダム建設と同じ。

 更に、住民の意見は『紛争』扱い。これでは、前県政時の旧条例案にあった、「県民環境協議会制度」「住民の行政権限発動請求権」「環境モニタリング制度」を新条例でも盛り込むようにと、私が県議会で言っても応じないわけだ。これらの制度、ゴミ問題に取り組む住民に渡すツールは、村井県政には『紛争』を激化させるものとしか見えないのは、当たり前と言えば当たり前なのだろう。
 これらの制度について、私が議会後に廃棄物対策課長に再度尋ねた際、同行していた職員は「県民環境協議会制度も、行政権限発動請求権も、環境モニタリング制度も、県側から提案する条例に、そのような住民の権利を盛り込むのは”おかしい”。議員(議会)提案の条例ならまだしも‥‥」と言っていた。
 要は、”官僚のための条例”が住民に求めるのは、「行政の廃棄物施策への協力」であり、「住民主体の廃棄物施策」ではないのである。

 さて、あおぞらで県民の皆さんと一緒に行った、ゴミ条例についての学習会・第2弾『新条例で県内のゴミ問題は解決できるのか?』ー県内各地からの報告ーでは、各地からの事例報告があった。(次回へ続く)
ごみかんドイツ特派員の田口理穂さんの報告


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