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2007 年 12 月 5 日    
あるべき廃棄物条例を提言、発生抑制を奇麗ごとと逃げる知事
〜さわやか早苗日記465〜
 今日12月5日に県庁3階知事室で、ゴミ問題に取り組む県民の皆さんとともに、村井知事に、「長野県がめざすべき条例案についての提言書」を手渡した。(提言書は下記クリックで)
 長野県民がめざすべき廃棄物政策と条例は、「廃棄物の発生を徹底して抑制し、また、廃棄物の再使用、再資源化、適正処理を行うことで、廃棄物に起因する環境負荷をできる限り低減すること。それにより、自然環境や生活環境の破壊、汚染の防止を図り、長野県の豊かな自然環境の保全と、県民の健康、安全、快適な生活を確保する」ことをめざす条例であるべきだ。
 しかし、県で策定をしている『廃棄物の適正処理の確保等に関する条例案』には、このような一番大切な視点が欠けてる。「廃棄物の適正処理が行える施設を造れば良い」というだけの姿勢では、今日、県民が直面している様々な廃棄物にかかわる問題は解決できない。


 村井知事は、「できるだけ尊重して考えていきたい」と言ったものの、「発生抑制」については「きれいごとを言うつもりはない」と言い、「日本ではものが作られず、海外で部品や組み立てが行われている中では、リサイクル・リユースのしようがない。国際化している中では発生抑制はできない。きれいごとを言うのはやさしいが、実際に出てくるものの始末をどう調整するかが私の役目」と言い、更に、「誰でも嫌な廃棄物だから、どこかでしょわなければならない」と話した。
 これに対して、信濃町から参加したMさんが、「信濃町で問題になっている処分場には、町のゴミではなく、県外からのゴミを持ってくるのですよ」と言うと、知事は「信濃町の件は、町外からなのか、県外からなのかはよくわかりません」と答えた。それも分からず、処分場は必要だから、長野県でしょって行くと言うこと?県民としてはごめんだ。
 原村から参加したKさんは、あとから記者会見で、「条例とは、歯止めとしてつくるもので、窮屈なルールであるため、村井知事は逃げ腰だ。リスクを負わない役人体質の人だとよくわかった。このような知事は県民にとって役に立たない。仕組みを作ることで、50年後、100年後に役に立つものなのに」と言った。

 さて、提言は3度の学習会を通してまとめた。1日にはまとめの学習会を行い、県内や全国のゴミ問題に関わってきた関口鉄夫氏の、『最近の長野県の廃棄物問題の特徴と、長野県廃棄物行政の行方』についの講演を聴いた。
 関口氏は、長野県の廃棄物行政を、「違法行為に対して、法に触れないように書類の提出を指導し」、「指導を無視されていても、法的手段をとらず」、「環境汚染や健康被害を知りながら、十分な対処をして来なかった」として、厳しく批判した。
 国の指針によれば、都道府県は不法投棄に対して、「行政処分を迅速に行わなければならない」「行政指導が継続する状態をつくってはならず、躊躇なく行政処分を行わなければならない」「公訴されているいることを理由に、行政処分を留保してはならない」「事実を客観的に認定すべきで、行為者の主観的意思などが不明であることを理由に行政処分を留保してはならない」としている。
 長野県の廃棄物行政は国の指針を守っていない、まず、「住民の苦情がきちんと知事に届く」「不作為をしている行政マンを罰せられる」条例が必要と関口氏は言う。
 住民の訴えに対して、行政指導を繰り返し、現状回復をしたことを理由に引き続き営業を行うことを許容している状況を、行政自らが改めるものでなくてはならないということだ。

 また、廃棄物問題における現在の裁判では、健康に生きる権利としての平穏的人格権をもって、住民が当たり前の感覚で常識的に疑問に感じる安全性について、事業者自身が実証できなければならないとされている。
 ところが、県内各地で現在起きているゴミ処分場建設計画は、ひどすぎる。
 例えば、信濃町の沢地形(水源地)に計画されている被服式産廃処分場は、埋め立てを行っている時だけ屋根で覆い、埋立完了後は屋根をはずし次の埋め立て地に移動させるというものなのに、業者はコンクリートで固めるから汚水は出ず、汚水処理施設もいらないと言っている、デタラメなもの。しかも、埋め立て処分場の壁面は矢板で覆うというが、その矢板は、何とプラスチックの廃棄物でつくった板である。
 建設計画ラッシュの広域連合ガス化溶融炉や灰溶融炉も、デタラメだらけである。
 例えば上田広域では環境基本計画の人口予測を22万を超えるとし、実際にはH19年現在で19万5千人を切っているのに、ゴミが増えることを前提としている。
 白馬に計画されている北アルプス連合の焼却炉も、灰溶融炉を隠し持ったもので、建設費用の33億3千万円は2つのメーカーに見積もらせた平均値をとったというデタラメなもの。しかも、地震の危険性が指摘されている牛伏寺断層の続きである神城断層の横に造られるのに、立地良好とは・・・。
 既に建設され稼働している南信州広域のガス化溶融炉は、首長からも「金食い虫」と言われるシロモノ。維持管理に年間4億円かかり、保証期間が過ぎたらプラス7000万円をメーカーから求められているからだ。しかも、炉内の温度維持のために注入せざるを得ない高圧酸素代に8000万円かかっている。
 県の条例案は、このような処分場問題にメスを入れるものではない。当たり前の疑問や不安から処分場計画撤回を求めて県庁をおとずれた信濃町の住民たちに対して、村井知事は「判断するのは知事だ」と答えた。発生抑制は、きれいごとだから取り組まず、処分場は必要だから作ると言う知事は、人格権(健康に生きる権利)についての認識がないようだ。そのような知事に判断されたらたまらない。

 実は、市民の出すゴミは全ゴミ量の6%にすぎず、ゴミ問題は産廃の問題である。生活とは無縁の有害物質の大量廃棄を食い止め、市民負担でゴミ処理を行っている今の状況を変えるためには、企業の社会的責任を問う「発生抑制」、出るゴミは企業の負担で回収する「排出抑制」をめざす条例でなければいけない。
 しかし、村井条例案にそのような「発生抑制」「排出抑制」の理念はない。市民へのモラル論を述べているだけの、村井県政の発生抑制論は”間違い”であり、そこからは政策論は何も生まれて来ない。
 そして、村井知事新条例は、「悪質業界の代理人としての知事の傑作」であり、「これからは長野県が経験したことのない廃棄物の流入が始まるだろう」と予見する。これまでは、住民運動がそれを食い止め田中前県政で強化しようとしてきたが、これを全てチャラにしようとしているのが村井知事であると、関口氏は批判した。
 関口氏は、子や孫の世代のために、住民の運動を終わりにしないことが大事であると、締めくくった。

 田中県政時の条例案にあった、条例の目的「環境と経済の両面から社会の持続可能性を探求するための、大量生産・大量消費、大量廃棄からの脱却」「あまたの水源・湧水・渓流を持つ長野県として、自然や景観と県民との共生」「優良な産廃業者が不利益を被らぬよう、脱法行為に対する更なる規制」「これまでの県政の政策転換を明らかにし、県民運動として廃棄物問題に取り組む」、これらを全て排除した、村井新条例はいらない。
長野県がめざすべき条例案についての提言書


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