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2008 年 7 月 7 日    
岩手・宮城内陸地震とダム横の大崩落!学ぶ気のない村井県政
〜さわやか早苗日記489〜
 岩手・宮城内陸地震では大砥沢ダム湖に面している山が大崩壊を引き起こした。6月定例県議会では、この重大な出来事を踏まえて、浅川ダムの安全性について、一般質問や建設委員会(20年度から、旧土木部と住宅部が合併して建設委員会になった)に於いて、私は質問をした。一般質問では、トライアルや共産党の議員も同趣旨の質問をした。
 しかし、知事の答えも建設部の答えも、言わずもがな、安全性については調査済み、これ以上の調査が不要、ダムと岩手・宮城内陸地震に於ける地滑りとの関連は、詳しい調査を待たないと、コメントできないというものだった。

 県議会中の6月29日には、浅川ダム問題に取り組む3つの住民団体が共催し、『浅川ダム・地震と土砂災害緊急学習会』が浅川公民館で開かれ、私も参加した。100人以上の人たちが参加し、各住民団体の代表の皆さんの話や、中島嘉尚弁護士、奥西一夫京大名誉教授の話を聴いた。

 中島弁護士は、「アメリカでは県境に対する州民の権利が法で定められていて、良好な環境を享受する権利に反するものをやめさせる事が出来るが、日本にはこういう法がないのが、まず問題である。しかし、諫早湾の事例では、住民に被害が及ぶ場合やめさせることが出来るという判決が下りた」
「浅川ダムは、手続きに瑕疵、違法性がある」
「河川法16条2の規定によれば、地域住民と連携しその意向を案に反映させるとあるが、県のやり方はこの手順を踏んだとは言えない。住民の意向を反映させるには、まず、案の前に原案を住民に示す必要があるが、その原案とは、学識経験者の知見を生かした様々な代替案を出して、住民が検討するようにしなくてはならないが、浅川治水専用ダム決定のプロセスでは、このようなことが行われてない」
「また、地域住民の意見を聞く際にも、問題点を明確にし、専門家や住民の意見を聞く必要があるが、これを行っていない」
と述べた。

 県浅川ダム地すべり等技術検討委員だった奥西教授は、「県は、河床勾配が15度以上でないと土石流は来ない、浅川ダム付近は3度以下では土石流は来ない、浅川ダムの穴が詰まる恐れはないと県は言っている。しかし土石流は、ぴたりと止まるわけではなく、大規模だと堆く積もり、それがまた動き出すことがある。堤体まで来なくてもダムの手前に溜まれば、ダムの機能が無くなる恐れがある」
「昭和14年に起きた飯綱の論電ヶ谷池の決壊による土石流は、ダム地点を通過し、その下流で11名が亡くなり、多くの田畑が流出するなど大被害を受けた。これからも起きる可能性がある」
「予定地周の地滑りについて、県は、大きな地滑りはないと結論づけているが、説明責任を果たしていない。対策が出来る小さな地滑りについてだけ検討しただけで、文献ではっきりしていない地滑りを検討の対象にしていなかったり、昭和20年代に活動した斜面についてはだんまりを決め込んだりしている」
「予定地周辺斜面の線状凹地についても、岩盤地滑り面の頂点部とみられるが、県が調査したと説明しているトンネル位置は線状凹地と一致しておらず、線状凹地のあるところで調査をするべきだ」と指摘した。
 また、大地震が起きた場所を調査してきた経験から
「大地震が起きれば山崩れが起きダム本体を直撃する可能性がある」「中越地震では、深い地滑りにより、川底にあたる部分が持ち上げられ、そこが土砂ダムになった」となどと、述べた。


 私は、一般質問では、「岩手・宮城内陸地震」のダム横で起きた大崩壊について、ダムと地滑りなどの土砂崩落について、長野県としては、今回のような大崩落から学ぶべきことはないか、知事に尋ねた。
 「岩手・宮城内陸地震」では、山中で、長さ1、2km、幅800m、高さ150mもの国内最大の大崩落と地滑りが起き、崩れた土砂の量は7000万立方メートルと御岳崩壊の2倍の量にあたる。
 この大崩落の原因は、地震以外にも、幾つかの原因が重なって起きたと言われ、ここが、もろい火山灰が積み重なっている地質であること、一見固そうな岩の中にも熱水変質が見られ、大変崩れやすいものであったこと、雪解け水を含んでいたこと、そして、もう一つには、大崩壊が荒砥沢ダム湖に面している所から始まり、ダムにより地下水位が上がっていたことが大崩壊の原因になっていると、NHKなどで学者が指摘している。

 村井知事は、「震災が起こってからまだ間もなく、因果関係等についてはこれから調査が行われ、その上で判断だれることと考える。NHKで紹介された学者の見解は一つの説、私の立場からコメントできない」等と答えたが、それならば、なおのこと、その調査結果が出るまで、せめて浅川ダム建設は一旦中止すべきだ。

 続けて、私は、「浅川ダム予定地は、火山灰が固まったもろい凝灰岩と大量の熱水変質が分布する地質で、『岩手・宮城内陸地震』による大崩壊地と大きな共通点があるが、浅川ダム予定地近くには長野盆地西縁断層帯という明らかな活断層があり、長野市街地は浅川ダム地点のすぐ近くのため、浅川ダム予定地は、『岩手・宮城内陸地震』の土砂災害地域より、問題がずっと深刻と言える」「今回の『岩手・宮城内陸地震』を教訓として、浅川ダム事業を一旦中止し、再度地質面・地形面での調査をすべきではないか」と質問した。
しかし、知事は、「専門家の間で相当詳細な検討がなされた結果を踏まえて判断したことで、現在進めていることをきちんと進める」という、相変わらずの答えだった。

 建設委員会では、私は、「一般質問で、建設部長は穴は詰まる恐れ無し、ダム上流で土石流が起きても、渓流の傾斜が3度以下のため、ダムを直撃しないと答えたが、長野市の防災マップには、浅川は、土石流危険渓流になっている。これとの整合性は?防災マップには長野県土木部のH13年度調査結果によると書いてあるが、この調査は誤りだったということか?」と尋ねたが、砂防課長は、「全国の土石流の調査に基づいて、3度以下の勾配のところは土石流が堆積するところだ」と答えるのみ。
 私が、防災マップや論電ヶ谷池の決壊による土石流のことを挙げて、全国の調査ではなく、浅川では現実に起きた土石流をもとに、論ずるべきと言っても、馬の耳に念仏。
(続きは次回)
6月定例県議会 北山早苗一般質問


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