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2008 年 8 月 16 日    
河川工学者のアドバイスや指摘を拒否する村井県政と県議会
〜さわやか早苗日記493〜
 13日に京都大学名誉教授で河川工学者の今本博健氏が。京都府宇治市のコンサルタント会社実験場で行われた、浅川治水専用ダムの水理模型公開実験について、村井知事宛に「申立て」を書面で提出し、そのあと記者会見を行った(写真上)。
 今本氏から、5日の模型実験について「ダム賛成、反対に関わりなく、多くの県議さんたちに実験を観るポイントを、現場で伝えたい。実験についての専門家としての私の見解を、マスコミあるいは県民の代表者である県議会議員を通じて多くの県民の皆さんに伝えることは意義あるはず」との申し入れがあが、当日、現地に出向いてくれた今本氏を、「事前に許可された長野県議会議員に限る」「定員以上を見学させると危険である」「他議員からの要請も断っている」などの理由で県建設部長は参加を拒否、結局、実験中は見せてもらえず、4時間待たされたのち実験終了後の状況を一瞥することを、部長から許されただけであった。

 申立ては、一番下リンクからご覧下さい。今本氏の浅川ダム模型実験の見学報告も掲載した。
 申立ての主な内容は、
・多くの専門家を呼び、見解を参加者に直接聞かせることが一般公開をより有意義なものにしたはず。県税より多い国税が投入されるのに、参加者を長野県民に限定したことにも日本国民として抗議する。
・定員を超えると危険という理由も、交替制にすれば解決する。実験開始直後に退出した県議会議員は公費を用いて何を見にきたのか、県民の皆さんは弾劾を。
・「土砂を貯めない」と謳われる穴あきダムの長所が否定された実験であることや、土砂が穴あきダムを通過しない条件のもとでの実験であるなどの指摘を、避けるために専門家の参加を断ったなら、許されない「行政の不作為」だ。
・今からでも、意見の異なる専門家を集めて同時に見学させ、公開のもとに意見交換をさせるべきだ。それができる専門家は全国で数名程度である。浅川ダムで最も懸念される地すべりの問題についても同じことがいえる。

 私から、今本氏参加が拒まれた経過説明を付け加えたい。
 まず、私が県建設部河川課に今本氏の申し入れを伝え、参加を頼んだところ、断られた。理由は「全員の議員が専門家の参加を要請すると、安全確保のために見学可能な人数がオーバーしてしまう」とのこと。「それならば、今本先生は、現地に来てくださるそうなので、専門家が多すぎて入りきれないようなら、その時に判断してもらえば良い」と言ってみても「だめ」。何度かのやり取りのあと、電話を切られた。
 1週間ほど経った頃、私に、なんと配達証明で「定員を超えた申し込みがあり、議員以外の方の入場を断った。他からの学識者の入場の申し入れもご遠慮いただいている」という手紙が、河川課長名で届いた。「配達証明とは、どういう意味なんだろう」と人に話すと、「それって、脅しじゃない」と。

 5日、実験会場入り口手前で、建設部長がやって来て、今本氏と私に「断ったはず。ルール違反だ」「人数が一杯で、参加を断った人もいる」「他の専門家の参加を希望し、断られた議員に対して不公平になる」だの、こちらが口を挟む余地がないほど、言って来た。(写真下右。様子は関西テレビが終始取材している)
 こちらが引っ込まないと、部長は「今回は議員枠だから県議の皆さんの許可がいる」と言い出した。私たちの味方をしてくれているトライアル信州の今井正子議員が、「聞いてくる」と会議室に向かった。
 今井議員が行ってしばらくすると、突然、部長が「じゃあ私は許可しますが、県議の皆さんに聞いてくる」と言いながら会議室に行き、戻って来ると、「許可するなら帰るという議員がいるから、ダメです」と言うのだ。

 「北山さんは中に入って」と言う今本氏の言葉で、私は仕方なく説明会場に入った。「早く始めろ!」という罵声の中で説明が始まったが、説明開始の予定時間の12時にはなっていなかった。
 私は参加者の人数を数えてみると、報道を抜かして43名、部長に確認したら、やはり43名だと言う。私は「断られた理由は、人数がオーバーしているからというものなのに、おかしいではないか」と言うと、後から7人来ると言う。足しても50人だ、1人増えたからと言って、見学するのに危険になるとは思えない。
 また、他の専門家の参加を申し込み断られた共産党県議団が、今本氏の入場を賛成してくれたため、「専門家の参加を断った議員に対して、不公平になる」という理由は、すでに、成り立たない。

 私は、再度、部長に今本氏の入場を頼んだが、「今本氏を入れたら帰ると言っている議員が、良いと言わなければダメだ」と言う。私は3人の県議に直接聞いてみた。3人とも「入場は好ましいことではないが、これは理事者が判断することだ」と。
 ふと考えたら、3人は同じ会派、私は「はは〜ん」と思った。最初のやり取りの際、部長が「私は許可しますが、県議の皆さんに聞いてきます」と、突然、態度を変えたことに驚いたのだが、おそらく、『最初に断り諦めなかったら、議員の同意が必要と言い、そこで入れるなら帰ると席を立つ』というような打ち合わせが、建設部と数人の議員との間でしてあったのだろう。
 そもそも、県議の同意が必要ということ自体が、おかしい。この日の公開実験は県議枠として設けられたが、長野市議会から経済建設委員の市議が10名弱参加している。また、県議会会派の事務局も2名参加しているが、これは県議の同意を求めることなく、理事者(部長)が許可したのだ。それをなぜ、私から申し入れた今本氏の参加だけ、県議の同意を求めるのだ。「ルール違反だ」と言われる筋合いは、全くない。

 今本氏は入り口で入場が許可されるのを待っていた(写真下左)。その前を遅れて参加する自民党県議団が通った。暫くすると、今度は実験途中で、次々に県議たち今本氏の前を通って帰って行った。「暑いから早く帰って、酒だ」と言いながら出て行った人もいたという。
 今本氏は、実験を行ったコンサルタント会社の顧問を3年前までしていて、多くの実験にかかわって来た人で、専門家中の専門家だ。その今本氏が、「ダム賛成、反対に関わりなく、多くの県議さんたちに実験を観るポイントを、現場でお伝えしたい。」と言って来てくれたのだ。今本氏のアドバイスや指摘は、県議だけでなく、県職員にとっても、大変参考になるはずだ。
 長野県と県議会がグルになって、暑い中、今本氏ずうっと入り口で待たせ、その前を、実験途中で帰る県議‥‥。私は長野県民として、これほど恥ずかしい思いをした日はなかった。

 今本氏は、最後のダム上流に土砂が溜まった様子を見たいと、実験が終わってから、コンサルタント会社に頼んだ。すると、部長がやって来て許可をし、私に「最後に許可をしてあげた」と言った。
 ダム模型の前で今本氏を待っていたかのように関西テレビが囲み、長いことインタビューしていた。その様子を見て、部長は私に「あれが困るんだよね〜。長野県の同列系のテレビ局に流される可能性があるからね〜」と、言っていた。
 要は、県民に本当のことを知られたくないから、頑強に今本氏の入場を拒否したということ。県民益からはほど遠い、村井県政建設部の姿勢がよくわかった。
今本氏の申立て・ダム模型実験の感想


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