2008 年
8 月
27 日
全くあてにならない日本や県の新型インフルエンザ対策!では…
〜さわやか早苗日記495〜
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23日に、松本市のMウイングで、「新型インフルエンザから自分と家族、社会を守るために」 という学習会を行い、集まった40人ほどの市民、県民の皆さんと、小布施町のさかまきクリニッック医院長の坂巻隆男医師の話を聴いた。この学習会を企画したきっかけは、県の新型インフルエンザ対策に危機感を感じたからだ。
(前回の続き) 新型インフルエンザの対策としては、何が一番有効なのか?それは、外出制限だ。 坂巻医師よれば、スペイン風邪の際、セントルイスでは患者発生から1週間以内に学校や劇場の閉鎖や集会の禁止などの措置をとったのに対して、フィラデルフィアは3週間後と遅れたため、10万人あたりの死者数は25倍にもなったと言う。 つまり、自宅待機して人との接触を避けるのがまず一番有効であり、アメリカではそれに備えて、食料等の備蓄を呼びかけるだけでなく、ドライブスルー方式でワクチン接種をするの訓練までしている。この訓練は、全住民を対象に、通常のインフルエンザワクチンを使って行われているが、新型発生を想定して、住民の命綱のワクチンが途中で強奪されぬよう、パトカーで先導されて運ばれてくるところからして、アメリカでは、新型インフルエンザについて危機感を持ち、いかに真剣に対策が行われているかががわかる。 アメリカでは、鳥インフルエンザウイルスからつくったプレパンデミックワクチンを国民全員分用意し、なおかつ、配布順、接種順をきちんと決めてある。こうしておかないと、全国民分あっても、全員に届かないからだと言う。これに対して、日本はどうか?未だに国民の1/6分しかワクチンの用意はなく、医療関係者や警官に優先的に接種するなどといわれているくらいで、はっきりした優先順位も決まっていない。
優先順序を決めておかねばならないのは、プレパンデミックワクチンに留まらない。アメリカでは、新型インフルエンザにより重症の肺炎になる患者が溢れ、沢山の人工呼吸器が必要になることを想定し、予備の人工呼吸器を各病院で備えているが、それでも、足りなくなることを想定し、助かる見込みのない患者から呼吸器を外し、見込みのある患者に回すという呼吸器の優先順位も定めている。 また、医療関係者が、助かる見込みのない患者から呼吸器を外すことへの罪悪感に対する、メンタル訓練もしているというのだ。これに対して日本では、余分な人工呼吸器を用意している病院はほとんどないという、そんなレベルだ。
実際に新型インフルエンザが発生した時に製造されるパンデミックワクチンも、誰に先にうつかということも事前に決めておく必要がある。鳥インフルエンザの死亡率は、抵抗力が弱い老人よりも、むしろ普段は病気にかからない丈夫な人、特に10代の世代が60%と高い。これは、過剰免疫反応に依るもので、本来はウイルスをやっつけるべき免疫機能の働きが、自分の体をやっつけてしまうということだ。 アメリカでは、新型が発生した際にパンデミックワクチンを一気に製造する準備も整えているが、それでも、誰に先にうつかということは、国民的議論を経て、若者に先と決まっている。ところが、日本では、来春やっと新型インフルエンザ対策の研究機関をつくることが決まったと、23日のお昼のニュースでやっていたぐらいで、何とも情けない、お話しにならない。
坂巻医師に依れば、抗インフルエンザ薬のタミフルも、日本では2800万人分しかないという。しかもこれは、1回の投与分だそうで、本来は4回の投与が必要であるため、実際には700万人分しかないということだ。しかも、タミフルを効かせる飲み方は、熱が出始めたら12時間以内に飲むことだそうで、怖いからすぐに飲むというのでは、少ないタミフルを有効に使えない。(予防効果は、飲み続けないとなくなってしまうとのこと) 学習会の参加者から、「備蓄タミフルの配布は、市がするのか?それとも医療機関に配布されるのか?懇意にしている医者がいるなら有利になるということにならないか?」などの質問が出た。 タミフルは、今でも医療機関ではインフルエンザの治療薬に使われていて、世界で一番タミフルを使っているが、実は日本だ。しかし、実際には医療機関には備蓄はなく、行政が備蓄しているタミフルも、数は上記のように少なく、配布方法は何も決まっていない。きちんと決めておかないと、いざ新型インフルエンザが発生した時に、医療関係者のところにタミフルは来ないだろうと、坂巻医師は答えた。
アメリカでは、ワクチンやタミフルなどの治療薬を行政が全国民分を確保し、苦い優先順位の議論から逃げずに、決まりを設けた上で、歯科医師も含む医療関係者に対して、新型インフルエンザ対策への協力を求めている。 しかし、長野県は「先生方、お願いします」と言いながら「ワクチンや治療薬は、県がしっかり確保しますから」とは言わなかった。ワクチンや治療薬という武器がなければ、医師は丸腰では闘えない。 しかも、国は「対策は、地方自治体がすることだ」と言い、県は「国が決めること、具体的な対策は市町村で」と言い、市町村は「国の対策を待ちたい」と言い、互いになすり合っているだけだ。 情けないけれど、本当にもう、一人一人が知識のワクチンを身につけて、まず自己防衛し、そして人に伝えていくしかない。23日の学習会に集まった人たちは「今日は、先生の話を聞きに来て良かった」と、口々に言っていた。
学習会で、坂巻医師から学んだ新型インフルエンザから身を守るために、今から出来そうなことを、いくつか紹介したい。 ・食料品や日用品を備蓄しておく(2週間から2ヶ月分)。流行時には自宅篭城が一番有効。 ・流行時にやむを得ず外出する場合のマスク、ゴーグルも普段から用意を。ただし、抗インフルエンザマスクも、隙間からウイルスが侵入する可能性があり着け方が問題。また、衣服にくっついていて感染する可能性もあり、万全ではない。 ・通常のインフルエンザワクチンでも、受けておいた方がよい。新型に感染した場合も、死亡率が半分になる。 ・肺炎球菌(予防)ワクチンを受けておくと、新型インフルエンザに感染しても重症の肺炎にならずに済むので、有効。医院や病院にあらかじめ連絡しておき、接種してもらう。5〜6千円で、1回接種で良く、5〜6年は有効。アメリカでは年配者の殆どが受けている。日本ではプレパンデミックワクチンが足りないので、受けられない大人や年配者は、通常のインフルエンザワクチンと肺炎球菌ワクチンを受けておくだけで、新型に感染しても重症にならずにすむ。 ・解熱剤はアスピリン系ではなく、アセトアミノフェンのものを用意しておくと良い。ただし、解熱剤は治療薬ではない。 ・タミフルをネットで販売しているものは、殆どが偽物。タミフルも万能ではなく、タミフル耐性新型インフルエンザウイルスも突然変異ですでに出現している。
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