2008 年
12 月
24 日
村井知事の緊急経済対策は建設事業に70億円、借金増の可能性
〜さわやか早苗日記504〜
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昨日は、村井知事と中信地区の市町村長が意見交換する『ボイス81』が松本合庁であり、傍聴した。 村井知事からの話は、22日に発表した『長野県緊急経済対策』についてだった。経済・雇用情勢等の悪化による県民生活や県内経済の不安を早期に解消し、暮らしや経済活動の「安全・安心・安定」を確保するために、施設整備等については、平成21 年度当初予算で対応予定の事業の一部を前倒しで行い、これに70億円も拠出するという。 その他に、失業者向けの生活資金や離職者の居住安定の確保などの生活者への支援は、わずか1.5億円。緊急雇用相談窓口の設置や就職面接会の開催など雇用確保に、たったの200万円。 財源については、定例記者会見の質問に、知事は「8000億円からある長野県の予算の中で70億円を前倒しする訳で、大きいが、21年度の予算でよくみればいい」と答え、また、「財政健全化よりも、景気対策のほうが先」と言い、『元金償還額を上回る県債を発行せず、借金を減らす』としてきた2年間の方針を転換する可能性もチラつかせている。 村井知事は、今回の70億円の土木建設事業の前倒しを、「県内5000人の人が職を失う状況の中で、地域経営の責任者として行うべき『雇用創出』だ」と言い、ボイス81に集まった市町村長たちに、同じ発想で市町村でも前倒し事業をやって欲しい、そうすれば全体で200億円の経済対策になると勧めた。 赤信号、みんなで一緒に渡れば怖くないということか‥‥
今日は、松本駅前のジョブカフェ信州とヤングハローワークに、最近の求職・求人状況を聞きに行ってみた。 県で行っている『ジョブカフェ信州』は、就職をしたことがない若者やバイトしか経験がないという若者等を対象に、カウンセリングや相談を通して就職への自信をつけてもらい、併設されている国の事業の『ヤングハローワーク』にバトンタッチする。 開所して5年目で、相談に来る人は17、18、19と減って来ていたが、今年9月頃から増えて来ている。ところが、求人は反対に減って来ていて、8月からは有効求人倍率は1を割った状態で、就職に結びついた人は、昨年同期と比べてやはり減って来ている。所長は、「この不景気で、さらに求人が減ってしまうのではと、大変心配だ」と話していた。
ハローワーク松本が発表している2008年10月の、”求人と求職のバランス”を見てみると、常用雇用の場合、全体では求人3860に対して求職者数は4552人であり、求人倍率は0.85倍である。 業種別に見てみると、専門・技術職は求人数の方が多く求人倍率は2.58倍、販売やサービス業も1倍以上だが、反対に、事務職は求職に対して求人がとても少なく求人倍率は0.28倍、製造業も同じで求人倍率は0.46倍である。この傾向は、パートでも同じである。 特に製造業の求人の減少は、対前年同月比47.9%の減で、半分近くに落ち込んでいる。殆どの業種で減ってはいるが、建設業は26.1%減で、卸・小売業23.7%減、飲食店・宿泊業27.8%減などとくらべて、建設業だけが特に仕事が減り求人も減って大変と言うわけではないようだ。それよりも、とにかく深刻なのは製造業だ。 これらのことから考えてみて、県が行う70億円の土木建設業への前倒し投資が、果たして知事の言う『雇用創出』に繋がるかは、はなはだ疑問である。しかも、これから先、景気が良くなることが保障できない時代にあって、次世代に借金というツケを残す形で、このようなことが行われて良いのだろうか? 心ある県民の心配を他所に、村井知事は、「このようなことを都道府県でやるというのは初めてだと思う。こういう施策を通じて、雇用の維持あるいは確保、ひいては企業の投資マインド、県民の消費マインドに良い影響があれば素晴らしい」と誇らしげだ‥‥
知事の「一緒に、70億円を200億円にしよう!」という誘いに、9人の市町村長たちは殆どのって来ない。県が半分出すからやろうと言うなら別かもしれないが‥‥。小口・塩尻市長は、「必要な公共の前倒しは、無駄ではないからやりたいとは思うが、土木だけではなく、その他のところにも回して欲しい。例えば住むところがない人のために、建て替えように閉じている県営住宅の開放や、農家が有給農地対策で建てたアパートがたくさん空いているので借り上げて開放すること等、やって欲しい」と、言ってくれた。 県は県営住宅を、リストラで社員寮や社宅など現に居住している住居から退去を余儀なくされている方々に一定期間貸し出す(最長1年間)ことを、緊急経済対策として行うとしているが、戸数はたったの98戸、しかも、家賃は県住の最低家賃の2/3にすると言っているものの、一番安いところでも月2300円、高いところで15800円もして、殆どが8000〜10000円ぐらいの家賃だ。民間より安いとは言え、リストラされた人にとっては大変である。ちなみに1年間これをタダにして貸したとしても、総額で1000万円ほど。70億円に比べたら僅かだ。
福祉部門等は給料が安いために、人材が集まらずに施設は求人に大変苦労している。介護保険制度が問題で、働く人に支払われる点数が低すぎて、男性等は介護の仕事では家族が養えず、結婚も子どもも持てないという。投資すると言うのなら、県が支払い金額に上乗せできないものか。あるいは、介護度が低いお年寄りは、もっとサービスを利用したくても、介護保険が利用できる時間が少なすぎて、入浴なども週に1度で我慢している人もいるという。県が上乗せしてもっと利用できるようにしたらどうか。 建設業から介護事業に移った会社も多い。そういうところは、今の介護保険制度の仕組みの中で、経営に苦労している。努力して新事業に移った会社や人を支援せずに、大手の建設業だけに結局お金が行くような『緊急経済対策』では、結局格差は開くばかりだ。
他にボイス81では、市町村からは主な課題として「地域公共交通への支援』と「地域医療の充実」について、意見や要望があった。 公共交通への支援は、県には、バス路線や市町村にまたがる公共交通への運行経費への助成や、市町村間の調整役を求める意見が多かった。また、上高地線の鉄橋の架け替えや、維持存続に向けた支援を望む意見もあった。しかし、県の答えは、国の『地域公共交通活性化・再生総合事業』の長野県への予算枠が増えたことへの自慢と、地域で守る精神が必要というものだった。 地域医療については、松本圏域は医療崩壊が問題になっている産科医療について、産科医の負担軽減と離職防止のために、分娩を扱う医療機関と検診を行う医療機関との連携を図るために、共通診療ノートを使った仕組みを市町村で創り、うまく機能している。これは地域を越えた取組みが必要のため、全県に広めたり、財政支援をという要望に、県は「いらない」と言う地域もあるので無理と、にべもない。再三の要望に、「必要とし合えるところには取り次ぎする」と。そんなことなら、市町村間でできる。やる気のない県衛生部だ。 村井県政肝いりのボイス81だが、活発な意見交換があるでもなく、ざっくばらんな本音の話もあるわけでもない。市町村長たちは良いのだろうか?
長野県緊急経済対策について |
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