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2009 年 1 月 28 日    
家庭の一般ゴミは減っているのに、長野県は産廃の捨て場になる!?
〜さわやか早苗日記507〜
 23日は、私の事務所に廃棄物問題の専門家、関口鉄夫氏を招き、廃棄物の現状について学んだ。
 以前より、県の廃棄物対策課では、長野県は「ゴミの排出県」で、県内から他県へ持ち出す量(流出量)が、県外から持ち込まれる量(流入量)を上回ると言って来た。
 ところが、関口氏が示した最終処分の広域移動の状況(平成18年度実績)によれば、状況は全く逆であり、長野県からの流出量5千t/年に対して、流入量は4万1千t/年であり、流入量の8倍以上もの多くの廃棄物が県外から長野県に持ち込まれている事がわかる。
 例えば、栃木県からは長野県へ1千t/年、静岡県からも1千t/年、茨城県やからは2千t/年、愛知県からも2千t/年、山梨県からは4千t/年、埼玉県からは5千t/年、千葉県やからも5千t/年、岐阜県からも5千t/年、神神奈川県からは6千t/年、群馬県からは9千t/年も持ち込まれ、新潟県や富山県、石川県、熊本県からも5百t/年には満たないが運び込まれている。
 長野県から運び出されているのは、群馬県に4千t/年、奈良県に1千t/年、山形県と愛知県にわずかのみ。
 長野県は完全に「廃棄物の大量流入県」となっており、長野県への流入量4.1万t/年は、秋田県(6.9万t/年)、山形県(5.7万t/年)、群馬県(5.7万t/年)に次いで、全国で4番目に多い。
 これまでの県廃対課の「長野県はゴミの流出県」という説明は、一体なんなのか?

 また、長野県では、「廃棄物の適正な処理の確保に関する条例」を昨年2月に県議会の反対少数・賛成多数で可決し、この春から条例が施行されるが、その条例では、これまでの処分場設置にあたって必要として来た『住民同意』を外してしまった。
 私は、「『住民同意』こそが、企業活動による廃棄物の環境負荷を抑止し、良好な環境保全を実際に担保するものであり、県条例は何よりもまず、住民・県民の生活環境・県の良好な自然環境を保全することに基点をおくべきであるという観点からしても、『住民同意』を外すべきではない。」と、廃棄物問題に取組んで来た県内の住民団体とともに知事宛に申し入れるとともに、これらの事等を理由に県議会でも新条例に反対したが、村井県政には、住民の声は届かなかった。
 先の長野県への流入量4.1万t/年は、平成18年度のものであるが、廃棄物の大量流入の実態を認識しようとせず、しかも唯一それを阻む力となっていた『住民同意』を外してしまう21年度からは、更なる大量の廃棄物が長野県に流入すると予想される。
 長野県は産廃業者に大甘の知事によって、産廃業者から狙われた県外のゴミの捨て場になる。
 「廃棄物の適正な処理の確保に関する条例」は、実は、「県外の廃棄物の処理の確保に関する条例」と言って良いだろう。もっと言えば、私が県議会での反対討論で述べた「ゴミは田舎や里山へ、さあ持っていらっしゃいという条例」なのだ。

 ところで、処分場に反対する住民に、行政が必ずいう言葉、「ゴミはどこかで処理しなければならない、あなたもゴミを出すのでしょう」「処分場の埋立残余量が少なくなっているから、新たな処分場設置が必要」という言葉がある。これは本当だろうか?
 関口鉄夫氏によれば、ゴミの総排出量は平成12年度の5483万tをピークに減り続けていて、18年度は5204万tである。一人1日あたりのゴミ排出量も同様で、平成12年度の1180gから、18年度は1116gに減っている。
 またリサイクルも進み、産業廃棄物の最終処分量は平成11年の5000万tから、16年には2600万tにグンと減り、それに伴い全国にある最終処分場の残余年数も3.3年から6.1年に増えている。更に既存処分場で埋め立ててあったゴミの圧縮などにより、最終処分場の残余容量は5年間で24万t増えている(11年の1億8394万立方メートルから、16年は1億8418立方メートルに)。
 家庭や事業所から出される一般廃棄物(それそれの地方自治体が処分する事とされているゴミ)の排出量とはどうかというと、平成2年には1680万tあったのに対して、10年には1350万t、18年には618万tと半分以下に減って来ている。これは、分別等が徹底されて来たためである。これに伴って、一般廃棄物の最終処分場の残余年数も、平成2年の7.6年から18年は15.6年に増え、残余容量も18年で未だ1.3億立方メートルある。
 「処分場の埋立残余量が少なくなっているから、新たな処分場設置は必要」というのは嘘ということ。
 また、安曇野市など自前の最終処分場がない地方自治体で、処分場を造る計画が進行中だが、山の中やリンゴ畑の中の人目につかないところに大きな処分場を造るのではなく、「小さな処分場を、計画中の新庁舎の隣の、衆人環視の場所に造るべき」という住民意見は、大いに参考にするべきである。
 そもそも、安曇野は湧水が命、扇状地の扇頂部や沢地形のところには絶対に処分場を造るべきではなく、そのような反対意見を述べる住民に対して、「ゴミはどこかで処理しなければならない、あなたもゴミを出すのでしょう」などと言う処分場建設委員会の専門家は、エセ専門家と言わざるを得ないと関口氏は言っていた。

 もう一つ注目したいのが、18年度の廃棄物の総量5204万tの内、一般廃棄物はたった618万tだということ。残りは産業廃棄物なのだ。私たちの家庭や、事業所等で出すゴミの量は、廃棄物全体の8.4%に過ぎない。
 つまり、廃棄物を減らすには、長野県も含めた日本が進める発生抑制の「一般ゴミ分別の徹底や、ノーレジ袋運動」だけではだめで、産業廃棄物を減らすしかないのだ。つまり、ゴミの元を絶つ発生抑制が必要で、企業の責任において廃棄物の処理を行なわなければ、達成できない。
 ドイツなどの発生抑制はこの考え方に基づき、企業は生産から廃棄までの責任を負っているため、ものを生産する時点から廃棄する時の事を考えて造る。だから、リサイクルし易くつくったり、処理の際に害になるものは処理コストがかかるから最初からつくらない。
 行政は、「ゴミはどこかで処理しなければならない、あなたもゴミを出すのでしょう」という言葉の前に、本気で企業に企業の責任において廃棄物の処理を行うことをやらせるべきだ。
 例えば、安曇野市の商店で買った商品の包装は、店に全て引き取ってもらい、店から企業に返すのだ。引き取らない企業の商品は店におかないようにすればよい。また。自治体が可燃ゴミの引き取る場合は、うんと高くする(ドイツでは4家族が暮らす集合住宅で1週間に出す可燃ゴミは洗面器一杯分、引き取り量が高いため)。そうすれば、市民も「ゴミを引き取ってくれる企業の商品を置く地元の店」でのみ買い物をするので、地域の商店も活性化する。隣の松本市でも、安曇野市民に買い物をして欲しいから、連動する。
 自治体のゴミ処理費用は馬鹿にならず、もし、企業の責任(費用)でゴミ処理を行うようになれば、自治体のゴミ処理費用が減った分、福祉や教育に回せる。

 関口氏の示してくれた数値は、私たち市民が廃棄物の現状について正しい知識を持つことが、廃棄物問題を考える上で大切だと教えてくれた。


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