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2009 年 2 月 16 日    
住民に信用されない県の環境調査、業者向きの廃棄物対策
〜さわやか早苗日記508〜
 県の「廃棄物の適正な処理の確保に関する条例」が、反対を押し切って県議会で可決されてから、まもなく1年経ち、今年春から施行される。県は、この条例で廃棄物問題に歯止めがかかると言うが、私には、県の責任転嫁、仕事放棄、住民ではなく業者の方を向いた条例のように思える。

 安曇野市三郷にあるM社の産業廃棄物処分業の更新を、県が昨年10月に許可した件で、先日、地元北小倉の住民が200人近く集まり、県に説明を求める集会を開いた。県庁や地方事務所から職員が12人ズラーっと住民の前に並んで座った。
 M社は、主に木屑の粉砕を行いチップ化しているが、周辺住民は、粉塵・騒音・悪臭公害に悩まされて続けている。住民の訴えにも、県は指導を繰り返すばかりで、その時だけ少し良くなっても、しばらく経てばまたひどくなるという繰り返しだ。

 M社の産廃処分業の許可(5年ごと更新)は、2007年10月に更新日を迎えていたが、県は態度を保留。これは、更新に対して地元住民から強い反対意見があったため。
 M社は、もともと地元のM氏が木くずの破砕などをやっていたが、負債が膨らみ、よその企業『A社』に引き受けてもらう代わりに、A社の社員がM社の社長になって経営陣が交代、経営は実質的にA社に移った。
 地元のM氏がやっていたときは、地元も産廃処理業を認めていたが、経営が移った頃から、処理量が猛烈に増え、騒音、粉塵、悪臭がひどさを増していった。

 実は、『A社』は、M社と先に業務提携をし(2004年)、M社は工場地を売却(05年)、そこに、『A社』は廃棄物処理施設を地元住民に説明なく建設したため、住民は施設稼働に反対をした(現在も施設は稼働していない)。M社の騒音、粉塵、悪臭が増していったのは、これと連動している。

 県が更新についての態度を保留している間も、M社の営業は続けられ、住民は数回県に対して許可の更新をしないよう求める申入れを行ってきた。昨年1月の申入れに対し、4月末に、県はM社に「粉塵飛散防止の指示書」を出した。
 10月に更新を許可したために、住民が抗議声明分を送ると、県からは「更新許可及び周辺環境調査結果」が送られて来た。昨年8月5日から10月10日までの39日間環境調査を行ったという。粉塵調査はバットを朝から夕方、騒音計を日に数回、事業所の東西南北4カ所と近隣住宅に設置し、同じ場所で臭気を調査者の感覚により確認したとのこと。
 調査の結果は、「木くず粉塵と思われるものもあったが、植物の種子と同程度の微量」「粉砕作業時の平均値は最大58デシベル程度で、安曇野市の基準の65以下」「臭気が確認された日もあるが、いずれも微材木臭」で、環境基準に適合していると書かれていた。

 これらの調査結果等に住民は納得できず、会場からは疑問の声が相次いだ。
質問:抜き打ちでやったのか
答え:調査の前に、(会社敷地の)中まで入る。本来は業者自らが行うべき調査だ。
質問:調査に来ていた時は減ったが、県が休みの土曜日はすごかった。調査が終わった今は、ものすごい。業者が塀をつけたら、煙突効果でよけいひどくなった。
答え:シャワーリングしながら破砕したり、カーテンの開け閉め等、工夫が見られる。
質問:西側の高いところに住むものだが、壁をつけたら、メガホン効果で遠くの高いところにくるようになった。朝の8時から、ゴォ〜ッ、ズシーン!とすごい音が始まる。
答え:騒音は50デシベルを切り、40台だ。
質問:調査のときは、処理量を減らしているのではないか。実際には、1日に2t車で100台以上の建築解体物を運び入れ、破砕している。洗濯物は外に干せない、草むしりはマスクに眼鏡と、深刻な話だ。実態は県の説明と違う。
答え:機械の処理能力が、1日200tを超えるというだけで、それだけやっているとは限らない。
質問:調査のときは何tやっているのか。
答え:作業時間は把握しているが、量は把握していない。
質問:量は、マニュフェスと伝票を見ればわかるはずだ。
答え:処理量の問題はあることはあるが、一定の速度で処理していっているので、1日稼働している日を選び調査した。
質問:納得できない。
答え:今はデータがない。
質問:調査結果と住民の話との違いはどこから来ると思うか
答え:最大限努力したが、確認できなかった。データとして残っていない。
質問:どうすればギャップが埋まるか。
答え:(ひどい時には)ご連絡ください。
質問:グラフから、数値の高い時、低いときとある。変動は粉砕量の違いではないか。粉塵と処理量は関連している、それを調べていなかったということなら、もっと、科学的に調査をするべきだ。屋根をかけると言ったが、屋根をかけていない。ふるいきと水をかけることで粉塵が減るのか疑問だ。
答え:水を霧状にして吹きかけている。粉塵がでないと期待している装置だ。

 県の調査は住民に全く信用されていない。事前に調査すると言って調査したら意味がない。
 M社側がさまざまな対策を講じたので許可したと県は言っているわけだが、住民がいくら訴えても、県は指導を繰り返すだけで、そうやって結局、業者の操業を許し続けているだけだ。

質問:搬入の入り口がなく、通ってはいけないと安曇野市と安曇野建設事務所で看板を立てている河川敷を通って搬入している。そのような状況なのになぜ許可を更新したのか。
答え:入り口は図面上は確保されている、今たまたま工事中。進入路が確保できれば許可せざるを得ない。

 11月に安曇野市から市長名で、河川敷川ではなく正式な入り口から搬入搬出を行うように改善を求める文書が出されたが、M社は無視している。正式な入り口は、今でも車の出入りが出来ない状態だ。県は、このような会社に免許の更新を許可すべきではない。

 田中県政時に梶山正三弁護士らの協力を得てつくったが、県議会の棚上げで成立しなかった旧廃棄物条例案には、「廃棄物処理に関して、環境や健康面での調査や監視活動をするために、県民からの申請で知事が認定する'県民環境協議会制度'」「廃棄物の不適切処理や不法行為について、住民が行う知事への '行政権限発動請求権'」「自分たちの地域は自分たちで守ろうとする地域住民と県が費用を出し合って行う'環境モニタリング制度'」が盛り込まれていた。村井県政の条例案では、これら住民側に立った制度はすっかり削られた。
 私の県議会での質問には、現行の制度で足りるとの答え。三郷の例からわかるように、全然足りていないではないか。本気で県がやる気があるなら、調査が住民主体で出来るように、県は新たな制度を今からすぐにつくるべきだ。
 また、平成17年に環境省から出された行政処分の指針には、「生活環境の保全上支障が生じ、又は、生ずる恐れがあると認められるときは、必要な措置を講じるよう命令し(指導を繰り返してはいけない)、従わなければ処分するように」と書かれ、「おそれ」がある状態とは、「通常人をして支障の生ずる恐れがあると思わせるに相当な状態」をもって足りると書かれている。
 洗濯物を外に干せず、草むしりをするのにマスクと眼鏡というのは、まさにこの状態にあたるはずで、県は、国の法を守っていないということだ。


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